Google Flights」は、かなり使える旅行予約ツールです。最安値の航空運賃を探したり、お金と時間をもっとも節約できる日程を探したり、といった基本的機能はもうご存知かもしれません。でもそのほかにも、あまり知られていない、旅行予算を最大限に活かす機能があるのです。

どこに行きたいかは決まっているが、いつ行くかが決まっていない、という場合を例に取りましょう。ハワイでマイタイをすすりたいけれど、ハイシーズンの航空券に800ドル以上費やすのはちょっと......。そんな場合、チケットの平均運賃がもっとも安い月を調べることなら普通にできます。これらの見積もりは、大体において正確ですが、いざチケットを予約する段階になったら、実際の運賃は少々違う可能性もあります。

そこで、Google Flightsに行き先(空港)と適当な日付を入力し、日付をクリック、「変更可能な日付」を選んでみましょう。月別の実際の運賃が表示され、比較することができるのです。 さらに「料金グラフ」を表示させれば、運賃の全体像をより視覚的に見ることができます。またグラフ表示のほうが、一定期間をより広範囲に一目で見ることができるので、検索しやすいでしょう。

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ではハワイの例に戻ります。5月から8月の運賃がとても高いようですね(東京→ホノルルの場合)。したがって、少しでもお金を節約し(また観光客による混雑を避け)たければ、その期間は避けるべきです。代わりに9月か10月に行く予定を立てるのが良いのではないでしょうか。それにハワイなら、その時期でも気候の良さは変わりませんし、むしろその時期のほうが、ひどい暑さを避けられるでしょう。

特定の月に格安で行ける場所を探す

次は、行く時期は決まっているが、目的地が決まっていない場合の使い方です。休暇が取れる月が5月と決まっていて、その時に2~3週間どこかへ行きたい――とてつもないお金を使わずに――というようなときです。

Google Flightsは、最近になって、 月と期間に基づいて目的地を探せるツールをリリースしました。「目的地を探す」のウィンドウに行き、「日程」には特定の日付を入れずに、月と、「週末」「1週間」「2週間」といった期間を選択します。

すると、このツールは、人気のある都市と運賃を自動表示してくれるのです。「地域」(北アメリカ、アジア、オセアニア等)や「興味・関心」(「新婚旅行」「食品」「冒険」「野生動物」など)を指定して絞り込むこともできます。たとえば、北米で食べ歩きの旅をしたければ、運賃があまり高くなく、1日中食べ歩ける都市が抽出されます。

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この機能は、「地図」バージョンで見るのも楽しいものです。「地図」を出すには、目的地をクリックし、「フライトを表示」をクリックします。すると、下のような航空運賃の検索結果画面が出ます。その画面の地図のスニペットに「目的地を見る」とあるので、そこをクリックすると、目的地までの地図と、航空運賃が表示されます。これはKayakのExploreツールに似ています。その後日付を変更することで、運賃の変動を見ることができますし、大体の予算を見ることさえできます。

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また、Google Flightsのホームページから直接「地図で探す」に行くこともできます。ホームページの地図をクリックするか、左上のオプションメニューで「地図で探す」を選択してください。

冒険したい気分であれば、「地図で探す」画面で出発地と日程だけを入れ、左上にある「アイム・フィーリング・ラッキー」をクリックすれば、Google が、あなたの検索履歴やトレンドに基づいた目的地を選んでくれます。

フライトの運賃変更通知を受け取る

どこへ行くのであれ、フライトの運賃は、できるだけ早くからチェックし始めるのが賢明です。同じフライトでも運賃はかなり変動するので、お得な運賃が出たらすばやくゲットしたいものです。

CheapAir.com」のデータによれば、チケットの最安値を見つけるのに最適な時期は、54日前だそうです。利用したい便を十分前もってチェックし始め、そのあたりになったら、特に気をつけて見るようにしましょう。Google Flightsでは、あなたの旅行プランを保存できるので、その作業が楽になります。

いつも通りにフライトを探し、都合が良さそうな「往路フライト」と「復路フライト」を選びます。そして下のほうにある「この旅行プランを保存」をクリックしてください。Google Flightsがあなたの保存したすべての旅行プランをまとめて保存し、それであなたは、運賃の変動を毎日見ることができます。また運賃の変更の通知をGoogle Nowで受け取ることもできます。

私自身もこの機能を使って節約することができました。日本への旅行を計画したときは、フライトの日にちや時間、飛行場などによって異なる数パターンの旅行プランを保存しました。旅行の日まで、ほぼ毎週、運賃の変動をチェックし、もっとも安いものを選びました。

休暇の目的地を地域から探す

目的地を、地域から探すのも楽しいものです。たとえば、アジアに行きたいことは決まっているが、どこにするか決まっていない場合、「場所」の所でアジアを選び、「日程」で旅行したい月を選べば、Google Flightsが、その地域の都市を、運賃と共に表示してくれます。

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この機能は、複数の都市を訪れる予定で、どの都市に飛ぶのが一番安いかを調べたいときも便利です。たとえばイギリスに行く計画があり、グラスゴー、カーディフ、ロンドンを訪れるとします。イギリス国内の都市間の移動は簡単ですが、国際線でどの都市に飛ぶかによって、運賃がかなり節約できるので、そのために最初の到着地を決め、そこから旅行プランを組み立てましょう。

「隠れた」乗り継ぎ地を検索する

私のお気に入りのGoogle Flights活用法の1つが、「隠れた」乗り継ぎ地の検索です。これはつまり、乗り継ぎの待ち時間が長いフライトを、あえて探すということです。そうすることで、目的地に行く途中の別の都市を楽しむことができるのです。おまけのバケーションと言ってもいいでしょう!

それをするには、まず、通常通りのフライト検索をします。次に「その他」のタブをクリックすると、「乗り継ぎ空港」のリストが出てくるので、そこから好きな所を選んだり、外したりします。すべてを検索したいなら「乗継地指定なし」を選択します。そして必ず「飛行時間指定なし」を選択してください。そして「飛行時間が長い、または料金の高い~件のフライトを表示」をクリックします。こうすることで、乗り継ぎ待ちのもっとも長いフライトが表示されます。通常、飛行時間が長いということは、その分待ち時間が長いということです。

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乗り継ぎ待ちは、さほど長くありませんが(長くても8~9時間)、行ってみたかった都市をちょっと見るには十分な時間です。私は最近、ノースカロライナに行った際にこの裏ワザを使いました。それでヒューストンの両親と数時間のランチを取ることができたのです。中継地点にもっと長くとどまりたい場合は、最初から「複数都市」で検索したほうが良いでしょう(ただし、これは乗り継ぎ待ちを利用するということではなく、その都市へのフライトを別途に購入するということになります)。

一応お伝えしておきますが、これは、「Skiplagged」や「CleverLayover」といったサイトと基本的に同じ機能です。しかし、Google が表示するフライトは、本当の意味での接続便(離着陸スケジュールを合わせただけではない)なので、フライトの遅れやキャンセルなどが発生した場合の対処法の選択肢も多いでしょう。

航空会社のマイレージを最大限に活用する

マイレージをよく利用する人なら、この機能を気に入ってもらえるはすです。Google は最近、航空会社のマイレージ利用者の検索を容易にするツールを加えました。「航空会社」のタブをクリックすると、特定の航空会社やアライアンスのフライトに絞り込むことができます。アライアンスというのは、基本的に、加盟各社間でマイレージの相互利用ができるネットワーキング・プログラムです。これによって、ユナイテッドのマイレージプラスの会員なら、「航空会社」タブで、ユナイテッドが加盟している「Star Alliance」を選べば、スターアライアンス・ネットワークのフライトだけが表示されるのです。スターアライアンスに加盟している航空会社を利用すれば、ユナイテッドのマイレージとして加算されます(またはユナイテッドのマイレージを使うこともできます)。

Google Flights の新機能によって、旅行プランを考えたり計画したりするのが非常に楽になりました。旅行プランを最適化する、便利なツールやサービスは、ほかにもたくさんありますが、Google Flightsは、そうした楽しい機能をワンストップで利用させてくれるのです。

Kristin Wong(原文/訳:和田美樹)

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