Inc.:職場で色んなことが起こり過ぎていて耐えられないような時は、音楽を聴くことで大いに仕事の助けになります。しかし、再生ボタンを押す前に、その時に音楽を聴くのが、本当に自分と自分の脳にとってメリットがあるのかを確認しましょう。

学んでいる=聴かない

学んでいる時は、脳は説明や事実を覚えたり分析したりしなければなりません。しかし、音楽を聴くと、脳は説明や事実の前に、耳から入ってくる聴覚情報を処理しなければならなくなります。このようなマルチタスクをすると、脳が説明や事実を適切に解釈したり、覚えておかなければならない重要なことを見誤るおそれがあります。したがって、仕事中に何かを学んでいるような時は、音楽を聴かない方がいいです。特に言葉に関するものを学んでいたり、何かを読んでいる時に、歌詞のある音楽は聴くのをやめましょう。

騒音=聴く

仕事場がうるさい場合は、脳がすべての騒音情報を逐一処理しようとします。すべての情報を処理していたら,仕事に使わなければならないエネルギーまで使ってしまいます。また、ストレスホルモンのコルチゾールの値が上昇し、トーパミンの値が減少。そのようなホルモン値の変化が前頭葉皮質に良くない影響を及ぼし、実行機能の妨げになります。そのため、仕事が学ぶような内容のものでなくても、生産性が下がります。このような状況では、必要以上の情報を入れずに、落ち着いた状態を保つのに、音楽を聴くことが役に立ちます。

単調な作業=聴く

一般的に、音楽を聴いていると単調な作業がより速くなり、ミスが減るというのは、さまざまな研究結果でも証明されています。音楽を聴くことで、ドーパミンやセロトニン、ノルエピネフリンのような快楽神経伝達物質を放出するトリガーになり、リラックスして楽しい気分になって集中力が増し、このような結果になるのです。

複雑な作業をしている時も同じことが言えます。外科医は、集中力やパフォーマンスを下げる恐れのあるストレスを軽減するために、手術室でよく音楽を聴いています。また、音楽を聴いて気分が良くなると、同僚とのコミュニケーションにも良い影響があります。気分が良ければ、より忍耐強くなり、相手を尊重し、協調性が増すので、チームワークも良くなります。

新しい音楽=聴かない

それまで聴いたことがない新しい音楽を聴くことには、驚きや目新しさがあります。体は、"新しいもの"に反応してドーパミンを放出し、気分がある程度良くなります。最終的に、自分がやろうとしている仕事よりも、音楽の方が魅力的に感じるようになり、音楽に意識が向き、仕事に対する集中力が損なわれます。

まとめ

音楽は仕事の時間を一変させます。騒音のせいで仕事が進まない時、退屈な仕事や、いつもやっている仕事をする時は、気にせずボリュームを上げましょう。しかし、すでに知っている曲のプレイリストを選ぶのが理想的です。また、言葉を扱う仕事をしている場合は、歌詞のない音楽の方が集中できます。最後に、何かを学ぶような仕事の場合は、はじめる前に音楽で気分を上げていきましょう。

Do You Listen to Music While Working? Here's What It Does to Your Brain (and It's Pretty Awesome)|Inc.

Tom Popomaronis(訳:的野裕子)