Inc.:2016年が終わりに近づくにつれ、今年はどんな年だったかと振り返り、2017年はどんな年にしようかと目標を立てることでしょう。新しい仕事を見つけるとか、転職するという目標もあると思います。ある調査によると、上司が原因で会社を辞める人が50%いるそうです。もしかしたら、部下がそんな目標を立てるのは、上司に原因があるのかもしれません。

今回は、有能な部下が転職を考える原因となる上司の9つの問題行動を紹介します。

理不尽な締切を設定する

理不尽な締切を設定すると、部下が過労になるだけでなく、ストレスを与え、燃え尽き症候群を引き起こすこともあり、上司を恨むようになります。あなたが上司なら、部下が成功するように導くのが仕事です。夜遅くや週末などに働かなければならないような理不尽な締切を設定するのは、上司の仕事ではありません。

部下が締切に同意できるよう話し合いの時間を持つことで、信頼関係を築くことができ、部下が言うことを聞いたり、説明責任を果たすようになります。

細かいことまで指示する

細かいことまで指示されるのが好きな人はいません。会社員の人から聞いた一番多い不満がこれです。部下や社員がやる気をなくすだけでなく、いいパフォーマンスが発揮できなくなります。

目標を設定し、それに向かって鼓舞したら、後はどっしりと構えて、部下が驚かせてくれるのを待ちましょう。仕事の成果をチェックしたり、助けが必要か聞いたりするのは構いませんが、週に1〜2回までです。1〜2時間おきに聞いてはダメです!

意味のない会議で時間を無駄にさせる

会議は生産的な時間を奪います。会議がただの情報共有だったり、出席者に関係のない議題の場合は特にです。筆者の昔の上司で、ほとんど議論に参加しない部下を集めて、4時間の会議をするのが好きな人がいました。出席していた社員はその会議が嫌いでした。さらに最悪なのは、その上司はノートパソコンや携帯電話も会議に持ち込まないようにと言っていたので、会議中に何も仕事ができませんでした。

すべての会議を見直して、必要がないものがあれば、スッパリとやめましょう。情報共有するだけなら、その情報をメールで送れば済みます。会議をしなければならない場合は、時間を半分に削りましょう。チームや部署全員がその意図を理解すれば、もっと生産的になります。

部下とコミュニケーションしない

情報や知識が力となりうるのは真実ですが、自分の立場を守るために出し惜しみしなければならないという意味ではありません。何が起こっているのかわかっている人は、より大局的に物事を見ることができます。

部下や社員にできるだけ情報を与えると、信頼関係を築くことができます。また、多くのことを理解すると、社員がより良い決断ができるようになります。

貢献を評価しない

成果を残したり達成をしても認めてくれないというのは、上司に対する一番大きな不満となります。驚くべきことに、褒めたり、評価したりするのは、まったくお金がかからない上に、大きな見返りがあるというのに、それをやらない上司が多いです。

評価するのは、部下や社員にとって良いだけでなく、上司にとっても良いことです。何度も評価されると、何度も良い仕事をしたいと思うようになるからです。褒めるのはwin-winの戦略です。上司がするべきことは「良い仕事だったね」と言うだけです。

業績の悪い社員に何もしない

チーム全体の業績が良い時は、業績の悪い何人かの社員を見過ごしがちです。そのような社員に説明責任を果たさせるのは、楽しいことではありませんが、それを避けていると、チームや会社のモラルが損なわれ、穴埋めをしている業績の良い社員が不満に思います。時々業績が上がらないことはあってもいいですが、それが常態化してはいけません。業績の悪い社員に何も対応しなければ、それ以外の社員が去ってしまいます。

部下の能力を伸ばさない

有能な社員は、ただ仕事をするために働いているのではありません。もっと自分の能力を伸ばしたいと思っており、さらに上のレベルに上がれるようなスキル向上のチャンスを求めています。有能な社員の面倒をきちんとみないと、彼らは自分の才能を伸ばしてくれるような転職先や上司を探しはじめます。

研修の予算や、成長させられるような機会が限られていたとしても、常に部下の良き指導者となるよう努めましょう。部下が学び、向上するのを助けるだけで、信頼関係や忠誠心も得られます。

知的な課題を与えない

自分がヒーローになりたがっている上司が多過ぎます。もっと大きな成功を収めたいのであれば、ヒーローを育てなければなりません。ヒーローを育てる方法の1つは、部下をより大きなチャレンジに巻き込むことです。完全にすべてを委譲する必要はありません。何か課題があったら、部下にそれについて考えてもらい、意見をもらうようにします。過度な負担をかけないようにしなければなりませんが、背中を押し、知的な課題を与えることが、部下の成長につながると同時に、部下が仕事に退屈しなくなります。有能な部下は、知的な課題を与えられると、残業したり、余計に働くことがあります。

一緒に働いていて楽しくない

締切が厳しかったり、仕事が難しかったり、顧客が厄介だったりするだけで、その会社で働くのが楽しくないということにはなりません。部下や社員が常に笑顔で楽しくいられるようにするには、共に時間を過ごし、一緒に働きましょう。チームワークや協調性を育み、士気を高めるのにもいいです。

有能な社員を大切にしないと、自分で自分のことを大切にしようと、新しい会社やチャンスを探しはじめます。2017年も有能な社員を逃したくなかったら、上記のような行動には気をつけましょう。

9 Reasons Why Your Best Staff Will Leave In 2017|Inc.

Gordon Tredgold(訳:的野裕子)

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