モーツァルト効果では、ある種類の音楽を聴くと、ある特定の知的作業がはかどるとお勧めしています。しかし、静寂の中で仕事や勉強をする方がよい場合もあります。複数の研究成果によると、特定の認知的作業には静寂が何よりも必要とされることがわかりました。
アトランティック誌によると、「認知的な要求が高い作業の場合は大抵、静寂以外のものはすべてパフォーマンスに悪影響を与える」といいます。そこにはグラスゴー・カレドニアン大学の研究だけでなく、いくつもの研究が掲載されています。その中で研究グループは被験者に対し、複数の異なる外部音の環境下で認知的作業をこなすよう求めました。その結果、以下のように報告されています。40人の調査参加者は5つの認知的作業を完成させました。それは即時想起、自由想起、数的想起、遅延想起、ストループです。静寂の場合と比べて何らかの音(音楽であっても雑音であっても)がある時は、すべての認知的作業で成績が低下したそうです。
音楽を流すと特定の作業には効果的だという研究もあるのですが、それは高度な認知的要求を必要としない作業であることが多いのです。ある神経科学者はアトランティック誌で次のように述べています。
神経科学者で『This Is Your Brain on Music』の著者でもあるダニエル・レビンティン氏は、「脳外科医が多くの時間を割いている作業は、頭蓋骨に穴を開けることです。この状況は長距離トラックの運転手と同じようなものです。何も問題がなければ、作業自体は退屈で、ひたすら繰り返しとなります。だから、心理的に覚醒させる何かが必要となるのです」と述べています。
さらに、もし音楽が興味をそそる(つまり、歌詞があったりなどすると)場合、集中という点ではさらに悪くなります。
繰り返しになりますが、作業にもよりますし、人によっても変わるでしょう。音楽をかけて作業がはかどるのなら、その方法を続けるべきです。でも静寂な環境も試してみる価値はあるかもしれません。詳しくは、以下にあるアトランティック誌の記事をお読みになってください。
Kristin Wong(原文/訳:コニャック)