敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は全米でトップクラスの発行部数を誇る全国紙USA Todayのデジタル版USA Today Networkの社長を務めるマリベル・ワズワースさんの仕事術です。
22年前、Maribel Perez Wadsworth(マリベル・ペレズ・ワズワース)さんはガーネット社所有の地方紙、Rockford Register Starで、イリノイ州の農業担当記者としてキャリアをスタートさせました。そのあと、ガーネット社のチーフ・ストラテジー・オフィサーと購読促進担当バイスプレジデントを歴任。現在は、ガーネット社のUSA Today Networkの社長兼アソシエート・パブリッシャーとして、膨大な読者を抱える地元紙と全国紙を監督しています。そんなMaribelさんに毎日のスケジュールやToDoリストの習慣、成功の尺度についてきいてみました。
居住地: バージニア州マクリーン
現在の職業:USA Today Network社長、USA Todayアソシエート・パブリッシャー
仕事の仕方を一言で言うと:意図的に
現在の携帯端末:iPhone
現在のPC:MacBook Pro
── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?
私は生まれも育ちもマイアミで、マイアミの大学でジャーナリズムを勉強して、AP通信マイアミ支局でキャリアをスタートさせました。当時の婚約者はイリノイ州ロックフォードでレポーター兼キャスターとして働いていました。1年間の長距離恋愛をしたあと、私は思い切って彼のところ引っ越しました。これは人生最高の決断だったと思います。22年後の現在も彼と結婚しているのですから。そして、私がガーネット社と関わるきっかけとなったRockford Register Star社で農業担当の記者になりました。
中西部で数年暮らしたあと、フロリダに戻り、フォートマイヤーズのThe News-Pressでリポーターの仕事に就く機会に恵まれました。夫婦そろってその土地が大好きでしたし、私にとっては、ジャーナリストとして成長する機会をたくさん与えてくれたすばらしい指導者が何人もいるダイナミックなニュースルームで働くことができたのは幸運でした。2009年にそこを去るときには、デジタル紙の編集長になっていて、この役職に就いたおかげで、ガーネット社の米国コミュニティー出版部門で地方紙編集室のデジタルコンテンツ戦略を推進するデジタルニュースエグゼクティブに就任することに。
そのポジションにいたときに、部署の枠を超えてイニシアチブを取り、会社のオペレーションを学ぶことができました。ビジネスとしてのジャーナリズムを守り成長させたいという情熱に火がついたのはそのときで、結局それが、現在の私の役目につながっています。
USA Today Networkの新社長として、USA Todayや地方メディア企業109社など、国内有数の多様なニュースブランドだけでなく、料理、美容、ファッション、フィットネスに関するコンテンツを特集するライフスタイル系のサイトを集めたGratefulのような最近増加傾向にあるニッチなブランドも監督下に置いています。

──最近の1日の流れを教えてください
私の仕事の良い点の1つは、1日たりとも同じ日がないことです。最近の月曜日を例に挙げると、こんな感じです。
午前4:00:鳴り響く携帯のアラームによろよろと手を伸ばしながら、朝6時のフライトに乗る前の晩は、夜更かしするんじゃなかったと後悔します。頭を振って目を覚まし、大急ぎで荷造りとシャワーを済ませ、4時半に何とか自宅を出発。
午前7:15: LaGuardia空港に到着。我が社のブランド代理店で本日最初のミーティングに出席。USA Today Networkの新しいブランドキャンペーンを打ち出すために直近の仕事をレビュー。
午前10:30:ミッドタウンオフィスに到着。毎週開催される全国販売チーム会議の準備。私はその会議でコンテンツ部門の最新戦略を発表して、Grateful VenturesのCEOを紹介します。Grateful Venturesは、我が社のライフスタイルブランドの欄のメインになる予定です。
ニューヨークのチームメンバーと1対1で短いミーティングをいくつかしたあと、ワシントンDCにシャトル便で戻り、週に1度のCEOとのミーティング。翌日のボードミーティングを前に、2、3時間資料の確認。夜7時ごろ帰宅して、『The Voice』(こういうオーディション番組には目が無いんです。私には芸術的な才能がまるで無いので、才能がある人に憧れています)を見ながら、夕食とメールのキャッチアップ。
午後10:30ごろ:ソファの上でいつのまにか眠っていたことに気づいてベッドに移動。明日に向かって今日も頑張りました。
── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?
間違いなく、携帯電話です。自分の腕の延長みたいになっています。いつも手元においておかないと気がやすまりません。WazeやHeadspace、それから、もちろん、USA Todayも好きです。
── 仕事場はどんな感じですか?
ラップトップ、携帯電話、カフェインさえそろっていれば、私はどこでも仕事できます。上空30,000フィートの機上で仕事をしていることもよくあります。オフィスの外で仕事をしているときは、家族の写真と快適なソファも満喫しています。
── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?
家族の食事のプランを立てることです。30分でできる献立のスプレッドシートがあって、家族全員が1人1晩ずつメニューを選択します。それに応じて私が必要な食材を買いにスーパーに行けるように、日曜日にみんなで献立を決めることにしています。ルールは2つだけです。1つ目は誰かが選んだものを重複して選ばないこと。2つ目は誰かが選んだものについて文句を言わないことです。時間とストレスをセーブできて、他の時短術よりヘルシーです。
──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?
紙とペンで作る古典的なToDoリストを使っています。完了したタスクをリストから消すと満足感を覚えます。あと、Outlookのカレンダーがないと何が何だかわからなくなると思います。
──どのように充電していますか? 仕事のことを忘れたいときはどうしますか?
料理、ビーチで過ごすこと、夫と息子たちと一緒に外出することです。この3つを同時にできたら、私には天国です。
──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?
今年は本を25冊読むことに挑戦しました。年末が差し迫ってきたので、ちょっと無理をして目標をクリアしようとしています。今読んでいるのは、Amor Towles著『A Gentleman in Moscow』ですが、同じ作者の本で『Rules of Civility』も好きです。最近読んで気に入っているのは、Jeannette Walls著『The Glass Castle,』です。これは、精神病者を抱えながら暮らしている痛ましい家族の回想録です。
──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?
Ruth Bader Ginsburg女史(アメリカ最高裁判所女性判事)です。
──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください
「たとえ何でもうまくやれる人でも、すべてを同時にはうまくできない」です。女性にとっては特に良いアドバイスです。母としても妻としても完璧になり、さらに仕事も完璧にしなければという大きなプレッシャーがあるからです。この際、完璧主義は捨てましょう。この3つは、どれ1つとっても容易でないことばかりなので、1つずつ別個に考えましょう。日々の成功に意識を向けて、他のすべてを視野に入れながら、小さな成果でも評価することが大切です。毎日、あらゆる瞬間にあらゆることを完璧にできる人などいないのです。目の前の瞬間を、特に学びのある瞬間を大切にしましょう。
──他に何か読者に伝えたいことはありますか?
みんな、もっと睡眠を取るべきです。そうすれば、世の中から不機嫌な人がずっと少なくなるでしょう。
Image: Lifehacker US
Source: Today Network, Headspace, USA Today, Amazon(1, 2, 3)
Nick Douglas - Lifehacker US[原文]