今の仕事に不満で、行き詰まりを覚え、さらにはつまらない、やり甲斐がないと感じている。そんな状態の人は、変化を起こす必要があります。さてどうすればよいのでしょうか?
ほとんどの人の答えは、机に向かって座り、大きな変化(ずっと書きたいと思っていた本、ずっと行きたいと思っていた世界旅行など)について妄想することだと思います。あるいは、あなたが本当に目指すべきは、大学に戻ることかもしれません。
そして、大きな人生の変化を夢見た後は、結局何もしないのではないでしょうか? 自分の世界を根本的に変えるのは恐ろしいことですし、その不安を考えると、そうした人生の大転換を起こす力を振り絞るのも困難に思えます。ということはつまり、あなたは行き詰ってしまったのでしょうか? パッとしない人生から抜け出せないということですか?
そんなことはありません。そう述べるのは、最近見つけた、とても考えさせられる2、3の記事です。それらによると、もっと小さなことから考えましょう、とのことです。
試験プロジェクトのすすめ
最初の記事は、Fast Companyが紹介している、元Googleのキャリアコーチで現在は著者の、Jenny Blake氏のアイデアです。彼女は、最近の著書『Pivot』で、人生を変える鍵は、未知の世界に勇気を出して飛び込む代りに、小さな「パイロットプロジェクト」をたくさん実行することだと主張しています。
Blake氏は、ライターのLaura Vanderkamにこう言っています。「重要なのは『私が今興味を持っているスキル、あるいは仮説の実験に関し、今すぐできて、日常生活に大きな変化をきたさない実験的な試みは何か?』と自問することです」
つまり、あなたが、ずっと考えている本を書きたいのであれば、そのトピックについて、寄稿することから始めようということです。海外で言葉を教えるという夢があるなら、週に数時間、留学生の家庭教師をしてみましょう。それをやってみることで、あなたが考えている生活を自分が本当にエンジョイできるのかどうかがわかり、貴重なフィードバックになるほか、小さくてやりやすいおかげで、不安で動けなくなったり、先延ばしをしたりすることもありません。
ただし、1つの試験プロジェクトにこだわりすぎないよう、気を付けてください。「複数の小さなパイロットプロジェクトを並行してやることで、どれが優勢になりそうかわかります。でもポイントは、複数を掛け持ちすることで、1つのプロジェクトを成功させなければならないというプレッシャーをなくすことなのです」とBlake 氏はアドバイスしています。
小さな試行の積み重ねが大きな改善に
新しいキャリアや新しい生活を望んでいるわけではないが、今の生活を少し良くしたいだけという人には、Jeff Rodman氏が「Harvard Business Reviw」に寄稿した記事で、同じようなアドバイスをしています。彼は、通信機器を扱う20億ドル企業Polycomの共同設立者です。
彼もBlake氏と同様に、ビジネスの最終利益向上、製品のイノベーション、あるいは自分の生活習慣向上など、どのような目的であれ、一番の方法は、小さな試行と改善を積み重ねることだと主張しています。つまり、小さく考えるということです。
「小さなイノベーションに集中することが、大きなブレークスルーにつながるのです」と彼は言います。「大きな目標にこだわらないで『わが社の製品や、配送、組織構成に加えられる最小の改善は何だろう?』と自分に問いかけるのです」。そうして実行した小さな改善が積み重なって、何十億ドルの売り上げになるのです、と個人的経験を話しています。
また、ビジネスで効果的なことは、生活でもうまく行くものです。「大事なのは小さな習慣の積み重ね。たとえば友達とスポーツ観戦をするとか、しっかり寝るとか、メモの上に必ず日付を記入するなど、単純なことでかまいません。たとえ、朝シャワーを浴びながらその日のことを考える、などといった小さな習慣でさえ、大きな成果につながります」
要するに、大きなキャリアの変更、新たな習慣化など、どのような変化を目指していたとしても、最終目的に目を向けるのではなく、はじめの一歩となる小さな試行に集中することが鍵のようです。
さて、あなたを目標に一歩近づける小さな改善で、今日できることは何でしょう?
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Jessica Stillman(訳:和田美樹)
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