2013年のリリース以来成長を続け、今では毎日600万人以上のアクティブユーザー数を誇るまでになったビジネスコミュニケーションツール『Slack』。この度、そのSlackの日本語版がサービス開始されました。
日本語版の最大の特徴は、Enter/Returnキーでのメッセージ送信の代わりに送信ボタンが追加されたこと。それだけ?とも思えますが、これは日本へのローカライズに際しての言語的特徴を理解した上での配慮なのです。日本語でのタイピングでは、ひらがな、カタカナ、漢字、と変換が必須となるため、その際のEnter/Returnキーの使用頻度は高くなります。そのため、入力中の誤送信を防ぐためとして、送信ボタンが追加されたのです。

とはいえ、日本語版ローンチ以前からSlackを使っているよ、という人も多いと思います(私もそのひとりです)。それもそのはず、Slackによれば「日本は世界第3位の市場規模となっており、東京でのSlackの週間アクティブユーザー数は33万人にも登る」のだそう。日本語版のローンチにより、Slackは日本での市場をさらに拡大していき、ユーザー数はさらに増えるのではないでしょうか。
コミュニケーションこそ仕事の中心

日本語版ローンチに際し、Slackはメディア向けの発表会を行ない、Slack本社の営業・カスタマーサクセス部門の幹部であるRobert Frati氏が登壇しました。
Frati氏のプレゼンのなかで特に印象的だったのは、仕事とコミュニケーションとの関係について。Frati氏は「コミュニケーションこそ仕事の中心」と言います。組織全体、部署、プロジェクトチーム、そして社外、と働く上で組織にはいくつもの階層があり、業務を進めるためには的確な情報伝達が必要となります。仕事をするということ自体が多くの人にとってコミュニケーションすることを軸としている、ということです。
さらに、デジタルインフラが十分に普及した現代社会では、アプリケーションやツールなど業務における多様化・複雑化があげられます。さまざまなアプリケーションやツールを使うことで便利になる一方、それぞれが個々に乱立していると複雑になっていくのです。
こうした現状のなかで、Slackというアプリケーションはコミュニケーションを効率よく快適にし、業務を複雑化させないためのソリューションとしての立場を築こうとしています。Slackが大きく成長できた(しつづけている)のはこうした点があげられるでしょう。
Slackの特徴
では、Slackがコミュニケーションの効率化や業務の簡易化にどう役立つのか、その特徴をみていきましょう。
・「チャンネル」機能

Slackでは、チャットを効率的に行なえるようにチャンネルというものが設定されています。チャンネルではメンバーを指定できるため、それぞれの会話を整理できます。たとえば、組織全体でアナウンスすることは全メンバーがいるチャンネルで、部署やプロジェクトチーム単位で会話する場合はそれぞれメンバーを選んでチャンネルを作成することで個々に会話できる、ということです。
さらに、トピックごとにチャンネルを作ることで、業務における会話を分類できます。個々のプロジェクトに関してや業務連絡、目標設定、会議ログなど、自由に設定することで、後から「〇〇についてはどうなっていたかな?」なんて疑問にも、そのトピックのチャンネルをみればわかる、といった具合に情報へすぐにリーチするようになります。
・コラボレーション機能

Slackでのコミュニケーションは、テキストだけではありません。Slackはサードパーティー製のアプリケーションやツールとのコラボレーション(連携)機能に特化していることも特徴です。
この連携機能によって業務をさらに効率化させられます。Slackのアプリページではたくさんの対応アプリがラインナップされており、ボットやファイル管理、SNS連動、タスク・スケジュールの共有など多岐に渡ります。たとえば、Googleカレンダーと連携してチーム内のスケジュールを確認・共有したり、ボットによって重要なEメールの管理、Twitterとの連携で特定のポストを表示させる、asanaとの連携でタスクのリマインドをする、などなど本当にあらゆることがSlackプラットフォーム上で一括で行なえるのです。
・マシンラーニングによるスムーズな検索・通知

Slack上でのコミュニケーションはすべて自動的にアーカイブ化され、検索が可能です。さらに検索において、マシンラーニングによる学習機能が使われることで、情報へのリーチがよりすばやく的確になるのです。
たとえば、上の画像のように「制作スケジュール」に関して調べたとすると、それについて言及されたメッセージとそれに付随するファイルを同時に一覧として表示してくれます。加えて、その検索内容にもっとも合った会話の判別やそれについて多く発言している(すなわち関連性が高いと推測される)メンバーを表示。こうした検索をすればするほど、マシンラーニングによる学習が発達していき、より精度の高いサジェストを表示するようになるのです。
また、通知においても、未読のものからより優先順位が高いと思われる通知を判別し、ハイライトや要約としてサジェストしてくれます。
「働き方改革」といったキーワードも盛り上がりをみせる昨今の日本、Slackはツールを用いた業務の効率化によってそれを目指そうとしています。
日本語対応によってこれまで使っていなかった人もぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか? これまで使っていた人も、サポートも充実してより使いやすくなった日本語版のSlackを使ってみてください。
Image: Slack
Source: Slack