MakeUseOf:スナップ写真を上手に撮るのはとても難しいことです。なぜなら、スナップ写真は最高の瞬間を切り取るだけではなくて、その瞬間の雰囲気や気分も一緒に切り取らないといけないからです。そして、最高の瞬間は一瞬で過ぎ去ります。まばたきをしている間にやってきて、あっという間に過ぎ去ってしまうのです。

一応説明しておくと、スナップ写真というのはポーズをとらない、無計画のたまたま撮れた写真のことを指しています。たとえば、グループの集まり、家族とのアクティビティ、ビーチへの旅行、夜の街に繰り出した場面などです。

この記事ではデジタル一眼カメラを使用している人を想定してアドバイスを紹介します。いくつかのコツはスマートフォンや小型カメラにも応用できますが、デジタル一眼にしか当てはまらないアドバイスもあります。自分の持っているカメラを最大限活用するように心がけてみてください。デジタル一眼カメラが必要だと感じるまでは購入する必要はありません。

前置きはここまでにして、以下紹介するコツを参考にすれば最高の一瞬を見逃さずに満足のいくスナップ写真が撮れることでしょう。

1. 絞りまたはシャッター優先モード

160723taking_great_candid_1.jpg

CanonやNikonを含むほとんどのデジタル一眼カメラのブランドは「絞り優先」と「シャッター優先」という2つの半自動モードを搭載しています。マニュアルモードはスナップ写真撮影では遅すぎる場合がほとんどなので、代わりにこれら2つを使いましょう。

絞り優先モードは、ISO感度と絞り値を設定したらカメラが自動的にちょうど良い露光に合わせてシャッタースピードを調整します。シャッター優先モードではISO感度とシャッタースピード値を設定したら、カメラが自動的にちょうど良い露光に合わせて絞り値を調整します。

さて、どの場面でどちらを使えばいいのか?絞り優先は光が少ない場所や背景にぼけが欲しい場合に設定します。シャッター優先はスポーツや子供が遊んでいるときなど素早い動きを捉えるときに最適です。

2. ズームレンズ>焦点レンズ

160723taking_great_candid_2.jpg

スナップ写真の撮影では、状況がいつも変わることが問題です。たとえば5分以内でグループショットの撮影からバースデーケーキの撮影、バースデーの主役、そしてまた別のグループショットを撮影する可能性もあります。

そんな状況ではレンズを交換している暇も、固定焦点レンズを再配置している暇もありません。スナップ写真の撮影ではその大切な一瞬を切り取るために焦点レンズではなくズームレンズを使いましょう。

理想を言えば、ズームレンズは広範囲をカバーできるものが良いでしょう。短い焦点距離は団体写真の撮影に適していて、望遠焦点距離は近接写真や全体図を撮影する際に適しています。

私はフルフレームセンサーならCanonの「EF 24-70mm f/4.0L IS USM」を、APS-CセンサーならCanon「EF-S 17-55mm f/2.8 IS USM」をおすすめします。私は個人的にこれらが理想的だと思っています。

3. フラッシュを使わず環境光を使う

160723taking_great_candid_3.jpg

どこで撮影するにしても、まず始めに考えるべきなのは環境光(日中の自然光)の差す方向とその質です。それに合わせてカメラの露光を調整しましょう。

設定が完了したら、被写体に光が当たる場所に移動し、写真の構図を考えたらそこで待ちましょう。そしてフォトジェニックな場面がやってきたら即座に写真を撮ります。そうすれば動き回る必要がありません。

フラッシュを使うのはまったくおすすめできません。もちろん、壁に光を反射させるなど上手にフラッシュを使うトリックもいくつかありますが、スナップ写真撮影の雰囲気はカメラのフラッシュを使うと台無しになります。フラッシュを使えばその場の人は皆びっくりして、その後の良い瞬間も失ってしまいます。

4. オートフォーカスモードを変える

160723taking_great_candid_4.jpg

たいていのデジタル一眼は少なくとも2つは使い勝手の良いオートフォーカスモードを搭載しています。

1つめは「ワンショットAF(Canon)」または「シングルポイントAF-S(Nikon)」です。これは単純にオートフォーカスを置いた場所にレンズが焦点を当てるモードです。たいていのフォトグラファーはこのモードを使います。

2つめは「AIサーボAF(Canon)」と「コンティニアスAF(Nikon)」と呼ばれるモードです。常時自動でフォーカスして瞬間を切り取ります。あまり使われない機能ですが、動きの多い写真にはなくてはならないモードです。

友達を撮影するとき、彼らにフォーカスを当てるために動いてもらった挙げ句ぼやけた写真ができあがることにウンザリしませんか?だからこそ、今すぐに常時フォーカスに切り替えましょう!

5. たくさん写真を撮る

160723taking_great_candid_5.jpg

一番やってはいけないのは撮影をためらうことです。シャッターボタンを押すためにムダに構えすぎれば最高の瞬間を見逃しかねません。しかしもっと最悪なのは最高の瞬間が来たのに焦点を当てるためにシャッターボタンを押し続けているだけの場合です。「最高の瞬間」を待つことこそ、それを見逃すということです。

経験から言えることが1つあります。それは、20枚撮った写真のうちで1枚しか成功しないということです。良い写真を5枚撮りたい?ならば少なくとも100回は撮影しましょう。初心者の場合ならもっと多くです。失敗は成功へ向かうプロセスの一部です。怖がらずにどんどん撮影しましょう。

6. 連続撮影モードを使う

160723taking_great_candid_6.jpg

それでもまだ良い瞬間を見逃すことを恐れているなら、「ドライブモード(Canon)」または「連続撮影モード(Nikon)」を使うと良いでしょう。どちらも基本的には一緒です。

これらのモードではシャッターボタンを押し続ければ数コマ/秒の連写をすることができます。ボタンを離すと撮影が終了する仕組みです。

この機能はタイミングが難しい動きの多いショットにかなり適しています。連写でたくさん撮影をしたなかから最高の1枚を選びましょう。

7. 絶対にカメラをしまわない

160723taking_great_candid_7.jpg

疲れてカメラを下げたことによって、今まで何回最高の瞬間を逃したことか数えきれません。最高の瞬間が来たらカメラを探して、手に取って、露光と構図を考えてようやく撮影したと思ったらその瞬間はもう過ぎ去っています。

そうならないためにも、カメラは常に手で持つかストラップで下げておきましょう。ストラップはどんなフォトグラファーでも持っておくべき必須アイテムですが、この話にかんして言えば素晴らしい瞬間を見逃す確率を減らすこともできるのです。

そうすることのもう1つの利点として、あなたがカメラを持っているという事実を周りが意識しなくなることです。しょっちゅうカメラを設定し直して取り出したりしまったりを繰り返すと毎回人々はカメラを意識して緊張してしまいます。リラックスした状態こそ最高のショットを生み出すものです。

8. 後処理のしかたを知る

スナップ写真撮影はそのままでは不完全である場合が多いです。よくあるのは露光が足りないケース。良い構図も即座に撮影するにはなかなか難しいでしょう。私はよく、場所を変えたときにホワイトバランスを調整し忘れます。

簡潔に言えば、写真は後処理で調整しなければならないものが多いです。それはスナップ写真の即興的な性質上仕方がないことです。

そこで活躍するのが「Lightroom」や「Photoshop」。もしあなたがプロの写真家になる気がない初心者だとしても、これらのソフトは必要です。後処理こそポップで印象的な写真を撮る秘訣だからです。

でも、予算が足りない...? ならば、無料の類似ソフト

を使ってみるのも手ですよ。

9. RAWフォーマットで撮影する

160723taking_great_candid_8.jpg

写真の後処理をするなら、JPGフォーマットではなく必ずRAWフォーマットで撮影する必要があります。RAWはJPGよりもずっと多くの情報を保持できるので、編集する際に多くの箇所を編集できます。

簡単に言えばJPGよりもRAW写真の方が編集しやすいということです。JPG写真とはカメラによってすでに編集がされた状態です。カメラの設定画面からJPGをRAWに変更するのは簡単です。

RAWの欠点は、1枚の写真に最大25MBの容量を必要とする場合があることです。なので、容量が大きくて速度の速いSDカードを使う必要がありますが、確実にその価値はあります。

大切なのは、自信を持って撮影すること!

恥ずかしがってはなりません。最高の瞬間を切り取るためには、大胆に、タイミングの良いときにいつでも飛び込んでいく図太さが必要です。

これらのアドバイスは皆さんを勇気づけるためにあります。具体的にどうすれば良いか分かった今、練習するかしないかはあなた次第。目的と自信を持って写真撮影をすれば、どれだけ写真が向上するかびっくりすることでしょう。

皆さんはどんなスナップ写真を撮っていますか?ほかにも今回私が見逃した良いアドバイスや賛成できなかったアドバイスがあればぜひコメントで教えてください!

9 Smart Tips for Taking Great Candid Photographs You'll Love | MakeUseOf

Joel Lee(訳:wasabi)

Photo by Shutterstock.