ギズモード・ジャパンより転載:食っていけるYouTuberなんて、ひと握りだけ...。

だれでも動画が投稿できるのみならず、どんどんとプロフェッショナルな人気チャンネルも充実してきているYouTube。もはやこの横文字を知らない人なんていないといってもいいくらい、すっかりインターネット上のメジャーサービスとして市民権を得ていますよね。

肝心のGoogleは、YouTubeについての公式なデータをあまり提供していません。しかしながら、このほどBernstein ResearchのアナリストのCarlos Kirjner氏は、1000万件のYouTube動画などの分析を進め、初の詳細な実態予測を公表。2016年第1四半期(1~3月期)の時点で、YouTubeには18億3000万から21億5000万の動画がアップされているとのデータを発表しました。

仮にYouTubeに約20億もの動画が公開されているとしましょう。その全動画の再生には118億分ないしは1億9700万時間がかかると見積もられていますよ! なんだか数字がデカすぎて想像しづらいですけど、これは286人のアメリカ人が生まれてから平均寿命で死ぬまで一睡もせずにYouTube動画を見続けて、ようやく見こなせる量に値するんだとか。YouTubeにアップされている動画を見尽くすだなんて、絶対にだれにもできないということですよね~。

Kirjner氏はこの発表データにより「これほど動画コレクションが充実し、全世界に多大のユーザーを抱えるYouTubeのブランド価値は計り知れない」と指摘。もっと今後は多くの企業が、YouTubeでの広告戦略に重きを置いてくるであろうとの見通しです。Facebookが動画視聴ユーザーを増やしてきてはいるものの、YouTubeのライブラリにはクオリティもラインナップもはるかにおよばず、現時点でYouTubeからユーザーが急速に離れていく展開は考えにくいとの見解を明らかにしています。

とはいえ、今回の発表データのなかには、YouTubeの視聴の偏りについて、やや気になる指摘もあります。それは、動画の数こそ膨大であるものの、実際の再生回数の93%は、YouTube上の1%の動画に集中。また、同じく実際の視聴時間の94%は、やはりYouTube上の1%の動画に偏っているというデータです。つまり、YouTubeにアップされている99%の動画は、ほとんど再生されることも視聴されることもなく終わってしまっているということ! 皆に見てもらえる人気動画の公開なんて、かなり狭き門であることも現実のようですね。

source: Barrons via Music Ally

(湯木進悟)

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