マーク・ザッカーバーグは背が高いと思っていませんか? 2010年のNew Yorkerのプロフィールによると、同氏は「5フィート8インチ(172.7cm)しかないが、もっと高く見える。胸を張り、糸で釣り上げられているかのように、背筋を伸ばしているからだ」ということです。WiredのライターであるGraham Starr氏は、ザッカーバーグ氏が背が高く見えるのは、もう1つ別の理由があると考えています。同氏は、背を高く見せるために写真をうまく利用しているというのです。

Mark Zuckerberg is 5'7" and stages all of his photos to make it look like he's average height

(マーク・ザッカーバーグは5フィート7インチしかないはずなのに、どの写真を見ても平均身長ぐらいあるように見える)

ザッカーバーグ氏は、縦縞のシャツも着なければ、厚底靴も履きません。しかし、「大統領選には立候補しない」全米ツアーの広報写真では、同氏はカメラの近くに立ったり、自分の周囲にいる人たちよりも高い位置に自分が来るようにしています。上のトラックの写真での、ザッカーバーグ氏の靴と、後ろにいる男性の靴の大きさを比べてください。ザッカーバーグ氏が巨大な足の持ち主でないとすれば、同氏は見かけよりもずっとカメラ寄りに立っていることがわかります。

脱帽です。ひとりで写真に写るのに比べると、誰かと一緒に写りながら背を高く見せるのはずっと大変です。誰も気にしていないかもしれませんが、ザッカーバーグ氏自身は保ちたいイメージがあるようです。フォーチュン500社のCEOの58%が、身長が6フィート以上あり、ザッカーバーグ氏より背が低い大統領を挙げるには、ウィリアム・マッキンリレー(任期:1897年3月〜1901年9月)までさかのぼらなければなりません。それでも、ソファに座ったザッカーバーグ氏は、5フィート10インチあるビル・ゲイツよりも背が高く見えるのです。

インターネット上の情報源の多くは、ザッカーバーグ氏の身長を「5フィート7インチ」としています。IMDbでは5フィートと7.5インチです。いずれにせよ、5フィート6インチの私は親近感を感じています。そこで、同僚のPatrick Austinと一緒に、ザッカーバーグ氏のトリックを使って背を高く見せられるかを確かめてみました。

まず入門編として、私より背の低い相手と写真を撮ってみました。ご覧の通り、ほんの少しカメラに近づくだけで、身長差を軽く2倍に見せかけることができました。

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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.

とはいえ、これはイージーモードです。ただ自分より低い相手の身長をさらに低く見せたに過ぎません。自分と同じ身長、あるいは自分より背が高い相手にも、同じことができるでしょうか?

次は、こちらの男性です。普通に立った状態では私は肩に手を回すことすらできません。そこで、並ぶのをあきらめ、カメラのほうに近づいてみました。

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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.

帽子を頭の上に掲げるという、情けないトリックを使っていますが、最後の写真はなんとか同じぐらいの背に見せることに成功しているのではないでしょうか。200ドルもするシークレットブーツを履かなくても、帽子をうまく使えば、いくらか背を高く見せることができます。それでは、さらに難易度を上げてみましょう。こんどはグループ写真です。

この2人の男性は私より背が高いだけでなく、ガタイもいいので、私の体がいかにもみすぼらしく見えます。まず、やけくそな方法をとってみました。つま先立ちです。

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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.

そして、「カメラの近くに立つ」作戦にも限界があることに気づきました。超ローアングルから撮らないと、男性たちの目線が下を向いて、身長差がバレてしまうのです。また、このときは、ザッカーバーグ氏が牛飼いの友人たちと写真を撮るときに使った、カメラを騙すテクニックを使うのを忘れていました。

最後に、背の高さがまちまちな人たちと一緒に、グループ写真を撮ってみました。協力してくれた3人はとても親切で、私がつま先立ちするのも許してくれたし、私が有利になるように少し体を傾けてくれました。こうして私は、「カメラに近づく」作戦も、3人が私に近寄ってでもこないかぎり、うまくいくことが改めてわかりました。そして、繰り返しになりますが、帽子は非常に重要なアイテムです。

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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.
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Photo: Patrick Lucas Austin.

こうして私たちは、誰かと一緒に写真を写るときに自分の背を高く見せるための3つの基本ルールを見出したのです。

  • みんなよりカメラの近くに立ちながら、少しカメラのほうに体を向けて、みんなと同じぐらいカメラから離れているように見せかける。
  • 姿勢をよくする。胸を張り、顎をあげ、足をまっすぐ伸ばす。この姿勢を維持しながら、ザッカーバーグ氏のようにリラックスして見えるようにする。わざとらしい直立不動にならないように気をつける。
  • 帽子をかぶり、高さを出す。
  • グループ内で一番背の低い人を探し、となりに立つ。

背を高く見せたからといって、背が低いことで長期的に被る心理的ダメージをなくすことはできませんが、少なくとも、ググられるまで、一般大衆をだますことはできるでしょう。


Photo: Patrick Lucas Austin.