鋳鉄製のフライパン、スキレット。テフロンなどがコーティングされていない昔ながらの道具ですが、それゆえラフな扱いもへっちゃら。一般的なフライパンに比べて保持できる熱量が桁違いに大きいのが一番の特徴です。

スキレットというと米LODGE社のものが有名ですが、今回紹介するのは、パール金属アウトドア部門の運営する、キャプテンスタッグのスキレットです。

頂点を目指そうとするあまり、保守的な発想へ傾きかけたり、造作にこだわりすぎて価格的に手が届かなくなってしまっては、存在する意味がない

キャプテンスタッグには上記の理念があり、価格設定は低め。一方でスキレットの能力の決め手となる重量は、他ブランドにもひけをとりません。

フライパンとの違いが実感できるのが野菜炒めです。通常、野菜から出た水分はフライパンから熱を奪い、蒸発しきれなかった水分で野菜がべちゃべちゃになります。スキレットなら、莫大な熱量で即座に水分が蒸発するので、歯ごたえがしっかり残ります。

食パンを焼くのもおすすめ。グリルのようにガス燃焼による水蒸気が触れることなく、トースターと違い面による加熱なので表面全体がカリッと、でも中はふっくらに。割り開くと湯気が立ち上ります。

別売りのフタを組み合わせると、おいしい蒸し野菜もかんたん。フタとスキレットを熱しつつ野菜をざっくり切り、フタまで熱がまわったら野菜を投入、あとは待つだけ。混ぜる必要もありません。底で少し焦げた野菜の香りが全体に行き渡りなんとも香ばしく、野菜自身の甘さに驚くこと間違いなし。他の調理方法ではなかなか味わえません。

なんといっても保持できる熱量が桁違いに大きいので、ブロック肉やハンバーグにもいい焦げ目がつきますから、ローストビーフなんかも気軽に作れます。

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ただし、表目に油の薄い膜を焼き付け、油馴染みをよくする「シーズニング」と呼ばれる作業は自分でする必要があります。手間はあるものの、それも楽しみの一つ。そしてこの価格で一生ものとして使えます。

ダッチオーブン&スキレット|CAPTAINSTAG

(西村おきな)