サボテンも、くたっとうなだれてしまうことがあります。知っていましたか?
著者は、サボテンを枯らしてしまうまで、知りませんでした。植物によって、育て方の難易度は異なりますが、何を育てても枯らしてしまう、著者のようなタイプの場合、枯らさないでいられるのは、造花だけです(涙)。そこで、今回は、そんな著者のようなタイプの方に、枯れてしまう理由と、枯らさない方法をお伝えします。
水やりのやり方が間違っている
植物を枯らしてしまう人は「何かが間違っている」と感じる瞬間を知っているはず。植物がうなだれるようになり、黄色がかった茶色になります。これは、多くの場合、水をやりすぎているサインです。でも、これは同時に水不足のサインでもあるそうです。では、そのどちらなのか、どうすれば分かるのでしょうか?HomeGuidesとかんがいをおこなう企業Jainが挙げているポイントを下記にまとめました。
水やりのしすぎ-茎の下の部分がつぶせそうなくらい、柔らかい
-葉の先が茶色になっている
-その植物全体に黄色い茶色があり、落ちてしまう
―表面から5センチ分の土が濡れている
水不足-葉の端がカリカリで、茶色くなっている
-葉っぱが丸まり始めている
-下の葉っぱのほうが、葉っぱの形が悪い
よく近づいて植物を観察してみると、水やりのしすぎか、水不足かが分かります。
水不足なら、解決策は簡単です。水をあげましょう!その助けになるテクノロジーもあります。例えばWaterbug (iOS) やWaterbot (Android)などのアプリを使えば、植物のまわりの環境(時間、場所、日光を浴びる時間)を入れるだけで、それに基づいて水やりが必要なタイミングを教えてくれます。100%確実なタイミングではないですが、もし、水やりがうまくできないなら、これらのアプリは自分の判断より信頼できるはずです。また、室内の植物の土が乾いたときを教えることで、水やりのタイミングを教えてくれるハイドロファーム サースティーライトなどの道具を使うのも手です。
水やりをしすぎたときは、土から植物を出しましょう。ウェブサイトHomeGuidesの記事(英語)では、 順序立てて、すべきことを説明しています。要約すると、水で柔らかくなったり、腐ったりした部分は切り落とし、違う鉢に移し替えましょう、とのことです。
排水について言うなら、多くの植物は充分な排水が必要です。もし、充分に排水できなければ、根腐れを起こします。鉢の下の穴だけでは不十分かもしれません。石や、トレーなどを使って水はけをよくしましょう。よく言われているように、植物の足だけ濡れるようにして、足首は乾かしてあげましょう。
置き場所を間違えている
家に観葉植物を置く場合、光量、気温、湿度の3つに気を配りましょう。
光量については、たいてい、植物を買ったときにタグに書かれているので、それに従いましょう。もしタグについていなかったら、このようなオンラインのデータベース(英語)で調べてください。(訳者注:日本語のサイトではこのウェブサイトやこのウェブサイトに観葉植物の育て方がまとめられています。)
とはいえ、植物に詳しくない人にとっては「弱い光(low light)にしましょう」と書かれても、どういう意味か、はっきり分かりませんよね? ウェブサイトThe Sill によると、影を見てみると良いそうです。
※注 日本の場合は、日当たりの良い場所、明るい日陰、日陰、といった表現で置き場所の指示が書かれていることが多いようです。はっきりとした影ができる=強い光(bright light)
手の影がなんとかわかるくらいの、あいまいな影=中間の光(medium light)
ぎりぎり見えるか見えないかの影=弱い光(low light)
これに加えて、置き場所を考えるときは、方位も考えておくと良いです。
南:最も光量が多いので、窓から離れた室内に置いても、明るい光が入ります。
東:光は早い段階で入らなくなるので、窓の近くに置いたほうが良いです。1メートル程度なら問題ないでしょう。
西:窓際に置いたほうがいいですが、光が入りすぎて熱くなることがあるので、日中はレースのカーテンを閉めておくと良いです。
北:最も光量が少ないので、窓の敷居ぎりぎりの場所に置いておくと、植物は元気に育ちます。
もし、日当たりが悪い家の場合は、ライフハッカーの過去記事で紹介している、日当たりが悪くても育つ5種類の植物を試してみてください。
それから、植物を選ぶうえで、光量から最適の観葉植物を選べるこのフローチャートを使うと、便利です。
次に、気温についてですが、ほとんどの植物は、多くの家の室温である、18~23度で元気に育ちます。ただ、通気口の下や異常に暑くなる窓など、室内でも特別暑くなったり、寒くなったりする場所があるので、気を付けてください。
最後に、湿度についてですが、湿度は水やりの影響を受けます。シダ植物は、お風呂場のような湿気の高い場所でよく育ち、一定の湿度がないと枯れてしまいます。湿度についてはGarden.orgに載っているPlants Databaseで、自分の育てたい植物について調べてみてください。もし、湿気を好む植物を、乾燥した場所に置くなら、2、3日に一度は雨降りのようにたくさん水やりをして、充分な湿気を与えるようにしましょう。
急な環境の変化で、ショックを与えている
環境の変化は、誰にとっても大変なものですが、それは植物にとっても同じです。お店から買ってきてすぐにショベルで穴をあけ、新しい鉢に入れ替え、新しい場所に置く。そんな場合は、わずかな気温の差や日照時間の差だけでも、植物は大きなショックを受けることがあります。
Gardening Know Howの説明によると、ショックを避けるには、根を大切に扱うのが大事だそうです。根っこの部分を丁寧に扱い、できるかぎり多くの根っこ(ほとんどの根っこ)を生かしたままで植え替えをしてください。
2004年にthe Journal of Arboriculture (PDF)に発表された研究によると、砂糖を与えるのも、ショックの緩和に役立つそうです。
この発見により、植物を植え替えてからすぐに砂糖を加えると、根っこが良い形で整い、植え替えのショックから植物が枯れるのを防げることがわかりました。
この研究では、研究者は根っこを砂糖水(砂糖はスーパーで手に入る普通の砂糖)に浸しました。このとき使った砂糖水は、1リットルの水につき25g、50g、70gを入れたものにしました。今度、植え替えの機会があれば、ぜひ砂糖水を与えてみてください。
間違った土を使っている
土は大事です。お店で適当な土を選んで、そこに植えればよい、というわけにはいきません。きちんと花を咲かせたり、種や果実を実らせたいなら、土選びは、さらに重要になってきます。
そこまでこだわらないけれど、室内の観葉植物を緑に保ちたい、という人はProven Winnersの挙げるポイントを参考にしてみてください。
- 鉢に入れる土は軽く、ふわふわとしたものにしましょう
- 鉢に入れる土は、通常の鉢植え用のミックス土にしましょう。
- 蘭のような、特に水はけをよくしておかなければならない植物は、その植物専用の土を使ってください。
こうした基本的なポイントに加え、下記も考慮してください。
ミックスされた土には、通常、土壌の酸性とアルカリ性の値が書かれています。その値は、英語の場合0~14で示されており、中性が7です。このサイトには、室内の観葉植物の主な理想的なpHバランスが書かれています。The Old Farmer's Almanacによると、ほとんどの植物が6.0-7.0の間だと元気です。
土の重さ:土は密度により、軽め、中間、重めの土があります。中間の土は、水をよく含むので、日当たりが良い場所で育てる植物に向いています。軽めの土は、吊るして飾る植物や日陰や直射日光が当たらない場所で育てる時に適しています。重めの土は、庭や木を育てるときに向いています。
有機栽培にするかどうか:HomeGuidesによると、有機培養土は、有機成分がある限り、栄養を供給してくれるそうです。その後、徐々に有機の成分=栄養が足りなくなってきます。有機培養土でない土の場合は、1シーズンに必要な分の肥料が入っています。その後は、肥料を足したくなった時に足してください。
肥料:肥料はなかなか難しい問題です。あげすぎると植物を枯らせてしまう可能性があります。New York Timesの記事(英語)が書いているように、調子が良いときは、肥料を加えないのが一番です。「その植物から新しい芽が出ていたり、花が咲いたり、よく育っているようだったら、調子が良いということなので、無理強いさせないように。」でも、蛍光灯の下で育っている植物の場合は、肥料を使ったほうがよい、とのことです。なお、おすすめの肥料は、20-20-20の液体肥料で、ほとんどの観葉植物に使えるそうです。
土については、もっともっと語れますが、植物を元気にする、という点については、今回ご紹介した基本ルールを心に留めておけば充分です。最後に、植物の状態を知る方法をお伝えします。それは、葉っぱの色を見ることです。このFolia's online plant databaseには、元気な時の葉の色や花の状態を、植物別にアップしてあります。このデータベースを確認しておけば、植物の元気がなくなり始めた時、早めに気づけます。
著者は園芸上手な友達がとてもうらやましいのですが、著者のような園芸があまり上手ではないタイプは、少なくとも、何か問題が起こったら、今回ご紹介した方法で枯らせてしまう前に問題解決して、枯らさないようにしていきましょう!
Kristin Wong(原文/訳:曽我美穂)
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