ビジュアル思考派のタスク管理ツール『Trello』は世界で1700万人がさまざまな用途に利用している、使い勝手が自由なコラボレーションツールです。マーケッター、プロジェクトマネージャ、ソフトウェア開発者、高校教師、人事マネージャー、ウェディングプランナー、専業主婦、トラベルプランナーなど、多種多様な人たちが、このビジュアルツールを、それぞれのニーズに合わせてカスタマイズして使っています。では、100人規模のチームであるTrello社の社員たちは、この自社プロダクトをどのように活用しているのでしょうか? Trelloチームでも、Trelloのアクティブユーザーたちに負けないくらい、多様な使い方をしているようです。

Trelloのシンプルなデザイン(ボードと呼ばれる空白のスペースに、カードと呼ばれる仮想のポストイットを配置する)のおかげで、ユーザーは何でも好きなものの整理、記録、計画に活用することができます。Trelloチームでは、150以上のTrelloボードを使って、プロダクト開発、および世界中にいるTrelloユーザーのサポートを行っています。なお、この150という数には社員が個人的に使っているTrelloボードは含まれていません。

Trelloチームは、この自社プロダクトがなければまともに事業を運営できないと言っても過言ではないのです。

「Trelloを使って事業全体を運営することで、その機能を活用できるだけでなく、チームメンバー全員が自社プロダクトを包括的に理解できるようになる」と、コンテンツマーケティング・マネージャのLauren Moon氏は話します。「ユーザーが感じる不満は私たちが感じる不満でもあり、ユーザーの感じる喜びは私たちが感じる喜びでもあるのです」

私たちは今回、Trelloのチームメンバー4名にインタビューを行い、日常業務でTrelloをどのように活用しているかを尋ねました。それでは、一緒にTrelloのオフィスを覗き見して、Trelloの活用方法を探ってみましょう。

TrelloチームがTrelloを使ってプロジェクトやタスクを管理する方法

採用チームのディレクターであるAnna Lewis氏とメンバーは、社内の人材ニーズを把握するために、社内各部門のマネージャと頻繁にやりとりを行っています。Anna氏はこのプロセスを合理化するために、「リクルーティング・ハブ・ボード」を使います。

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このボードには、募集予定リスト(これから募集される求人をカードとして追加する)や、募集中・掲載中リスト(募集が開始され、Trelloの採用ページに求人情報が掲載されたら、カードをここに移動する)など、採用の各段階に応じたリストが並んでいます。それぞれのカードにはチェックリストがついていて、次のリストに移動させる前に完了しておくべきタスクが書いてあります。

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「カードにチェックリストをつけているおかげで、早め早めに段取りができます」とLewis氏。「つまり、もうすぐ面接が始まるというのに、候補者にどんなテストを受けてもらうかがまだ決まっていない、なんてことにはなりません」

採用チームでは、透明性を最大限に高めるため、その求人に関する詳しい情報をTrelloカードの説明欄に書き込んでいます。また、ボードの左端に配置したテンプレートカードを使うことで、すべてのカードの説明欄を同じmarkdown形式で統一することができます。

「その求人に関わっていなかったメンバーが、リクルーティング・ハブ・ボードを初めて覗いても、Trelloカードの説明欄を見れば、その求人の基本的な採用プロセスがどうなっているのかをすぐに把握できます」とLewis氏。

採用チームがこのボードを作成したのはわずか3カ月前です。社内の求人ニーズが増えるのに合わせて、機能的で透明性の高い採用プロセスを開発したとのことです。

これがTrelloを使う最大のメリットだ、とMoon氏は言います。Trelloボードは使い方に合わせて柔軟にカスタマイズが可能です。チームが成長、変化しつづけているときにはこの特徴がとても役に立ちます。「チームの成長に合わせてボードが進化していくのを見るのはとても楽しい」とMoon氏。たとえば、Moon氏のチームは、Trelloのコンテンツ戦略が進化するのに合わせて、「編集カレンダー」ボードのラベルの付け方を変えていきました。

「ユーザーの属性に合わせてカードにラベルを付ける(教師のためのTrello、など)のをやめ、Trelloのコンテンツパラメータに合わせてラベルをつけることにしました」とMoon氏。「また、そのコンテンツがセールスファネルの上段、中段、下段のどこに位置するかで、カードにラベルを付けることも始めました。これは大きな変化であり、こうすることで、自然とコンテンツを違った眼で見ることになります」

またほかにも、編集カレンダーボードに最近大きな変更が加えられました。独立したボードを1つ作ったのです。

「以前は、思いついたアイデアや、ネットで見つけた記事へのリンクを溜めておくリストがありました」とMoon氏。「ところが、いつしかそのリストは、迷惑メールのたまり場みたいな存在になってしまいました。アイデアやリンクを溜めても、何らアクションに結びつかなかったからです。そのリストを見るだけでもうんざりした気分になりました。そこで、ボードを2つに分けることにしました。編集カレンダーボードには、締め切りのある原稿だけを入れるようにして、締め切りがないものはすべて『リソース』ボードに移動させました」

独立したリソースボードを作ったことで、「実行可能なタスクと、実行可能ではない参考資料的なアイテムは、別々のTrelloボードに分けておく」という、Moon氏提唱のTrelloスローガンが生まれました。

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実行可能ボード(ToDo、実行中、完了、のリストが並ぶ)と、情報保管庫としてのボードを明確に分けたのがよかったと思います」とMoon氏。「実行可能ボードには実行可能なアイテムだけが入っていて、リソースボードには参考資料的なアイテムだけが入っていいます」

Trelloプロからのアドバイス:Trelloボードの背景を変えれば、気分が変わるだけでなく、生産性を高めることができます。Moon氏は自身を「ボード背景の目利き」と称しています。Moon氏のTrelloボードはすべて違う背景が使われています。おかげで、1つのブラウザでTrelloのタブを複数開いていても、どのボードがどれなのかすぐに見分けがつきます。

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この実行可能ボードは、チームでプロジェクトに取り組む際に特に役に立ちます。最高マーケティング責任者のJD Peterson氏は、プロダクトのローンチなど、短期的なプロジェクトでは、専用のTrelloボードを活用すると話します。「何人ものスタッフが関わる重要なローンチには、専用のプロジェクトボードを作ります。プロジェクトが進行している間は毎日のようにボードをチェックしますが、プロダクトが立ち上がり、ボードがアーカイブに移動されると、視界から消え去ってしまいます」

Peterson氏が在籍するローンチ・チームでは、新しいTrello Power-Up(Trelloの拡張機能)をローンチするたびに、専用のTrelloボードを作成しています。すべてのPower-Upが同じ方法でローンチされる、とPeterson氏は話します。各ボードの左端のリストは「重要情報」リストになっていて、スケジュール、目標、概要説明など、プロジェクトに関する詳しい情報が書き込まれます。こうしておくことで、メンバー全員が重要な情報を真っ先に目にすることになります。

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「ToDo、実行中、ローンチ準備完了、ローンチ済み、といったリストがあり、左のリストから右のリストへとローンチに向けた作業が進んでいきます」とPeterson氏。「チームのみんなも、このPower-Upローンチ・ボードの構成を気に入っていて、新しいローンチプロジェクトが始まるときにも、同じ構成をコピーして使っています」

Trelloチームが職場外でTrelloを活用する方法:Trelloチームは、オフィスだけでなく、自宅でもTrelloを活用しています。Lewis夫妻はTrelloボードを使って家の用事を管理しています。Peterson氏は年中、Trelloボードを使って、愛妻へのプレゼントの計画を練っているので、誕生日やクリスマスが近づいても焦ることはありません。「妻が何かを好きだと言うのを聞いたら、ボードにカードを追加します」とPeterson氏。「このボードを妻の友人たちとも共有するべきかもしれませんね!」

TrelloチームがTrelloを使ってコミュニケーションをスムーズにする方法

組織全体でTrelloボードを使用することで、透明性が高まり、チーム間のコミュニケーションがスムーズになると、サポートスペシャリストのMichelle Earhart氏は話します。顧客から毎日たくさんのフィードバックを受けとり、それを社内のしかるべき人に伝えるのが役割であるサポートチームにとって、コミュニケーションの円滑さは特に重要です。

顧客から不具合に関する情報が寄せられると、サポートスペシャリストは、チャットや問題追跡システムなどを使うかわりに、伝えるべきチームのTrelloボードに直接、情報を書き込みます。

「ウェブ、iOS、Androidチームといったエンジニアリングチームは、それぞれ独自のボードを持っています」とEarhart氏。 「ボードの構造はチームごとに違いますが、ボードに「着信」リストがあることは共通しています。サポートチームからこの着信リストにカードを追加することで、不具合に関する情報を知らせることができます。どのチームも、この着信リストを週に一度はチェックすることになっています」

このように、サポートチームから、伝えるべきチームのボードにTrelloカードを直接追加しておけば(Slackのようにメッセージの見落しを心配することなく)、各チームできちんと対応がなされることを確信できます。

サポートチームは、同じ要領で、プロダクトマネージャたちが見る「要望機能」ボードの「受信箱」リストに、顧客から寄せられた要望を新しいカードとして追加します。

「ユーザーからフィードバックや要望が寄せられると、サポートチームはそれを要望機能ボードにカードとして追加し、2週間の締め切りを設定します」とEarhart氏。「プロダクトマネージャはそのカードを購読することができます」

顧客から寄せられた特定のフィードバックについて、すぐに担当者と打ち合わせしたいと思ったら、ボードにTrelloカードを追加して、そのカードへのリンクをSlackに投稿します。すると、Slack内にカードの概要が展開表示され、スムーズに話し合いを始めることができます。「重要な情報はすべてSlackに表示されるので、わざわざTrello画面を開いて見てもらう必要はありません」

Moon氏が率いるコンテンツチームも、「編集カレンダー」ボードの「着信」リストを使って、全社からコンテンツに関するアイデアを募っています。着信リストに入ってきたアイデア1つ1つについてチームで話し合い、どのアイデアをどのボードやリストに移動させるかを決めています。

「誰かが着信リストにカードを追加すると、マーケティングチームで話し合いがもたれます」とMoon氏。「Trelloブログにはフィットしないと判断したコンテンツも、別の場所で公開できないかを検討します」

TrelloチームがTrelloを使って会議を運営する方法

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「会議」という言葉が「時間のムダ」と同義に捉えられている企業もあります。しかし、Trelloチームでは、Trelloカードを活用して、会議の効率化を図り、この固定概念をくつがえそうとしています。毎日多くの時間を会議に費やしているPeterson氏にとって、時間効率はとても重要なテーマです。

「毎日、会議がぎっしり詰まっています。チーム会議、個人面談、プロジェクト会議、役員会議など、さまざまな会議があります」とPeterson氏。「とはいえ、たいていの会議は短時間で終わります。Trelloチームの会議が、私がかつて勤務していたどの企業の会議よりも効率的なのは、この自社プロダクトのおかげと言っても過言ではないでしょう」

Peterson氏は直属の部下たちと、少なくとも週に5回は個人面談を行っています。そのすべてにTrelloボードを使います。そうすることで、議題を確認しながら会議を進めることができるうえ、話し合いたい議題をどちら側からもいつでも簡単に追加することができます。

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「今週は何をするかを考えながら、個人面談ボードにカードを追加していきます」とPeterson氏。「そのほかに、キャリアや四半期の目標などを書き込んでおくカードもあります。こうしたカードのおかげで、ゴールが明確になり、面談がより有意義なものとなります。そして、なにより重要なのは、毎週何を話し合ったのかの記録が残っていくことです」

ほかのチームも定例会議にTrelloを活用しています。たとえば、サポートチームはTrelloボードの左端に置いてあるリストを使って会議をします。

「それぞれのカードのプロジェクト担当者を決め、カードのメンバーに登録します」とEarhart氏。「毎週、リストのカード1つ1つについて、『進展はあったか? もしないなら、その原因は?』と確認し合います。プロジェクト担当者がそのカードにもっとスペースを与えるべきだと判断すれば、新しくボードをつくります。そのときは、オリジナルのボードからリンクを張っておきます」

また、コンテンツチームでは、Trelloのラベルを活用して、会議の効率化を図っています。

「私たちのチームでは、『ディスカッション』というラベルを、次の会議の議題を指定するマークとして使っています」とMoon氏。「話し合いたいことがあったら、Trelloカードにラベルをつけておきます。ラベルのついたカードは次の会議で話し合われ、担当者が決められます。会議では、こうしたラベルのついたカードだけを議論します。ついていないカードは議論しません」

採用チームでは定例会議のほかに、社内の各チームと、今後の採用ニーズに関する会議を行っています。リクルーティング・ハブ・ボードにあるすべてのカードについて、それぞれ独立した会議が開かれます。採用チームのほうで、会議のアジェンダをGoogleドキュメントで作成し、Trelloカードにリンクしておきます。

「初期の段階では、それぞれの求人についてキックオフミーティングを開きます」とLewis氏。「このおかげで、全員が共通認識を持てるので、後から求人内容に変更が必要となることはほとんどありません。Googleドキュメントのアジェンダに、全員がコメントを書き込みます。Trelloカードの説明欄の冒頭に、そのドキュメントをリンクしておきます」

Trelloチームが(通知を使いすぎずに)最新情報を共有するやり方

TrelloチームがTrelloをこれほど活用しているのだとしたら、メンバーは、Trelloの通知メールを一日中、ひっきりなしに受け取っているにちがいないと思うかもしれません。たとえば、チームの誰かがカードにコメントを追加するたびに、チーム全員に通知メールとアプリ内通知を送信することも可能なのですから。以下に、Trelloチームがどのように通知機能を利用し、仕事を邪魔されることなく、最新情報を共有しているかを紹介します。

Moon氏は、特定のボードの通知のみを購読できる機能を活用しています。

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「いつもTrelloを開いていますので、メール通知機能はあまり必要ではありません」とMoon氏。「私が購読しているTrelloボードは2つだけで、@を使って個人的に送られるメッセージをのぞけば、この2つ以外のボードからメール通知を受け取ることはありません」

また、Moon氏はTrelloのメール通知を受け取る場合にも、なるべくわずらわされないように工夫しています。

「通知メールを指定のフォルダに自動で振り分け、スマートフォンには通知がいかないようにしています」とMoon氏。「私はスマートフォンの通知は基本的に使いません。また、メールも、パソコンの前にいて、なおかつ、準備ができているときにしかチェックしません。家でくつろいでいたり、夕食の支度をしているときにはメールは一切見ません」

Earhart氏は、Trello通知のオンオフを切り替える以外にも、『Trello app for Slack』を使ってSlackでTrello通知をうまく処理しています。

「私は文字通りいつもSlackの中にいます。決してオフになることはありません」とEarhart氏。「このTrelloアプリは、Slack内にカードを自動で展開してくれるので本当に便利です。展開された内容を見て、関心があるカードがあれば購読の設定をします。『あ、これについてはもっと知りたいな』というものがあれば」

一方、Peterson氏はメール通知は使わず、Trelloのアプリ内通知だけを使って最新情報を取得しています。

「メール通知を使わないのは、関わっているTrelloボードが多すぎて大変だからです」とPeterson氏。「メールのかわりにアプリ内通知を使います。数時間おきに赤いベルのアイコンをクリックして、すぐに対応が必要な通知がないかをチェックしています」

TrelloチームがTrelloを使ってスケジュール管理を効率化する方法

Trelloチームのメンバーは、通知機能を使いこなすだけでなく、日々のスケジュール管理にうまくTrelloを活用しています。たとえば、Lewis氏は、時間割つきのカレンダーや、長いToDoリストを使わうかわりに、Trelloを使って自分に合ったスケジュール方法を編み出しています。Trelloで「ToDoボード」を作り、毎日行うタスクを管理します。

Lewis氏が朝一番でする作業は決まっています。募集中のすべての求人について、採用担当者からメールで送られてくる進捗状況をチェックすることです。確認できたら、その求人カードを「完了」リストに移します。このように、メールをチェックしてTrelloボードを更新する、という作業を繰り返していきます。

「メールは常にチェックしておかなければなりません。採用活動では、時間的にタイトな用件も発生します。いつも臨戦態勢で望む必要があるのです」とLewis氏。「1つのTrelloカードを処理している最中は、ほかのカードに手を付けたり、メールをチェックしたりすることはありません。1つ1つのTrelloカードを確実に処理することにこだわっています。そうすることで、重要なタスクが中途半端にならないようにしています。毎日、膨大な数の用件を処理する状況ですので、そうやって秩序を保っているのです」

Lewis氏は、ふだん使うTrelloボードに日常業務(Daily)、一時的な作業(Pop-Ups)、完了(Done)の3つのTrelloリストをつくって、作業の簡略化を図っています。

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「日によってやることも、かかる時間も変わります」とLewis氏。「私のTrelloボードは非常に流動的なものとなっています。決まったスケジュールもToDoリストもなく、その日のリズムがあるだけです。私はリズムを大切にしています。そうでなければ、めちゃくちゃな1日になってしまうでしょう」

Peterson氏は、電話やSlackをする時間を限定することで、生産性が高まることを発見した、と話します。

「Slackをしない時間が私には重要です」とPeterson氏。「あるとき、自分が一日中、Slackを見ていることに気づきました。そこで、Slackを集中的に見る時間を2時間つくり、あとは見ないことにしました。そうしなければ、気が散ってしかたがありません。もう1つの戦術は、決められた時間以外は電話に出ないことです」

Earhart氏は、生産性を高めるために、1日を、午前、午後、夕方の3つのカテゴリーに分ける「チャンク化」テクニックを使っています。それぞれのチャンクに、その時間帯に取り組むタスクを割り当てます。

「私はスケジュールを細かく立てすぎてしまうきらいがあるので、『午前中は何をするの?』と自分に問いかけることにしています」とEarhart氏は話します。「午前中は『メールをチェックして、この2つの記事に取り組む』『OK、じゃあ午後は何をする?』『そうね、メールに返信して、Twitterをチェックして、このプロジェクトに取り組む』、という感じで、自問自答しながら決めていきます。こうしたおおまかなスケジュールを紙とペンで立てています。そうすれば、細かくなりすぎることはありませんから」

TrelloチームがTrelloとZapierを連携する方法

ご想像のとおり、私たちZapierチームは連携マニアです。そしてTrelloは、Zapierに最もよく連携されているツールの1つです。たとえばZapierを使うと次のようなことができます。

ですので、TrelloチームがZapierをどう使っているかをぜひ聴いてみたかったのです。

Trelloのサポートチームは、Zapierを使って、スワッグリクエストの登録作業を自動化しています。オンラインフォームサービス『Wofoo』から送信された内容が、Trelloボードに自動で送られるようになっています。

「社員がスワッグリクエストを送るときは、必要な項目が設定された専用フォームに入力するようになっています」とEarhart氏。「そうすれば、誰が入力しても、『電話番号が抜けていた...』とか『欲しいシャツのサイズを聞くのを忘れちゃった...』ということはなくなります」

Wufooのフォームから送信された情報を、サポートチームが手作業でTrelloボードに書き写す必要はありません。その作業はZapierが自動でやってくれます。こうすることで、スワッグリクエストを迅速に処理することができます。

これ以外にも、さまざまなオンラインフォームからTrelloボードに、入力された情報を自動で送信することができます。

TrelloのコンテンツマーケティングチームもZapierを使って、オンラインフォームツール『Jotform』とTrelloを連携させています。こうすれば、フリーランサーたちがJotformに入力してくれた編集アイデアを、メンバーが手動でTrelloに書き写す必要はありません。

フリーランサーからのアイデアを自動でTrelloに取り込むことで、余計な手間が省け、コンテンツチームは編集作業に集中することがでできます。「Zapierがフォームデータを自動で送ってくれるおかげで、私たちはTrelloボードだけを見ていれば済みます」とMoon氏。「新しいカードができていたら、それにYES、NO、Maybe、のラベルを付けていきます。誰かがフォームに書き込むと、ただちにTrelloにカードが追加されるところが気にいってます」

また、コンテンツマーケティングチームは、Zapierを使って、特定の共有メールアドレスに送られたGmailメールを、Trelloボードに自動送信しています。こうすることで、受信メールを見逃すこともなく、返信する前にチームで話し合うこともできます。

サポートチームはZapierを使って、カスタマーサポートアプリの『Help Scout』やTrelloなどさまざまな場所から、Slackに情報を自動で送るようにしています。こうすることで、ユーザーから問い合わせがあったときに、メンバーがすぐに気づいて、迅速な対応をとることができます。

Trelloのユーザーは世界中にいて、使われている言語も多岐にわたります。サポートチームでは、Zapierを使ってメールを自動的に英語に翻訳しています。翻訳されたメールが届くことで「大幅に時間を節約できる」とEarhart氏は話しています。

アドバイス: TrelloチームはZapierを、個人的なタスクにも活用しています。Earhart氏にとって、ミュージカル「ハミルトン」を見ることはなによりも重要です。「毎日夕方4時に、ハミルトンの抽選結果をダイレクトメールで受け取れるようにZapierを設定しています。抽選結果はSlackに直接送られるので、わざわざ別のアプリを開かなくても結果を知ることができます。

TrelloチームとTrelloの未来

Trelloチームは自社プロダクトを使って、独自のスタイルで共同作業を行っています。CEOのMichael Pryor氏は、自分が思い描いたとおりにTrelloチームの全員がTrelloを使って仕事をしている、とIntercomのインタビューで答えています。

「Trelloは全員が認識を合わせるための場所だと考えています」とPryor氏は言う。「職場にホワイトボードがあるのも同じ目的です。Trelloでは、チームが同じ認識を持つことを大切にしています。もし森の中で迷子になったら、地図やGPSを見たくなるのと同じです。Trelloを見れば、チーム全員が、今自分たちがどこにいて、これからどこへ向かう必要があるのかがわかるのです」

Trelloチームはこれからもプロダクトを成長させ続けていきます。それに合わせて、TrelloチームがTrelloを使う方法も進化していくことでしょう。

How Trello Uses Trello to Collaborate, Plan, and Communicate as a Team | Zapier

Carlin Sack(原文/伊藤貴之)

Photos and images by Zapier and Trello.