筆者はほぼ毎朝のように「意識の流れ」を手書きでノートに3ページほど書きつけています。椅子に腰掛け、3ページ書き綴ったところで手を止めます。そして、これは自分自身と自分の精神衛生にとってもっとも効果的なことの1つだと、心の底から確信しています。

日記でも、フリーライティングでも「ブレインダンプ」でも「モーニングページ」でも、何と呼んでもかまいませんが、これは頭の中をきれいにして1日のスタートを切り、そしてあえて言わせてもらうなら、よりクリエイティブな人生を過ごすためのパワフルなツールなのです。

「モーニングページ」については『The Artist’s Way』を読んで初めて知りました。何だかけばけばしい見た目の本ですが、びっくりするくらい実用的な自己啓発書です。

この本は、大学を卒業した時に親友がプレゼントしてくれたのですが、その後しばらく本棚に飾られたままでした。数年後、Meaghan O’Connell氏が米メディアThe Cutに書いた「This Terrible Self-Help Book Is Actually Making Me a Better Artist(このすごい実用書のおかげで私はアーティストとしての腕を上げた)」という記事を読んだあとで、ようやくこの本を開きました。本の内容についてはO’Connell氏の記事に任せるとして(断定を避ける独特の文体にもかかわらず、とても説得力があります)、ここでは「モーニングページ」について彼女が何を述べていたかを紹介しましょう。

毎日、朝一番に書いていますが、それは机に向かう習慣を付けるためにも役立っています。書きつけていることのほとんどは、単なる泣き言、お金のやりくり、もしくはその日の予定などです。要は日記ですね! でも、目標のある日記です。たとえそれが幻想であろうが、自分を芸術的に解き放つという目標があるのです。

O’Connell氏もそうだと思いますが、筆者はフリーライティングで自分の創造性が解き放たれることが幻想だなんて思いません。むしろそれはフリーライティングがまさに可能にすることだと思います。さらに「モーニングページ」には、それ以上の効果もあると思います。筆者が知る限りでは2つの大きな効果があります

1. 頭の中で何が起きているのかを理解できる

これはマインドフルネスに似ています。ただ、少なくとも伝統的な瞑想は、たとえば呼吸や物体、マントラやお経などに集中して、湧き上がってくるさまざまな思いを感じ取っても気に留めないようにする訓練であるのに対して、「モーニングページ」は「自分の思いを意識する」部分を重視しています。

3ページという量はかなり長いので、もともと認識していた頭の中の思いを全部書き、さらに深く掘り下げることができます。沸きあがってくるものを理解することは、驚くほど有益です。そして、頭の中を駆け回るたくさんの思いを捉えた時、駆け回っていたものが落ち着き始めます。

2. いちいち手を止めて内容を評価せずに書き綴る訓練になる

結果の良し悪しを心配することほど、創造への衝動を台なしにするものはありません。その創造的活動が、エッセイであれ、絵画であれ、パワーポイントを使った上司へのプレゼンであれ、評価が創造の敵であることに変わりはありません。

フリーライティングでは、クオリティにとらわれることなく先に進み続け、創造し続ける必要があります。誰も読む人はいませんし、恐らくこの先ずっと、本人さえ目を通すこともないでしょうから「モーニングページ」にクオリティを求める必要はありません。

ただひたすら書き続けるのです。自己評価をやめることは、びっくりするほど難しいものです。ですがそれは、とても重要で有用な訓練なのです。

こうした効果はそのひとつひとつが絶大なものですが、組み合わせることでさらに相乗効果が生まれ、頭の中のアイデアが自由にほとばしるようになります。アイデアが湧き出るままにしておくことに慣れたら、フリーライティングをしていなくても、アイデアがもっと湧き出てくるようになるでしょう。

そして、クオリティを気にしてアイデアの泉を止めないことに慣れれば、アイデアの可能性をさらに広げることができます。そうなれば、より多くのアイデアを得られるようになるのです。

手書きするスタミナもつくでしょう。実際、最初のうちは手が筋肉痛になると思います。手首のちょっとした筋肉が鍛えられているのです。でも、それこそ書くネタになりますよね。

Image: Angelina Litvin/Visual Hunt

Source: amazon, The Cut

Reference: Wikipedia

Jaime Green - Lifehacker US [原文