採用面接は不安なことだらけです。あなたも、こんな考えが頭をよぎったことがあるはず。最初の面接に、間違った服装で出かけてしまったら、徹底的に笑いものにされる...。最終面接でバカな発言をすれば、万事休す、もうどこの会社にも雇ってもらえなくなる...。リファレンスチェックで褒めちぎってもらえなければ、ここまでの努力がすべて台無しになる...。

私がリクルーターとして働き始めたとき、こうした不安のほとんどは、ばかげたものであることを知りました。リファレンスチェックに関して言えば特にそうです。今回は、リファレンスチェックで自分についてどんなことを言われるのかが不安で仕方がないあなたのために、そこで行われる代表的な質問をいくつか紹介したいと思います。

1. 候補者とどうやって知り合いましたか?

私はいつも、リファレンスチェックの会話をこの質問をすることから始めていました。電話の相手が候補者とどのように知り合ったのかを、まず知りたいと思ったからです。その人が候補者の直近の同僚であろうか、なかろうが、それは変わりません。最終的には、候補者がなぜこの人物をリファレンス先に選んだのかを知りたいわけです。本当にそれだけです。

この質問をすると、多くの人が不意をつかれたという反応をします。「それって今関係あるんですか??」 そして、こんな感じで答えてきます。「特に変わったことはありません...。たまたまオフィスのキッチンで出会っただけで...」 なにやら質問の真意を勘ぐっているようすです。でも、私は本当に、2人がどうやって知り合ったかを聞きたいだけなんです。少なくとも、会話の冒頭でこの質問をした段階ではそうです。

2. 候補者と一緒に働いてみてどうでしたか?

リファレンスチェックはあなたを前向きに評価するために行われます。よほどあなたを嫌っている人をリファレンス先に選ばない限り、きっと良いことばかりを言ってくれるはずです。

リファレンスチェックの電話で、いつも私が確かめたいと思っていたことが2つあります。1つは、私が候補者に感じた印象と、元同僚の人たちの印象が同じであるかということ。もう1つは、候補者がサイコパスではないかということ。それだけです。この質問は、職場で候補者がどのように振る舞っていたのかがわかるようなエピソードを聞き出すために尋ねるものです。

大抵の場合、電話の相手は、候補者と一緒に働けなくなるのがどんなに寂しいか、とか、候補者を採用しないと損ですよ、というような話を立て板に水でまくし立ててきます。よほど疑ってかかりでもしないかぎり、この質問に対する答えは、候補者をますます採用に近づける働きしかしないものです。

3. 候補者は以前の職場で何をやりたがっていたか?

念のため言っておくと、リファレンス先が候補者の現在の同僚である場合は、この質問はしません。とはいえ、私が面接した候補者のほとんどは、現在の同僚をリファレンス先に選びませんでした。

ですので、たいていの場合、候補者が以前の職場で何をやりたがっていたか、また、どんな理由でそれが叶わなかったのか、という話を聞くことができます。候補者がリファレンス先に台本を渡して、有利なことばかりを言わせようとしていると、すぐにわかります。もしそうだと気づいたら、少しカーブをかけた質問をします。すると、電話の相手はたいてい、一瞬口ごもったあとにこう言います。「えっと、それについては考えたことがありませんね...」

ときには、電話口の相手が、候補者が希望していたキャリアパスについて赤裸々に語ってくれることもあります。そして、たいていの場合、候補者が望んでいたキャリアと私がオファーしようとしているポジションは合致しています。また、この質問をすることで、少なくとも、候補者がインターネットで見つけた求人に片っ端から応募しているわけではないこともわかります。

リファレンスチェックを受けるということは、あなたがいいところまで来ているということです。私の経験では、企業がリファレンスチェックをしたがるのは、候補者を雇ってもいいというダメ押しの確証が欲しい時です。ですので、あなたの上司になるかもしれない相手に対して、あなたの悪口を並べ立てるような人をリファレンス先に選ばない限り、リファレンスチェックを恐れる理由は何もありません。

もちろん、採用通知をもらうまでは不安が消えることはないでしょう。しかし、企業からリファレンスチェックをさせてくれと言われたとしたら、それは、あなたが思うほど憂うべき事態ではないのは確かなのです。

3 Real Questions Hiring Managers Actually Ask During Reference Checks|The Muse

Richard Moy(原文/訳:伊藤貴之)

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