長々と退屈なミーティングに参加していると、早く時間が過ぎないかなと思いながら、壁の時計を何度も見上げてしまいます。でも、秒針は全然動かないように見えます。これは、時計が止まっているのではなくて、脳に騙されているのです。

この現象は「時計が止まって見える錯覚」として知られています。アバディーン大学の神経科学者のAmelia Huntさんは、Popular Scienceで「秒針が一瞬止まって見えるのは、目が実際に見るより先に脳が目に見えるものを想定するから」だと説明しています。

そうです。脳は目が実際に見るより先に何が見えるか予想しようとするのです。人が目を動かすと、見えるものすべてがその位置を目の中で変化させるので、脳の中では画像が変わっていきます。脳は、目の動きに応じてそうした画像の調整を行ない、方向感覚を失わないように、頭の中であらゆるものの位置を示すマップをアップデートしています。

目を時計から離してすぐにまた戻すと、脳はその時点で0.5秒ぐらい経過したはずだと先回りして考えるので、さっき目にした秒針の位置から0.5秒分だけ秒針が移動しているはずだと思い込みます。それで、視線を時計に戻したときに、秒針が同じところを余分に長く指しているかのように見えてしまうのです。ですから、時計が止まって見えても驚かないでください。そんなふうに見えるのが普通なのです。ただ、時計の針が反対に回っているように見えたら、ちょっと心配したほうが良いかもしれません。

Image: Phalinn Ooi/Flickr

Source: Popular Science

Patrick Allan - Lifehacker US[原文