Inc.:インターンの指導であろうと会社の経営であろうと、部下の成功は上司のリーダーシップにかかっています。

チームにモチベーションを与えるのも問題を解決するのも、上司が部下にかける言葉次第です。「全てはコミュニケーションからスタートする」とその道の専門家は指摘しています。コミュニケーションはリーダーシップが成功するプラス要因にもマイナス要因にもなり得るのです。

今回は、「優れた上司が日常的に部下にかける言葉」を8つご紹介します。明日からあなたも毎日使ってみましょう。効果てきめんなはずです。

1. 君には全幅の信頼を置いているよ

部下の能力を信用せず、いちいち細かく管理する上司ほど部下のやる気を削ぐものはありません。どれほど自信に満ちた人であっても、未熟な新入社員のように扱われたら自信喪失してしまいます。

26代米国大統領セオドア・ルーズベルトは、かつてこんな言葉を残しています。

最高のリーダーとは、優秀な人材を採用して本人のやりたいことをさせられる思慮分別と、彼らに干渉せずに仕事をさせるだけの自制心がある人です。

手綱を手放すのは大変かもしれませんが、チームに当事者意識を持つ機会を与えると、オフィス環境の好感度もモチベーションも高くなります。

2. みんなで達成したいことは~です

米国の航空機・宇宙船開発製造会社・ロッキード・マーティン社のCEOを務めるマリリン・ヒューソン氏は、次の言葉こそキャリア成功の最大の鍵になると気づきました。

優れたリーダーは部下に目的意識を与えることでモチベーションと閃きを与えます。目的意識こそ、真に発展性のあることを達成する鍵なのです。

優れた上司と可もなく不可もない上司の差は、自分の計画をチームに伝えて日々の単調な仕事を大局的な目標と結び付けていける能力の差です。自分のチームがこれから進む道筋を明確に示すことで、チームは雇用が安定している感覚が持てて仕事にやる気が出ます。そのため、ただ指示を出すだけでなく、その作業の「目的」を説明する時間を取りましょう。

3. どうしたら次はもっとうまくできるかな

『ハフィントン・ポスト』の創設者であるアリアナ・ハフィントン氏は、「ミスは最高の教師だ」と説いています。

人は常に正しい選択ができるとは限らず、ときにはとんでもない失敗をすることもあるということを受け入れる必要があります。

と彼女は言います。

失敗は成功の反対ではなくて、成功の一部であることを理解しましょう。

地球上のすべての人は少なくとも1度は仕事でヘマをしたことがあるはずです。間違いは誰にでもありますし、特に初めてのことに挑戦しているときにはありがちです。

無茶や不注意によるミスでない限りは、その過ちを学習体験に転換しましょう。ミスを犯した人に次はどうすればいいか教えてさらなる失敗を回避する方が、叱責するよりはるかに生産的です。

4. 君の強みを発揮してもらいたいんだ

リーダーシップ論の著名な経営学者あるウォーレン・ベニス氏は次のように言っています。

社員はどこに異動させても適応可能だと思っている会社が多すぎます。真の才能に恵まれた人には到底不可能なことです。そういう人材は向いていない役割を強制されても適応できませんし、そんなことをすべきではありません。有能なリーダーは優秀な人材が自分に向いている仕事をすることができるようにします。

社員ひとりひとりがそれぞれに特別なスキルを持っています。その多様性のおかげで私の会社はユニークでいられるのです。これは、社員が消耗品とみなされることが多すぎる世界で、人材を個人として扱うというアイデアを論じています。社員各人の長所を探すと素晴らしい結果につながります。

5. 君の意見はどうなの?

一流の上司は変なプライドに邪魔されてイノベーションを妨げるようなことはしません。役職の上下に関わらず、誰からも意見を聞きます。

部下の意見を聞くことで、部下を信頼し、部下の意見に価値を置いていることを示すことができます。また、最高の洞察は思いがけないところから得られるものです。

6. どうしたらもっと君の力になれるかな

社員の離職率を下げるには、予防的アプローチが効果的です。自分のチームとやり取りする時間を取りましょう。今、部下が何を抱えていて、うまくいくにはどうしたら力になれるか聞いてみてください。

FacebookでCOOを務めるシェリル・サンドバーグ氏は次のように語っています。

リーダーシップとは、リーダーの存在が結果的に他の人たちの向上に結びつくことであり、リーダーがその場にいなくてもその影響力が持続することです。

上司がチームのために尽くし、その能力を高めることができれば、チームメンバーも同じことを上司と会社のためにしたいと思うでしょう。

7. 質問があればいつでもどうぞ

助けを求めに行く気になれないような威圧的な上司に当たった経験がある人は多いでしょう。普段はオフィスのドアを開け放しておくオープンドアポリシーを採用すれば、「話したい人はいつでもどうぞ」という姿勢や、オープンなコミュニケーションと生産性に留意していること周囲に示すことになります。部下は自分の質問への答えが早くもらえるほど、今取り組んでいる作業を仕上げに早く戻れます。

8. 素晴らしいデキだね

社員の仕事のできばえを認めて褒める方が、卓球台やナップポッドを会社に設置するよりずっと安くすみますし、はるかに効果的です。社員は給料の額や福利厚生の手厚さかに関係なく、自分のした仕事を誰かに気づいてもらえると思いたいものです。だから、ほんの2、3分でいいので、それ相応の誉め言葉を部下にかけてあげれば、必ず感謝され喜ばれるでしょう。

8 Things Exceptional Bosses Constantly Tell Their Employees | Inc.

Elle Kaplan(訳:春野ユリ)

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