あなたは応募したい求人を見つけました。しかし、1つ問題があります。応募資格を満たしていないのです。とはいえあなたは、「資格を満たさない」のと「資格がない」のは違うことを理解しており、自分は後者じゃなく前者なのだという自負もあります。もしそうだとしたら、あきらめる必要はありません。

この記事はThe Museに投稿されたものです。

業界が違うのであれ、キャリアパスが紆余曲折してきたのであれ、あなたが抱える問題は、履歴書に、応募条件となるスキルがいくつか欠けていることだけです。ここであきらめてはいけません! あなたがすべきことは、自分のこれまでの職務経験を、応募したい職種とうまく結びつけることです。

ありがたいことに、それを可能とする2種類のスキルがあります。

まず、「移転可能なスキル」に注目する

自分の職務経験と応募したいポジションの間にどれだけ距離があるように見えても、まず最初にすべきことは、「移転可能スキル」を見つけることです。移転可能スキルを簡単に言えば、「ある業界で身につけた、別の業界でも役に立つスキル」のことです。

たとえば、あなたにカスタマーサービスの経験があれば、問題を抱えている人の話に耳を傾けたり、怒り狂っている顧客を建設的な話し合いへと導く方法を理解していることでしょう。そのスキルは、アクティブリスニングや問題解決スキルが求められる仕事ならどこでも有効に活用することができます。また、あなたが本格的な戦略策定プロセスに関わったことがなくても、部門の成長や目標達成に貢献したことがあれば、その経験を活かすことができます。

応募書類を書くときには、こうした経験と応募する職種の間を線でつなぐために、次のような公式にあてはめます。「この仕事ではXが求められます。私のYでの経験が、そのために必要なスキルを育ててくれました」

このように、まずは移転可能スキルを見つけることが第一ステップとなります。しかし、移転可能スキルは、あなたをほかの候補者よりも際立たせてくれるものではありません。ここで立ち止まらず、次のステップに進んでください。

ここからは「付加的スキル」の出番

企業はときどき、その職種に絶対に必要ではないが、あれば望ましいという「夢の資格」を応募条件にリストすることがあります。同じようにあなたにも、応募資格には書いてないが、それがあるとより質の高い仕事ができるというスキルを持っているはずです。ここではそうしたスキルを「付加的スキル」と呼びます。

先ほどの公式に当てはめるとこうなります。「私はYでの経験があります。ジョブ・ディスクリプション(職務内容を記載した文書)には書かれていませんが、この経験は、この職務をつとめるうえでも役に立つと思います。なぜなら...」

私が以前書いた記事から引用すると、「付加的スキルとは、要求されているスキルとは別に、企業に利益をもたらすことができる、あなただけが持つユニークなスキルのことです。あなたが応募資格を若干満たしていないのには理由があります。キャリアの最初の2年間を、別の業界で働いていたからかもしれません。もしそうなら、その業界でのユニークな経験を得たということになります。あるいは、あなたがほかの候補者よりもキャリアが浅い、すなわち年齢が若いのだとしたら、ほかの人とは違うユニークなカバーレターが書けたり、ユニークな人脈を持っていることでしょう」

プログラム管理の経験が5年ではなく3年しかない? それはあなたがデータサイエンティストとして2年間働いていたからです。あなたの分析スキルは、きっとプロジェクトの合理化に役立ちます。あるいは、あなたは海外で1年間過ごしていたのかもしれません。応募資格に第二外国語が求められていないのだとしても、外国語のスキルは、新たな顧客層を開拓するのに役立つはずです。

移転可能スキル、付加的スキルをアピールする

応募者にとって最も重要なことの1つは、面接官の記憶に残ることです。もちろん、正しい理由で記憶に残らなければなりません。移行可能なスキルや付加的スキルが活躍するのはまさにこの点においてです。応募資格をすべて満たしている候補者たちは、自分の職務経験と応募する職種の間に、直接的な線を結ぶことができます。しかし、逆に言えば、同じような資格を持つ人の群れにまぎれてしまうということでもあります。

あなたが持つユニークなスキルが、あなたをほかの候補者たちから際立たせてくれます。まずは、カバーレターに、移転可能スキルと付加的スキルを使って短いアピール文を書いておきましょう。たとえば、あなたが文章を書くことが好きなプロジェクトマネージャであり、企業の採用担当者の仕事に応募するところだとします。

移転可能スキル:私の現在の職務の1つは、チームメンバーに期限を守らせることです。その経験を活かして、候補者に応募書類を期限通りに提出させることができます。

付加的スキル:私は毎月、社内報を作成しています。適切な言葉を選ぶことへのこだわりが、メールで候補者にアプローチするときに役立ちます。

もちろん面接でも、こうしたユニークなスキルに言及して、あなたが魅力的な候補者であることをアピールすることができます。

たとえば、採用に携わった経験がないのに、どうやってその役割を果たすのか、と尋ねられたときはどう答えればいいでしょうか?

私は、[その職務に求められている]経験に加えて、[移行可能スキル、付加的スキル]を持っていますので、[ほかの候補者ができないであろう何か]をすることができます。

あるいは次のように言ってもよいでしょう。

説得力のある文章を書くには、受け手のことをよく理解していなければなりません。私はこのスキルを使って、応募を迷っている有能な候補者と良い関係を築くことができます。

応募資格を満たしていないと、弱気になったり、自分のこれまでの経験を過小評価しがちになります。そんなときは、応募資格に書いてあるスキルだけでなく、自分の持っているスキル全体を見るようにすれば、自信が湧いてくるはずです。たとえ応募職種に直接関連するスキルがいくつか欠けていたとしても、そのほかで貴重な経験を積んできたあなたが素晴らしい候補者であることを、採用マネージャに教えてあげてください。

The 2 Kinds of Skills You Should Highlight When You're Underqualified for a Job | The Muse

Sara McCord(原文/訳:伊藤貴之)

Image by Planet Flem via Getty.