2016年3月22日午前2時(日本時間)、Appleの発表会が行われました。発表の内容を簡単にまとめると以下の通りです。
iPhone SEは6sに近い性能なのに3万4000円安い

噂になっていたiPhone SEも正式に発表され、前評判通りの製品であることがわかりました。しかし、値段が52800円(税別)から。iPhone 6sと比べて3万4000円、iPhone 6でも2万2000円安くなっているのが驚きです。比較的低価格の製品が発売されるのはiPhone 5c以来になります。
見た目はiPhone 5sほぼそのままで、ディスプレイは4インチ。iPhone 6以降はポケットからはみ出やすい大きさだったので、「スマートフォンは小さいほうがいい」という人には嬉しい限りでしょう。
基本的なパフォーマンスはiPhone 6sと同等です。CPUはA9チップに、12メガピクセルのiSightカメラを搭載し、4K動画やLive Photoの撮影が可能。
とはいえ、完全に同じ性能ではなく、ディスプレイの解像度はiPhone 6sの1920x1080ピクセルに対して、1136x640ピクセルと低くなっており、ディスプレイがデュアルドメインピクセルに対応していないため、斜めからのぞきこんだときにやや見にくいでしょう。3D Touchにも対応していないので、「小型化し3D TouchのないiPhone 6s」と言っていいと思います。
ローズゴールド、シルバー、ゴールド、スペースグレイの4色。予約開始日は2016年3月24日、発売日は2016年3月31日です。
iPad Pro(9.7インチ)はディスプレイの見やすさで12.7インチに勝る?

9.7インチサイズの小型iPad Proも正式に発表になりました。Apple Pencilに対応し、SmartKeyboardは専用のものが発売されます。色はシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールド。予約開始日は2016年3月24日、発売は2016年3月31日です。
昨年11月末に発売された12.7インチのiPad Proと比べると、サイズが小さくなったにも関わらず、カメラやディスプレイの性能が向上しているのが印象的でした。
カメラはiPhone 6sやSEと同様に12メガピクセルで4K動画・Live Photo撮影に対応しています。12.7インチ版は8メガピクセルで、4K動画の再生には対応しているものの、撮影はできないため、単純に強化されています。
ディスプレイも反射が40%低減され、25%明るくなり、True Toneディスプレイに対応して発色が強化されました。解像度のみ12.7インチ版に劣りますが、iPad Proの利用シーンとしては動画再生やウェブサイトの閲覧が大きなウェイトを占めると思われるため、総合的に見てかなりの強化ではないでしょうか。
価格も6万6800円(32GB、Wi-Fiモデル、税別)からとなっており、12.7インチ版が9万4800円(32GB、Wi-Fiモデル、税別)からなのに比べると、格段に買いやすくなっています。
Apple Watchが6000円値下げ。「ウーブナイロンバンド」も4色発売

ナイロン製のアームバンド4色(ピンク、スキューバブルー、ゴールド/レッド、ブラック)が発表されましたが、それよりも「Apple Watchを値下げする」というティム・クック氏の発言のほうにインパクトがありました。32mmケースのスポーツモデルが3万6800円に、42mmケースモデルは4万8800円になります。値下げ幅は6000円ですね。
時間帯に合わせてディスプレイの色が変わる 「Night Shift」がiOS 9.3の目玉機能

iOS 9.3も2016年3月22日未明にリリースされました。
夜にディスプレイの色調を調整し睡眠に悪影響を及ぼさないようにする脱獄アプリ『f.lux』が公開停止になりましたが、iOS 9.3にこれと同じNight Shiftという機能が実装されます。スマートフォンやタブレットを夜のプライベートタイムにも利用するという人は多いでしょうから、こういった機能がiOSに組み込まれて普通に使えるようになるのは助かりますね。
ほかにも、『メモ』にパスワードロック機能や、『Health』に入力された情報からオススメの健康改善アプリを提案してくれる機能が追加されたりします。
Apple TV OSも機能強化
Apple TVについても、Siriによる検索機能やサジェスチョン機能が強化されます。こちらも2016年3月22日のApple TV OSアップデートによって実装されます。
今回の発表は約1時間ほどで、簡潔な内容でしたが、Appleが価格を意識したラインナップを提示してきたのがとても印象的でした。iPhoneもiPadも高価格化が進み、新製品を購入するのがためらわれるような状況だったと思いますが、今回のラインナップはそんな状況を変えてくれるようなものばかりだと感じました。
(神山拓生)