子を持つ親同士の会話で、睡眠ほど盛り上がる話題はありません。添い寝すべきか、睡眠トレーニングはするべきか、この子はどうして夜中に目を覚ますのか。これらは主に赤ちゃんのころの話題ですが、その段階を過ぎて長く寝るようになってからもなお、親を悩ませる子どもがいます。それは、超早起きな子どもたち

いえ、子どもが早起きだろうと、親がベビーカーを押して夜明け前の街をさわやかに歩けるような朝型人間であれば問題はありません。でも、あなたが午前0時を回らないと寝付けないような夜型の親だったら? 朝5時に起きる子どもは、心や健康のみならず、人生さえもめちゃくちゃにしかねません。

睡眠の専門家は、夜型や朝型といった、その人に固有の睡眠スケジュールを「クロノタイプ」と呼びます。親と子のクロノタイプが一致しない場合、どうすれば共存できるのでしょうか。この問題を探るため、米国Children's National Health Systemで睡眠医学の副所長を務める心理学者のDaniel Lewin氏にインタビューを実施。同医師によると、親と子のクロノタイプの「ミスマッチ」は、非常に一般的なのだそうです。

朝型の誰かに託す

Lewin氏はまず、何よりも明確な解決策を提案します。それは、夫婦のクロノタイプが違うのであれば、朝型のほうが朝を担当し、夜型のほうが夜を担当するという方法。ちょうど筆者の友だちで、そういう夫婦がいます。夫が極端な夜型のため、夜の散歩、深夜の嘔吐、夜泣きなどは夫が担当し、朝6時以降は妻が担当しているのです。

早朝だけベビーシッターを雇っている夫婦もいます。シッターさんに鍵を預け、たとえば朝5時から8時だけお任せするという方法です。もちろん出費は避けられませんし、早朝に対応してくれるシッターさんを見つけなければなりません。

ほかにも、どちらかの両親が近くに住んでいて、夜明け前にやってきて朝食と朝一の遊びに対応してくれるなんていうラッキーな夫婦もいます。

でも、これらの解決策が現実的でない場合、誰かが変わらなければなりません。具体的には、子どもの時間を後ろにずらすか、親の時間を前にずらすかのどちらかです。

子どもの時間を後ろにずらす

新生児を抱えた生活はまさにサバイバル。でも、そのやり方を選択することはできます。Lewin医師はこう続けます。

生後6カ月までの赤ちゃんは、あまり決められた時間に寝るということができません。ですが、添い寝やすぐ隣にベビーベッドを置くなど、親が近くに寝ることで、やがて親のスケジュールに順応していきます。

また、授乳や食事の時間を少しずつずらすことでも、睡眠スケジュールを調整できます。

生後6カ月を過ぎると、夜中の授乳は不要です。そこで、睡眠中に与える栄養を少しずつ減らし、最終的にはなくしてしまいましょう。すべての栄養を、日中に取るようにするのです。たとえば、寝る前の授乳に少量のヘルシーなスナック(オートミールやライスシリアルなど)を足すなどして、最適なスケジュールに調整してください。

昼寝、光、活動を調節する

昼寝が大切だとLewin氏は言います。

乳児後期から幼児にかけては午後の昼寝のタイミングが重要で、昼寝を優先するライフスタイルや家系では、就寝時間が遅く、夜の間の睡眠時間も短くなる傾向があります。

夜型の親は、子どもの昼寝を少し遅めにすれば、夜に子どもと過ごす時間を増やすことができます。また、夜型の親にとって「就寝時間が遅い」のは魅力ですが、朝遅くまで寝てくれないのであれば意味がありません。

朝起きる時間を遅くするには、子どものスケジュールを少しずつ切り替えるといいでしょう。睡眠トレーニングを造作なくできる子どももいます。そういう子は、親のスケジュールに合わせやすいでしょう。

睡眠スケジュールの切り替えとして考えられるのは、夜に光を当てて朝は当てない、あるいは午後の遅い時間に「活発な」活動を取り入れるといった方法です。

ミュージシャン夫婦で、子どもを自分たちのナイトライフのスケジュールに合わせている人もいます。その子たちは、かなりの遅寝(たいてい夜のライブ後に就寝)、遅起きのようです。筆者も夜型のため、子どもが生まれてすぐのときに遮光カーテンを買いました。これがうまくいっていて、子どもが7歳と4歳になった今も愛用しています。

親の時間を前にずらす

残念ながら、早寝・早起きのリズムを変えたがらない子どももいます。

生物学的なリズムががちがちに固定されている子どももいます。そうであれば、親のほうが変わるしかありません。

最低でも7時間寝ないと人間らしく生きられないという人なら、もし子どもが5時に起きるのであれば、夜は10時までに寝なければならないわけです。子どもが寝たあとの自由な時間を楽しみたい親にとっては、10時に寝るなんて罰ゲームに感じられるかもしれません。

Lewin氏によると、就寝時間よりも起床時間のほうが調節しやすいので、起床時間を15分ずつシフトするのがいいそうです。

早朝に光を浴び、夜は光を浴びないようにするのも効果的。朝起きたらまず、カーテンを開けましょう。

ある睡眠衛生ガイドでは、就寝の少なくとも30分前からは液晶画面を見ないことを勧めています。筆者の場合、いろいろ試した結果、眠りたい時間の2時間前にはスマホを引き出しにしまわなければならないとわかりました。そうしないと、眼が冴えて眠れないからです。

ともあれ、クロノタイプを変えるうえで何よりも重要な要素は、規則性と継続です。

週末で「リセット」されるのは避けたいです。実験してみましょう。2週間続けて、週末も平日の起床時間から1時間以内に起きるのです。

週末に遅くまで寝てしまうと、せっかく平日に進んだ体内時計が元に戻ってしまいます。

1週間かけて睡眠スケジュールを前倒しをすれば、それを維持できるかどうかがわかるはず。

モニタリングは、有効なアプローチです。Lewin氏は、あなた自身の習慣と睡眠、(子どものスケジュールを変えたいのであれば、子どもの習慣と睡眠)、さらには、食べ物、活動、カフェイン、昼寝、スクリーンタイムなどの変化を記録することを勧めています。

当然ですが、どんなに身体が欲しても、午後のカフェインや昼寝は減らしましょう。就寝時間を早めたければ、早めに眠くなる必要があります。つまり、日中の昼寝やコーヒーは禁物なのです。

筆者の個人的な経験からも、睡眠スケジュールの前倒しは可能だと証言できます。ただし、粘り強さが必要です。私はなんとか、24時就寝・8時起床の習慣を、22時就寝・6時起床に変えました。でも、6時起きを悲劇と思わなくなるまでに数カ月、気持ちよく目覚められるまでには実に2、3年の歳月を要しました。

比較的、高齢での出産であったこともよかったのかもしれません。Lewin氏によると、若い親ほど夜型の傾向が強いため、クロノタイプのミスマッチに苦労するのだそうです。

自力で何とかさせる

乳幼児期を過ぎたら、自力で解決させるという方法もあります。その1つが、起きてもいい時間を視覚で示してくれる目覚まし時計。あらかじめ設定した時間になると、信号の色ロボットの顔で知らせてくれるので便利です。

ボウルに入れたシリアルと一杯の牛乳を冷蔵庫の最下段に入れ、子どもの手の届く場所にテレビのリモコンを置いておくことで、朝の1時間の睡眠を捻出している親もいます(もちろん、子どもの年齢と成熟度によります。あなたが寝ている間にナイフで遊んだりトイレに落ちたりするうちはやめておきましょう)。

いろいろ書きましたが、ミスマッチ解消とはけっきょく、忍耐力の勝負です。子どもが合わせるのか、親が合わせるのか、はたまた子どもが1人で何とかするようになるまで待つのか。そんなことを言っているうちに子どもが10代になり、逆にいつ起きるのかを心配する日がやって来るのでしょう。

Image: Angelica Alzona

Source: Children's National Health SystemApartment TherapySleep Education

Leigh Anderson - Lifehacker Offspring[原文