車で得意先へ訪問することが多く、朝から晩まで外に出ているというビジネスマンにとっては、ノートPCの内蔵バッテリーだけでは心もとないもの。延長ケーブルをカバンに入れておけば、得意先で電源を借りることもできます。が、移動中や休憩中など、車内にも電源があればと思うことは少なくありません。
今回、こんな時の強い味方『AUKEY カーインバーター』のサンプル品を提供いただく機会がありましたので、さっそく実機レビューしてみました。
からばらないインバーターは便利
クルマのシガーソケットの電流を、家庭用コンセントやUSB電源に変換するインバーターはすでにいくつかありますが、本機の特徴は、カップホルダーに立てて置けるという点にあります。およそ350mlのジュース缶と同じ大きさですので、箱型のインバーターと比べて置き場所に困ることが少ないと思います。

もっとも私の車は、一般的には運転席と助手席の間にあるセンターコンソールがないフラット床仕様なので、シガーソケットの近くにトリンクホルダーがありません。そこで仮にダッシュボード下部のポケットを利用しましたが、意外にスッキリと収まったのでこのまま使うことになりそうです。
また、AC110V電源(AC100V電源ではありません。後述します)だけではなく、USBジャックも付いていますので、スマートフォンなどを充電することも可能です。
車内で充電可能となると、「事務所を出る前に、満充電にしておかなければいけない」といった制約に悩まされることがなくなり、安心感が大きく違います。高速道路を使って日帰り出張する場合でも、パーキングエリアで仕事をすることもできるし、一度設置すると手放せないと感じられました。
シガーソケットについて
車種によって、メインスイッチをオフにしていてもシガーソケットが通電しているタイプと、メインスイッチに連動して電源オフになるタイプとがあります。
前者の場合、車のエンジンを止めてもノートPCへの電源供給が可能となりますが、そのままの状態で車を離れるのは避けたほうが無難です。本製品には、「出力オーバー保護」「出力ショート保護」「異常温度保護」「入力電圧低下保護」「入力過電圧保護」「入力ショート保護」といった各種安全装置が組み込まれていますが、防犯上の観点からも電源ONにしぱなっしは控えるようにしましょう。
利用できる家電には限界がありそう
ご存知のように、日本の家電はAC100V電源で使用するように設計されています。ノートPCのように、ACアダプターを介して給電を受ける機器の場合は、アダプター側でAC240Vまで対応できるものもあり、多くの場合問題ないと考えられます。
しかし、AC100Vでの利用に制限されている家電を本機につなぐと、厳密に言うと過電圧の影響を受けてしまいます。多くの場合、ある程度のマージンを取ってあり、10%程度の過電圧なら問題ないと言われていますが、避けておいたほうが無難だと思います。
また、本機は使用電力量150Wまでの機器に制限されていますので、この点も注意が必要です。そもそも、自動車エンジンの発電量(バッテリー蓄電量)は、電力消費の大きい電化製品をつなぐことを想定していないのです。
カーワーカーにおすすめの一品
率直に言って、いくつか挙げた注意点にさえ気をつけていただければ、問題なくオススメできます。USBジャックとAC110V電源が、それぞれ1つずつしかありませんが、ノートPCとスマートフォン(あるいはモバイルバッテリー)が充電できれば充分でしょう。
あえて気になる点をあげれば、すでにドリンクホルダーの空きがない場合には、別の置き場所を考えなければいけない点でしょうか。
(田中宏和)