「プランク」はとても単純な自重トレーニングの一種で、体を1枚の厚い板(プランク)に見立てて、フラットな状態をできるだけ長く保つエクササイズで、体幹を鍛えることができます。

体幹はバランスの維持にひと役買っているほか、姿勢の良し悪しにも影響を与えています。また、体幹がしっかりしていれば、重いものを持ったり急な動きをしたりしても、倒れたり転んだりしません。

最近では、プランクを60秒以上できることを自慢のタネにする人もいますが、ぐらついたり震えたりせずに延々とプランクのポジションをキープできるとしたら、そのフォームでは体幹をきちんと鍛えられていないかもしれません。

正しいプランクはこんな感じ

手とつま先で体を支えて静止させます。プランクをしてみると、その態勢を保つために腹筋や肩の筋肉、三頭筋、四頭筋など、さまざまな部位の筋肉が使われていることがわかるはずです。プランクにはいくつかバリエーションがありますが、もっとも一般的なのは、両手ではなく前腕を床につくやり方です。「Scott Herman Fitness」の上の動画を見ると、プランクの正しい姿勢がわかります。

美しいプランクとは、頭と背中全体、腰、かかとがほぼ一直線になった状態です。そのためには、顔をまっすぐ床に向け、あごを胸の方に引き寄せつつ、へそを引っ込めて背骨にくっつけるようにイメージします。

良くある間違い

プランクを長時間キープできればそれは確かにすごいことなのですが、「正しくない」やり方で取り組んでいるせいで、体幹がきちんと鍛えられていない場合も少なくありません。

  • 体幹が「締まった」状態を維持できていない:「締まった」とはつまり、体幹筋を意識的に働かせて、全身を緊張させるということです。エクササイズ指導サイト「Von Blanco Fitness」のSlyvon Blanco氏によれば、ほとんどの人が体幹を「締まった」状態に維持できていないため、30秒くらい経たないとプランクの効果を「感じない」のだと言います。正しいやり方で臨めば、プランクの姿勢を取ってすぐに、体幹筋全体で効果を感じ取れるはずです。
  • お尻の位置が高すぎる、あるいは腰が沈んでいる:お尻が突き出ていたり、腰が沈みすぎていてカーブを描いていたりする場合は、体幹に力が入っていません。それどころか、体のほかの部位に負担をかけて、プランクの強度を弱めてしまっています。こうした悪い癖を直すには、両方のお尻をきゅっと引き締め、握りこぶしをぎゅっとつくり、へそを背骨にくっつけることをイメージしましょう。Blanco氏によれば、お尻に力を入れると、おのずと頭、腰、足首がもっとまっすぐになるそうです。そうすれば、体幹筋は適切に鍛えられます。
  • 肩が丸まっている:肩が丸まっていると、頭も概して下がりがちです。この姿勢の場合も、腹筋にかかる負荷を弱め、代わりに腕や僧帽筋、首に負担を強いることになると話してくれたのは、ワシントンD.C.にあるEquinox Sports Clubのマスター・インストラクター、Kevin Mullins氏です。肩が丸まらないようにするには、肩甲骨を引き寄せて、がんばって胸部を高い位置に保ちましょう。
  • 呼吸するのを忘れている:一生懸命になると、つい息が止まってしまいますよね。それに気づかないことさえあります。プランクをする時は普通に呼吸をしてください。めまいがしては困りますし、普段通りに呼吸した方がもっと長くプランクをキープできるでしょう。

正しいフォームでプランクができるようになったら、レベルを上げて、床に手のひらをつきましょう。腕立て伏せの腕を伸ばした状態です。手のひらをつくほうが、前腕で支えるプランクよりもほんの少しだけ難易度が上がります。でも、全身の体重を支えるのがあまりにもつらいようなら、上半身にもっと力がつくまでは膝をついてもかまいません。

手のひらをついた状態でフォームを維持できるようになったら、もっとがんばりましょう。上の「functionalpatterns」の動画では、片足プランクをしています。一方の足を伸ばしたまま空中に浮かせた状態です。片足プランクの場合は、腰が片方に傾きすぎてぐらつかないよう、踏ん張らなければなりません。片足を浮かせたままにするので、四頭筋と臀筋にも効果的です。

さらには、「Howcast」の上の動画で説明されているようなやり方で、サイドプランクに挑戦してみてはいかがでしょうか。サイドプランクは主に、腹部の両サイドについている外腹斜筋を鍛えるエクササイズですが、体を安定させる役割を持つ背中やお尻、肩、さらには胸部などのさまざまな筋肉にも効きます。ただし、左右均等に取り組むことを忘れないでくださいね。

プランクは、複数の筋肉から成り立っている体幹筋を強化する上で効果的なエクササイズです。それに、成果が出始めれば、普段の生活やジムのほかのエクササイズでも役立つはずです。プランクは一見すると、それほど大変そうには思えませんが、できるだけじっとして同じ姿勢を維持するエクササイズの方がハードな場合が多いのです。

Stephanie Lee(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)

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