MakeUseOf:値引きなしの定価でモノを買うのは誰だって避けたいもの。特にその価格がどう考えても高すぎる場合はなおさらそう思います。しかし残念ながら、Appleの充電器に関しては、正規品を買う以外に選択の余地はなさそうです。というのも、模造品の充電器は、安価とはいえ、これを使うリスクに見合うものではないからです。英国の取引監視機関Chartered Trading Standards Institute(CTSI)が先日、Apple充電器の模造品を対象に、安全性についての調査を実施しました。CTSIは「世界中のサプライヤーからApple充電器の模造品を400台」購入しましたが、このうちの実に397台が、ごく基本的な安全試験にも合格しなかったとしています。
Trading Standards @ctsi_uk issues warning over #fake chargers & 2nd hand electrics as many deemed unsafe https://t.co/7j5uzHfuxt #SwitchedOn
— IPO.GOV.UK (@The_IPO) 2016年12月2日
「CTSI @ctsi_uk が模造品 #fake の充電器や中古の電化製品を調査し、その多くが安全性に問題があるとして警告を発した。」
この397機種が不合格となったのは、「耐電圧試験」と呼ばれるものです。CTSIでは試験の内容を以下のように説明しています。「これは高い電圧を対象となる機器に通し、入力端子と出力端子の間にどれだけの電流が流れるかを調べるものです。基準値を超えた場合、その機器は絶縁が不十分で、電気ショックを引き起こす恐れがあります」
くどいようですが、これはつまり、Apple充電器の模造品のうち99%は使っている人に害を及ぼす危険があるということです。かなりショッキングな結果です。
模造品の取り締まりに乗り出すApple
今回のCTSIによる調査の前には、Appleも自ら調査を行っています。この調査でAppleは、Amazonで正規品を扱っていると称する業者から充電器を100台購入しましたが、そのうち90%は模造品でした。
「Patently Apple」の記事によると、Appleはこの業者「Mobile Star LLC」を訴えたとのことです。さらにAppleは裁判の中で、これらの模造品を「通常の使用状態でも、過熱や発火、さらには消費者の命に関わるような電気ショックを引き起こす恐れがある」ものだと警告しています。この話を聞けば、模造品を買っていくばかりかのお金を節約しても意味がないことはおわかりでしょう。
消費者側のできる対策は?
そう考えると、消費者側も、Apple製品向けの充電器を買う時にはさらに慎重を期す必要があると言えます。過熱や発火、あるいは電気ショックを受ける恐れがあるのなら、いくらか実売価格が安いというメリットより、模造品を買うリスクのほうが大きいのは間違いありません。
英国の消費者保護団体National Trading StandardsのToby Harris会長も、以下のように呼びかけています:
「世界中の犯罪者が、オンラインプラットフォームを用いて、安い値段で消費者のみなさんに模造品を売りつけようとしています。これらの製品の多くは危険で、過熱して住宅火災を引き起こした例もあるほどです」
「消費者のみなさんは、電化製品をオンラインで購入する際には警戒を怠らないようにしてください:あまりにうますぎる話は疑ってかかり、購入する前に、まずは販売業者のレビューを探して確認しましょう」
私は、Appleがアクセサリー類につけている値段はあまりに高すぎると思いますし、本音を言えば、こんなに高価な正規品を買うように勧める気にはなれません。とはいえ、現状ではそれが唯一の賢明な選択肢のようです。
Why You Should Never Buy Fake Apple Chargers|MakeUseOf
Dave Parrack(原文/訳:長谷 睦/ガリレオ)
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