復活祭(イースター)を前に、イエス・キリストの受難に思いを馳せて自分の生活を節制する時期とされる「四旬節」が、2016年は2月10日から始まりました。カトリックの人、あるいは1年に一度くらいは何かを断ってみようと考えているストイックな人は、イースター前日までの40日間(日曜日を除く)、甘いものを摂らない生活をしてみませんか。この記事では、長期にわたって砂糖を控えると、脳にどんな変化があるのかをご紹介しましょう。

科学サイト「The Conversation」に、砂糖依存という概念について考察し、砂糖を断ったときに私たちの体に何が起きるのかを調べた記事が掲載されました。私たちの食事には、ある程度の糖分が自然に含まれていますし、人類が大昔から食べている果物にも糖分は存在します。とは言え、現代人はそれ以上に砂糖を大量に摂取しています。あなたも気がつかないうちに、砂糖に過度に依存する生活を送っているかもしれません。宗教的な理由であれ、科学的な判断であれ、40日間にわたって砂糖を断つと、予想外の結果が生じることが明らかになっています。

砂糖がほしくてたまらない気持ちや副作用が収まるまでどのくらいかかるのかと、気がかりな人もいるでしょう。これには正確な答えはありません。人によって「症状」の出方は違いますし、この件については人間を対象にした研究は行われていません。

しかし、実際にアンドリューさんが40日間の砂糖断ちを経てはっきりしたのは、アンドリューさんが最悪の時期を脱し、これまでの生活で病的になっていたドーパミンシグナル伝達をある程度は健康な状態に戻せたということです。「(砂糖断ち終了後に)初めて甘いものを食べたときは、甘すぎると感じました。自分の甘さに対する耐性を再構築する必要がありました」とアンドリューさんは振り返っています。

砂糖を断ったあとに再び甘いものを食べ始めると、ごく少量の砂糖を摂取しただけで甘すぎると感じるかもしれません。もっと極端な例になると、禁断症状に似た兆候が現れる可能性すらあります(ただしこれは、マウスを対象とした研究の結果が、人間にも当てはまるとした場合の話です)。

Here's what happens to your brain when you give up sugar for Lent | The Conversation via IFL Science

Eric Ravenscraft(原文/訳:ガリレオ)

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