Dumb Little Man:リタイア後に備えて貯金するのがうまいのは男性と女性のどちらだと思いますか?

世の中の経済は男性に大きく支配されています。古代ギリシャ最初の貨幣であるドラクマが鋳造されて以来、最強の権力から最高の給料に至るまで、富の世界は男性に独占されてきました。

その男女間格差が無くなるにはまだ時間がかかりそうですが、女性が一矢報いる点を探すなら、潮の流れが変わる兆候として「リタイア後に備える貯金」に目を向けてみてはどうでしょう。これも立派にお金に関する分野です。

大手資産運用会社のVanguard社が行った最近の研究によればリタイア後に備える貯金に関しては女性の方が男性に勝っており、その勝負は僅差どころではありません。

研究でわかったこと

資産運用会社のVanguard社が2016年に行った調査により、賃金格差や富の格差があるにも関わらず、リタイア後に備えた貯金に関しては女性の方が男性をしのぐことがわかりました。実際、貯金をする確率は女性の方が男性より15%高く、貯金する金額に関しても女性の方が7-16%多いことがわかっています。

女性は男性に比べて5万ドルも収入が少ないのに、男性が収入の28%をリタイア後のための貯金に充てているのに対して女性は45%も充てています。これにより、給料が安くてもリタイア後に備える貯金ができないと思うべきでないことがわかります。

この研究では、女性の方がリタイアしたい日をベースにさまざまなファンドをまとめて選択するターゲット・デート・ファンドのように予めパッケージになったものを用いる傾向が強いことが観察されています。ターゲット・デート・ファンドはマーケットに投資したいけれどどの証券を選ぶべきかわからないという人に向いています。

残念ながら、男女ともにリタイア後に備えた貯金が不十分であることもこの研究で明らかになりました。女性は給料の7%をリタイア後に備えて貯金していますが、それでは必要額にまるで足りません。大多数の専門家は、リタイアした後に快適な生活を維持するためには給料の10-15%を貯金するように推奨しています。

この調査に協力した男女の平均年収を比較すると、女性は68,895ドル、男性は85,983ドルだったことを考えると、男女間の貯金率の差があらためて際立ちます。さらに、この研究は「平均的な男女は大変似通ったレベルのリスクを取り、似たようなタイプのポートフォリオを持つ」と理論的に説明して、女性は株式市場にあまり投資したがらないという神話を払拭しました。

どうしたら男性は遅れを取り戻せるか

ジェンダー専門家はこの格差の背景にある深い理由を推定することができるかもしれませんが、女性が貯金する金額が男性より多いという行動は先天的な性別とは無関係です。どんな男性もお金に関して思慮深く一貫性のある選択をすれば、その格差を埋めることができます。

それに必要な重要なステップは次の通りです。

・ 会社が支援するプランを活用する

リタイア後に備えた貯金を始める一番簡単な方法は、会社がスポンサーをしているプランに登録することです。最近は多くの会社が確定拠出年金(401k)やその他の選択肢を社員に提供しており、会社も同額を負担してくれることが多いようです。

ただでお金が手に入るだけでなく、リタイア後に備えて新規にファンドを始めるときの手続きの煩わしさを解消してくれる人に助けてもらえます。

・ 早めに始める

年収5万ドル以下なら、もっと収入が多くなってからにしたいと思っても、今すぐ貯金を始めてリタイア後の生活に備えるべきです。ごく小さな複利が時間の経過と共にかなりの額になってくれるからです。

たとえ25ドルしか貯金できなくても、何もしないよりましです。

・ 積立金を活用する

年配で老後の貯金をきちんとできていない人も、始めるのに遅すぎるということはありません。50歳以上でも個人退職年金(IRA)や確定拠出年金(401k)などを使えば、お金を貯められて、遅れを取り戻すことが可能です。

たとえば、千ドルを個人退職年金に、さらに5先ドルを401kに投じてはいかがでしょうか。

・ 給料が高い場合はそれを生かす

男性は女性より多くのお金を稼げる可能性が高いだけでなく、年に10万ドル以上稼げる仕事に就くことが多いです。この高給を生かして雇用主が提供する退職金制度(そういうものが無ければ個人退職に年金に)にもっと多額のお金を投じても良いでしょう。

・ 助けを求める

リタイアに備えた貯金を始めるのが困難で、どうしたら良いかわからない場合は、ファイナンシャル・プランナーに相談するのがベストかもしれません。アドバイザーが貯金すべき金額やどのような投資をすべきか教えてくれます。顧客がどのような目標を設定しているか、人生のどのステージにいるかに応じて適切なことを勧めてくれます。

そして、どれもうまくできなくても、そのときは、まだ最後の頼みの綱になる本物の専門家がいます。それはあなたと共に人生を歩んでいる女性です。

Are Men Or Women More Successful At Saving For Retirement? | Dumb Little Man

Zina Kumok(訳:春野ユリ)

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