Inc:もう寝る時刻だというのに、あと2時間はかかる仕事がまだ残っているというとき、夜更かしして仕事を終わらせるべきでしょうか? それとも、明日の仕事は増えてしまうけれども今日はここで切り上げてしまうべきでしょうか?

あと1~2時間の仕事なら、就寝時刻を遅らせてでも今日中に終えてしまいたくなるものです。しかし、睡眠時間をほんの数時間削ったために、翌日に大きな影響が出てしまうことがあるのです。

本当に生産的な人は早寝の習慣を守っています。その理由は次の7つです。

1. 疲れていては学んだことを記憶できない

睡眠の質と量は、新しいことを学ぶ能力に大きく影響します。睡眠不足は集中力や注意力、記憶力を低下させます。その結果、作業を何度もやり直さなければならなかったり、ケアレスミスを犯しやすくなったりします。

2. 疲労は情緒を不安定にする

寝不足のためにイライラしたり気分屋になったりすることが研究で明らかになっています。睡眠をおろそかにしつづけると、不安障害やうつなど、より深刻な精神障害を引き起こす恐れもあります。

3. 睡眠不足は判断力を鈍らせる

寝不足は、正しい判断を下す力をぐっと低下させます。2007年にSleep誌で発表された論文で、睡眠不足によって道徳的な判断力が損なわれることが証明されています。被験者に十分な睡眠を取らせないようにして、道徳的なジレンマに関する課題を与えたところ、反応時間がずっと遅くなってしまったのです。

4. 睡眠不足は事故のリスクを高める

ハーバード大学医学大学院の研究で、不眠症が原因の労災事故や過失は年間27万4,000件にものぼると報告されています。このために雇用側には年間3兆円ものコストがかかっていると言われます。

睡眠不足は、私たちの運動能力から反応時間にいたるまで、あらゆるものに悪影響を及ぼします。睡眠時間を数時間削ったために、階段から落ちたり、フォークリフトを誤ってぶつけたりして、自分自身はもちろんのこと、雇い主にも大きな時間的・経済的損失という代償を負わせることになりかねません。

5. 休息が不十分だと健康が失われる

睡眠不足は心臓病、肥満性高血圧、発作、糖尿病などさまざまな健康問題に関連しています。感染症を防ぐための抗体もまた、十分な睡眠をとれないと減少してしまいます。言い換えれば、免疫機能が低下し、病気にかかるリスクが高まるのです。睡眠が不十分だと寿命が縮まることさえあります。

6. 眠気により効率が大幅に落ちる

睡眠が足りないと、体はその場にいても、精神面は100%とはいきません。十分な睡眠をとっていない人々は、生産性が落ちるために年間約11.3日分の損失を与えていると推定する研究も報告されています。

7. 疲労はストレスに打ち勝つ力を低下させる

睡眠不足によって精神力が奪われ、ストレスを感じる出来事を乗り越える能力が低下します。ほんの数時間でも睡眠が短くなると、困難な状況に打ち勝つ能力が下がってしまうことが研究で明らかになっています。

適切な睡眠をとりましょう。ごくたまになら、1、2日夜更かししてもすぐに元のリズムを取り戻すことができるでしょうが、それが習慣となってしまうと寝不足を取り戻せなくなってしまいます。心身ともに絶好調を保ちたいのであれば、毎晩7~8時間の睡眠を確保しましょう。

7 Reasons Productive People Go to Bed Early|Inc.

Amy Morin(訳:コニャック

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