銃で撃たれるのが怖いと思っているとしたら、その恐怖は的外れではありません。アメリカでは毎日約100人以上の人が銃で殺されています。

さらに悪いことに、銃や弾丸というのは、映画で描かれるような「超精密な代物」ではありません。精度が悪いため、思いもよらないダメージが加わるのです。

今回は、万が一にも自分や誰かが銃で撃たれてしまった場合に、生命を救うためにできる行動をお教えします

警告:読むのが辛くなるかもしれません。ご注意ください。

弾丸が肉体に与えるダメージ

弾丸が人体に穴を開けるというのはご存知でしょう。しかし、弾丸が肉体に穴を開ける以上に、体内にはさらに多くのダメージがあります。

まず、弾丸が飛んできて体内に入る時は、身体はかなりの威力を受けます。護身用や警察が拳銃によく使われる9mmの弾丸の場合、およそ時速1,450km(900マイル)で飛んできます。弾丸の威力はすべてどこかに吸収されなければならないので、身体が引き受けることになります。

その結果、弾丸が開ける穴はかなり大きくなり、後ろに飛ばされます。その威力や振動によって、実際にその部分に弾が命中していなくても、臓器や組織は深刻なダメージを受けるのです。

弾丸が肉体を引き裂いた後は運が左右します。何度撃たれても生き延びる可能性はありますが、それは弾丸がどこを通ったかによるところが大きいです。アフガニスタンに従軍した陸軍グリーンベレーの元軍医Connor Narcisoは、映画やテレビに騙されないようにと言います。腕や脚を一発撃たれただけでも、運が悪ければ、死ぬ可能性は十二分にあります

止血が重要

Narcisoは、戦場で回避可能な一番の死因は失血死だと断言します。銃弾が腕の上腕動脈や、脚の付け根の鼠径動脈や、鎖骨下動脈に当たったら、大量出血します。筋肉は出血を止めようとする自己防衛機能が備わっていますが、銃弾が貫通して内部失血を起こしていたら、普通はそれでは血は止まりません。

筋肉が危険に対する警告を発する間もなく、銃弾は動脈や静脈を断裂します。Narciso曰く、銃で撃たれても命に別状がない軽傷で済むのは、基本的に映画の中のありえない幻想で、兵士や警官はそのような状態で武装解除するような訓練は決して受けません。

当然ながらほかにも、臓器が撃たれて臓器不全を引き起こす危険もあります。銃弾が生命にかかわる重要な臓器に当たったら、筋肉と同じように臓器も引き裂かれます。さらに、銃弾は体内で跳ね返って向きを変えることもあるので、1つの弾丸が複数の臓器に当たる可能性もあります。銃弾が体内に入ってしまったら、どこに行くかはわかりません。

つまり、弾丸が致命傷になる場所をすべて避けるようなことが起きれば、銃で撃たれても生き残る可能性はあります。

アメリカのラッパー50セントが銃撃事件され、9発の弾丸を浴びつつも生還したケースからもわかるように、一度に何発も銃弾を受けたとしても生き延びる可能性はあります。大事なのは何発撃たれるかではなく、どこを撃たれるかです。

かなりの威力を受ける

防弾チョッキのような、銃弾を防ぐものを身に着けていたらどうなるでしょう? 銃弾が身体を貫通するのを防いだり、体内のダメージをかなり軽減することは間違いなくできますが、それでも銃弾のかなりの威力を受け止めなければなりません。

弾丸がサッカーボールだとしたら、防弾チョッキ(とその下にある肉体)はゴールネットのようなものです。弾丸自体を止めるのではなく受け止めているので、かなりのダメージを受けます。

また、防弾チョッキは拳銃のような口径の小さな銃に対してのみ有効です。ライフルの弾は貫通します。そのような銃に対しては、軍隊で使われるようなセラミックのボディアーマーが必要です。

自分や周りの人が撃たれたらどうすればいいのか?

上記のように、銃に撃たれて生き延びるのはかなり運に左右されます。それでも、生存率を上げるためにできることはいくつかあります。銃に撃たれたらどんな感じがすると思いますか?「強烈な焼けるような衝撃」から「野球でビーンボールを投げられた感じ」まで、人によって表現はさまざまです。

昔、パーティーで肩に流れ弾が当たった少女と話したことがあります。彼女は、かなり強く突き飛ばされたような感じがして、衝撃の1〜2分後に、鋭い痛みに襲われたと言っていました。銃で撃たれた人の多くが、自分の身体の中から生温かい血が吹き出して流れているのを感じるのが最悪だったと言っています。それは気持ち良いものではないでしょう。

助けを呼び、止血する

自分や誰かが撃たれたことに気付いたら、まずは119番に電話をしてください。できるだけ早く、その場で医療の専門家に診てもらう必要があります。Narcisoは、その後で血を止める努力をしなければならないと言います。

銃弾を受けた時の一番の死因は失血死だと先述しました。腫れや皮膚の変色、そのほか出血の兆候を見て、それから傷口を手で押して、もしくは傷口のある場所の付け根をきつく縛るなどして、止血を試みます。

銃弾によって胸部に傷穴が開いていたら、空気が入らないようにするのが重要です。さもなければ、緊張性気胸や肺の虚脱などになり、呼吸能力が半減するかもしれません。

一番良いのは何かで穴を塞ぐことです。ワセリンや救急箱に入っているガーゼ、もしくはテープやビニール袋のような即席のものでも構いません。

何を使うにしても、完全に密閉するようにしなければならないので、普通のガーゼのような吸収性のある素材は適していません。ここまでやったら、あとは救急車が駆けつけるまで祈りながら待つだけです。

銃で撃たれて実際に死ぬ確率はどれくらいか?

ここまで読んだら銃で撃たれるのは怖いと思いますが、いくつかの統計データを見てみましょう。

米安全性評議会によると、今年の銃器の発砲によって死ぬ全体の確率は、約514,000分の1だそうです。かなり低いです。しかし、一生のうちに銃に撃たれて死ぬ確率は約6,905分の1です。

ただ、覚えておいて欲しいのは、このデータは殺人や銃乱射事件に加え、自殺や銃の誤発砲、猟での事故なども含まれているということです。また、この数字は銃で撃たれて死亡する確率であり、撃たれる確率ではありません。その数字はかなり恐ろしいかもしれません。

それでも、銃で撃たれた人の生存率は驚くほど高いです。テキサス州ベア郡の元検死局長であり、「Gunshot Wounds: Practical Aspects of Firearms, Ballistics, and Forensic Techniques」の著者でもあるVincent J.M. DiMaio博士によると、心臓や脳に直接銃弾を受けなければ(受けた場合の生存率は9%)、生存率は約80〜95%だと言います(心臓が動いているうちに病院に運ばれれば95%)。

DiMaio博士曰く、銃弾がどこを通るかによって命運は決まりますが、身体の約80%は撃たれても致命的な場所ではないことがわかっているので、生き残る可能性はかなりあるということです。

──2017年5月12日の記事を再編集のうえ、更新しています。

Source: wikipedia, The Economist Newspaper, Texas Forensic Science Commission