2009年5月11日公開記事を、編集・修正して再掲載します。
アメリカのローカルニュースサイト「examiner.com」に、猫のことも考えた防災対策と題した5つのTipsが掲載されていました。ライターのMelissa Kruseさんが住むシアトルも、新型インフルエンザに対する不安が広がっているようです。自宅にペットがいる家では「もし万が一インフルエンザに罹患して、病院に隔離されてしまったら、飼い猫はどうなるのだろう?」という心配も。インフルエンザだけじゃなく、大地震のような天災時にも同じ悩みはつきまといますよね。
以下にて、猫と暮らす方への不安を減らしてくれるヒントをご紹介します。
1. 玄関のドアに、猫が居ることを示すステッカーを貼る
玄関や外の道路に面したガラス窓の近くなどに、「ペットが居ます」と知らせるシールやステッカーを貼っておきましょう。犬だったら、狂犬病の予防接種を受けると自治体から発行されるおなじみ「犬シール」がありますが、猫はあんまり見ませんね。もしこれがあれば、屋内に人間やペットが閉じこめられた場合、救助隊員に「ペットも中にいるかもしれない」と伝えることができます。表札に家族の名前を入れるのと一緒に、ペットの名前を入れたりしておくのも、普段からペットがいることを周囲に示しておく手としてありですね。Melissaさんは「ペットの種類と数」に加えて「かかりつけの獣医師の連絡先と飼い主の名前」も書いておくことを勧めています。
2. 災害時に猫も避難できる場所を確保しておく
避難場所にペットを連れて行けなくても、倒壊したり水浸しになったりした家に、猫を放棄しておくことは避けましょう。水浸しの家に置いておくなんて「川に投げ込まれて暗殺されたラスプーチンよりも可哀想なこと!」と、Melissaさん。災害時の緊急避難場所に、猫と一緒に避難できるとは限りません。前もって、獣医さんや地域で保護活動をしている団体の連絡先を調べておき、緊急事態の猫の避難場所を確保しておきましょう。友達や家族に、もしもの時に頼めるよう話しておくのもいいでしょう。
3. 猫用の非常食や消耗品をストックしておく
人間と同様、食べるものとトイレの確保はとても重要。缶詰やドライフード、ペット用のボトルウォーター(人間用のミネラルウォーターは硬度が高いので不向き)、トイレ砂などは2週間分のストックを、普段から確保しておきましょう。非常袋に一緒に詰めておくといいでしょう。
4. 猫の一時的な預け先も確保しておく
冒頭に書いたような、新型インフルエンザで病院に隔離されるような事態では、猫と一緒にいることはさすがにできません。離ればなれにならざるを得ない状況は多くはないでしょうが、突然来ることが予想されます。そんなときに、信頼して預けられる人をピックアップしておきましょう。近所ならなお可。猫好きのお隣さんだったり、近所の友人だったり、かかりつけの獣医さんだったり、人間的な信頼もさることながら、猫と預ける人(または預け先にいる猫)との相性も分かっていればベターですね。
5. マイクロチップを埋め込んでおく
マイクロチップとはいわば「電子迷子札」。電子チップにIDナンバーや飼い主情報(氏名、住所、電話番号など)とペットの情報(名前、種類、毛色、性別など)を記録して、ペットの体内に埋め込むもの。万が一飼い主と離ればなれになってしまっても、チップの情報を読み取れば、個体識別ができます。首輪は案外外れたり切れたりしやすいので、名前や連絡先を書いた首輪をつけておくだけより、格段に再発見の可能性が高くなります。
マイプロチップの埋め込みは動物病院でやってくれます。一般的な費用は数千円程度のようです。最近では、横浜市のように埋め込み費用を助成してくれる自治体もありますので、病院に申し込む前に保健所や自治体に問い合わせてみましょう。
(常山剛)
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