fitbitが満を持してリリースしたスマートウォッチ「fitbit ionic」を入手して3週間ほど使ったので、印象をご紹介します。

知らない人のためにざっくりと機能を説明すると、「fitbit ionic」はスクエアなアルミニウム製ケースに1.42インチのディスプレイ(348 x 250)を搭載。また、心拍センサーやGPS、決済用のNFCや防水性能を持ち、バッテリーの駆動時間は最大で5日です。Bluetoothイヤホンを併用すれば、スマホなしで音楽を楽しむことが可能。Android、iOS、Windowsと連携して使えます。

アメリカではすでに販売開始されており、週刊アスキーに書かれた 「Fitbit Developers and Users Conference 2017 Autumn」 からの情報によると、国内販売は2018年1月、価格は3万6000円(税込)の予定とのこと。

フィットネス中心の端末

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Photo: 傍島康雄

fitbit ionicは、フィットネストラッカーにスマートウォッチを付け加えたような端末です。

よく分かっている人たちが「かくあるべき」という考えを持って、フィットネスデバイスにスマートウォッチ機能を加えた印象を受けます。Apple Watchもシリーズを重ねるごとにフィットネストラッカーの側面を強めているものの、機能のひとつといった感じで、fitbit ionicとは扱いが異なります。

デザインは、初見で皆がカッコイイと言える要素が少ないのは事実ですが、「すべてはフィットネスのために」と考えられており、巧みに造り込まれている部分があるのでご紹介します。

軽さを極めている

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Photo: 傍島康雄

fitbit ionicのケースは、腐食に強い6000番台のアルミ合金製。ベルトを含まないケースの重さはわずか29g。42mmアルミケースのApple Watchが32.3gなので10%くらい軽量です。

標準のLサイズのベルトを装着した重量は46g(実測)。メタルバンドのチープカシオ「A164WA-1」(51g)よりも軽いのは驚きです。

これで重さを感じないと表現するとウソになるものの、つけていることを意識しないときがあります。また、ランニングに使っても重さで負担になることはありません。

軽いつけ心地

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Photo: 傍島康雄

ケースは台形を逆さにした形で、上底に当たる部分にセンサーが集中しています。そのため、手首を曲げても確実にセンサーが手首に当たり、正確な心拍が計測されます。fitbit ionicの計測値とかかりつけの医者の計測値が1違いだったのには驚きました。

また、ケース縁が斜めにカットされているおかげで、大柄なケースの割に手首を動かしても邪魔になりません。こうした巧みな造りのおかげで、つけ心地が軽く快適。睡眠計に使っても眠りを妨げることはありません。フィットネストラッカーは、腕時計よりも長時間つけているので、つけ心地の良さにもっと注目しても良いでしょう。

5日間使えるバッテリー

多くのスマートウォッチは2日使えれば良い方ですが、fitbit ionicは最大で5日使えるので、通常のものより倍以上の時間稼働します。活動計と睡眠計として3日間使ってみたところで、バッテリー残量は40%を少し切った程度でした。最大5日の数字は誇張したものではなさそうです。これならば平日は充電なしで使い、週末に充電するサイクルが作れます。

スマートウォッチとしての実力

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Photo: 傍島康雄

標準で「エクササイズ」や「Coach」「Relax」などのエクササイズ関連から、「天気」「タイマー」「アラーム」などの生活関連のアプリが搭載。加えて、サードベンダーの音楽アプリ「Pandora」、サイクリングアプリ「Strava」、スターバックスで支払いに使える「Starbucks」が搭載されています。

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Screenshot: 傍島康雄 via fitbit ionic

それに、ウォッチフェイス(fitbitではクロックフェイス)も変更できます。

いま使えるのは標準搭載の17種類ですが、アプリストアがオープンすれば爆発的な選択肢になるはず。肝心のアプリストアといえば、原稿執筆時点は開始されていません。ただ、開発者には9月からSDKが提供されているので、近日中には開始されると考えられます。

他のスマートウォッチでは把握できない程のアプリがあるのに対して、現状は精鋭メンバーのみで比較対象にならない状況です。スマートウォッチとしての評価は、アプリストアのオープン後にもう一度行う方が良いかもしれません。

タッチパネルとボタンを併用した操作

操作は、タッチパネルと本体左右にあるハードボタンを使います。

ほとんどはタッチ操作で完結する作りで、操作方法がスマホと同じなので違和感なく使うことが可能。たとえば、クロックフェイスを表示した状態で左にスワイプするとホーム画面が表示されて、インストールしているアプリのタップすると起動します。

左のハードボタンは、Androidの戻るボタンに似ており、ひとつ前の画面に戻る動きをするのと、クロックフェイス表示した状態で押すと、ディスプレイのオン・オフができます。

右側の上ボタンはクロックフェイスを表示した状態で押すと、今日の活動量のサマリーを表示し、下ボタンはトレーニング開始のアプリを起動します。

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Photo: 傍島康雄

右側の2個のボタンは、アプリ起動中は独自の動きが定義できます。しかし、今のところ活用しているアプリは多くない印象で、ホーム画面でも使われていません。

fitbit payにはあるべき姿に期待したい

fitbit ionicにはNFCが搭載されており、fitbit payによる支払いができます。

国内展開は「対応先を調査中」とされていますが、先んじて国内展開中のApple PayやAndroid Payは、所有するクレジットカードがどの電子マネーに対応するかで運用方法が異なるので分かりづらく面倒です。

同じ面倒をfitbit payが抱えることはないので、後発だからこそのメリットを活かして、登録したクレジットカードの代わりに使える「あるべき姿」で決済機能を提供してほしいと考えています。

未来のある有望株

fitbit ionicは、Apple WatchやAndroid Wearと比較すればこれからです。ただ、同じベクトルで競いあっても狭い市場を奪いあうだけでしょう。そこで、誰しもが望んでいる健康的な生活を手助けするデバイスとして利用者にアピールすれば、分かりやすく価値が伝わって定着していくはず。最後の大物として、期待しています。

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Image: 傍島康雄

Source: 週刊アスキー

Reference: fitbit