球技などの対戦相手が必要なスポーツは、新しく始めるには少し敷居が高いと感じられるかもしれません。

その点、ジム通いやランニングは、思いたったときに1人でできるので、始めやすいスポーツです。私は自転車(ロードバイク)を趣味にしていますが、自転車もそんな気軽なスポーツのひとつ。

ただし、自転車の購入に費用がかかるという点は、無視できないデメリットではあります。しかし、ランニングと比べると関節などを痛めることが少なく、乗り慣れてくれば50km、100km(上級者になれば200km程度)もの距離を走れます。ちょっとした旅気分も味わえるのは、大きなメリット。旅先で美味しいものを食べて帰るのを楽しみにしているサイクリストもとても多いのです。

STRAVA(ストラバ)』は、そんなサイクリストの大半が利用しているスマホアプリ。モチベーションを維持しやすいという特徴があるので、これから自転車を始めてみようと思っている人だけでなく、ランナーも要チェックのアプリです。

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Screenshot: 田中宏和 via STRAVA

GPSを内蔵しているスマートフォンなら、『STRAVA』アプリ単体で利用可能。自転車にサイクルコンピュータや各種センサを取り付けて連携すれば、機能性や精度がさらにアップします。

一般的なランニングアプリと同じように、移動時間、距離、平均速度、獲得標高(坂を登ったり下ったりしたうち、登りの高さだけを累計した数値)、燃焼カロリー量の目安を記録してくれます。

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Screenshot: 田中宏和 via STRAVA

しかし、このアプリがユニークなのは、ユーザーが各自で設定(PCからのみ)できる「区間」があるところ。

自分だけの非公開区間を作ることも可能ですが、公開しておけば、同じ区間を走った他のユーザーとベストタイムを競えるのです。

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Screenshot: 田中宏和 via STRAVA

大抵の場合、すでにそれなりの場所には他のユーザーが区間を設定していますので、特に自分で何かをしなくても、他のユーザーと自分の記録を比較できます

初心者の場合、トップの記録を見ると「原付バイクで計測したんじゃないの?」としか思えない記録に驚くかもしれませんが、何年か真面目にトレーニングを積めば、上位に迫るタイムを出せるようになります。

とはいえ、そんなに何年も先を見ながらアスリート級の人を目標に頑張るだけでは、モチベーションの維持は難しいもの。

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Screenshot: 田中宏和 via STRAVA

そこで、『STRAVA』のSNS機能を使ってみましょう。メニューアイコンの中に「クラブ」という項目がありますが、近くのクラブ(サークル)を紹介してくれます。

リアルにつながっている人だけで作っているクラブもありますが、ほとんどの場合はネットワーク上だけのつながりでも問題はありません。私の所属クラブにも、どこからともなく参加している外国人が何人もいるくらいです。

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Screenshot: 田中宏和 via STRAVA

クラブ内で気になる人がいれば、フォローしてみましょう。知っている人以外にはフォローして欲しくないという人は、アカウントに鍵をかけていますので気にすることはありません。

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Screenshot: 田中宏和 via STRAVA

フォローした人の記録は、「フォロー中」タブにタイムラインとして表示されます。フォローしている人が毎日走っていると、負けていられないと、やる気モードにさせられます。

また、活発に活動しているクラブなら、グループライドの案内などをしてくれると思いますので、リアルなつながりに発展することもあります。

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Screenshot: 田中宏和 via STRAVA

ぜひ挑戦してほしいのが「チャレンジ」というお題(ノルマ)。

頑張れば達成できる程度の、ちょうどいいお題を毎月提示してくれますので、これをクリアすることを目指していれば、自然とレベルが上がってくるのです。私自身、気がつけば多くの自転車仲間ができていますが、中でも『STRAVA』で繋がったサイクリストたちは、明らかにモチベーションが高いと感じています。

ただし、自転車は公道を走る乗り物ですから、区間記録更新に気を取られて交通ルールを破るようなことのないように、肝に銘じておいてください。新しい区間を作る場合には、市街地での設定を避け、信号機をまたいだ区間をなるべく作らないといったマナーを遵守してほしいと思います。

本格的な自転車を買うつもりがなくても、ちょっとした運動不足の解消にも活用できますので、シティサイクル(ママチャリ)で使ってみるのも、きっと面白いでしょう。


Image: 田中宏和

Source: Strava / App Store, Google Play ストア