嫌がる子どもに薬を飲ませると、親も子どもも双方がつらい思いをする結果になりがちです。私の娘がまだよちよち歩きの幼児だったころも、とても大変でした。最初はご褒美でなだめようとするのですが、それではうまくいかず、飲んでくれるようお願いしたり脅したりする羽目になります。それでもダメなら、最後は「うーん、これはもう、押さえ込むしかない」とあきらめ、夫と二人がかりで、泣き叫ぶ娘の口にシロップ状の薬を注射器のシリンジで注ぎ込んでいました。これは、子どもを持つ親なら誰でも頭を悩ませている、差し迫った難題です。
とはいえ、長年の試行錯誤を経て、医師や親たちは、できるだけスムーズに子どもに薬を飲んでもらう優れたテクニックを編み出しています。この記事では、そうした例をいくつかご紹介しましょう。
おことわり:この記事で挙げたテクニックを試す場合も、子どもが定められた用量の薬をきちんと飲めるよう、親は十分に気を配ってください。こちらのハーバード・メディカルスクールの記事には、正しく量を量るためのコツが解説されていますので、参考にしてください。というのも、特に液体状の薬の場合、親の計量はまったく当てにならないケースが多いからです。また、薬に何かを混ぜる方法を使う場合、あるいはどんなものであれ、2歳未満の子どもに薬を与える場合は、必ずかかりつけの医師に相談してください。
哺乳瓶の乳首を使う方法
相手が赤ちゃんの場合、安心を与えてくれるよりどころ、すなわち哺乳瓶の乳首から薬を与える方法が使えます。乳首の形をした薬投与用の器具も市販されていますし、保育士のHelena LeeさんがFacebookに投稿した以下の動画のように、哺乳瓶の乳首に薬の入ったシリンジを装着して投与する方法もあります。
アイスキャンディーを使って「舌を凍らせる」方法
今度は、みんなが大好きなアイスキャンディーを使った方法をご紹介しましょう。これは、Gym Craft LaundryのHerchel Scruggsさんが提案しているものです。Scruggsさんは、若年性関節炎にかかった娘さんに、1日2回、治療薬を飲ませるために使った工夫について以下のように書いています。
薬を飲む前に、舌が冷え切って無感覚になっていれば、薬の味はほとんどわかりません。いわば、「舌を凍らせる」効果とでもいうものです(私もかなりの試行錯誤の末に、この方法に思い至りました)。
まずは、娘が薬を飲む数分前に、アイスキャンディーを与えます。
娘がアイスを食べている途中で、一度食べるのをやめさせて薬を与えます。そして、薬を飲み終わってから、残りのアイスを食べるようにします。
この方法なら、薬の種類に関係なく、味がわからなくなる効果があるようです。クリーム状の抗生物質、ジュースに溶かしたカプセル薬の中身、さらにはプレドニゾンでも、たいていの場合はうまくいきました(とはいえ、液状のプレドニゾンのまずさを完全に覆い隠せる方法は見つけられませんでした)。
「チェイサー」を活用する方法
テキーラをショットグラスで一気飲みしたあとに、ライムのスライスをかじっていた夜遊びの経験が、子育てで役立つ日がくるだなんて、誰が想像したでしょう? これも、前述のアイスキャンディーを使ったテクニックと似た方式ですが、子どもがとてもまずい薬を飲まなくてはいけなくなった時に、ジュースやミルクなどの「チェイサー」をコップに入れて用意しておくという方法です。
棒付きキャンディーを液状の薬にひたす方法
1日に何度も薬を与える必要がある場合は避けたい手でしょうが、液状の薬に棒付きキャンディーを浸しなめさせるというのも、楽しく薬を飲んでもらうために使える方法です。ただし、最初におことわりしたように、所定の容量をきちんと与えられるようくれぐれも気をつけてください。子どもが規定以上の量を飲んで、思わぬトラブルに巻き込まれる恐れがあるからです。
味付けを加える方法
苦い薬の味を少しだけ和らげる、液状の補助剤を愛用しているという親もいるでしょう。この補助剤のレビューには、こんな投稿がありました。「子どもに苦い薬を飲ませているというつらい思いを抱く代わりに、おいしいものを与えているという気持ちになれるので、親にとっても気が楽です」
名前を変える方法
どの子にも効果があるとはいえませんが、名前にはそれなりの力があります。薬に「スーパーヒーロー・ジュース」や「モンスター・フューエル」といった子どもウケする名前をつけることで、喜んで飲む気にさせるという作戦です。
Image: Dmitriy Krasko/Shutterstock.com
Source: Harvard Health, Fatherly, Amazon(1, 2), Facebook, Gym Craft Laundry
Michelle Woo - Lifehacker Offspring[原文]