寝たいときに寝て、起きたいときに起きる──そんな自由気ままな生活ができればいいのに...。

誰もが一度は憧れたことがあるであろう、そんな夢のような生活を送っている人がいます。"京都大学卒業の肩書を持つニート"としてネットを中心に一躍話題になり、『持たない幸福論』『しないことリスト』などの著書を発表しているphaさんです。

会社員経験を経て、長年ニートとして生き抜いてきたphaさんに運営するシェアハウス「ギークハウスとしまえん」(現在は台東区「ギークハウスZERO」へお引越し)へお邪魔し、お話をうかがいました。

睡眠専門メディア「Fuminners(フミナーズ)」の記事より抜粋してご紹介します。

会社を辞めた理由は、「睡眠時間がとれなかったから」

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phaさんがニートデビューを果たしたのは2007年。大学卒業後に、「暇そうな会社だったから」という理由で選んで就職した会社を3年間でドロップアウトし、現在の生活へ移行しました。

とにかく朝決まった時間に起きて出社しなければいけないのがつらかったんです。もともと睡眠時間が少ないと心身ともに調子が悪くなってしまう体質で、さらに寝つきもよくなくて。最低でも8時間は寝たいので、23時ごろに布団に入るのですが、夜中の3時ごろまで寝つけないことも少なくありませんでした。それでも朝7時ごろには起きなければいけないので、睡眠時間が全然足りなかったんです。

そうした睡眠不足のストレスから、会社員だった当時は毎日「1日中最悪の気分で過ごしていた」とか。そんなphaさんの背中を押してくれたのは、インターネットの存在だったといいます。

昔からネットが好きで、趣味の延長でサイトを作っていたのですが、いくつかのサイトで少しずつお金が稼げるようになってきたんですね。そこで、ネットがあれば暮らしていくには困らなさそうだし、孤独にもならないだろう、というのがなんとなく見えたので、会社を辞めました。...いや、こういうとすごく計算していたように思われそうですが、「まあ、なんとかなるだろう」という楽観的な気持ちでしたね。

ニートになってよかったことは、やはり「眠りたいだけ眠れること」。

会社員時代よりすこぶる調子はいいですね。毎日8~10時間程度、よく寝られているからだと思います。僕の場合、寝るのが一番の健康法なんです。

いわく、「睡眠は、お金のかからない最高の娯楽」だとか。

ニートとしてサバイバルするために必要なのは、仲間

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ブログや著書で注目を集め、「スーパーニート」として活躍をするようになってからも、phaさんの年収は100万円前後からあまり変化はないそう。もっと欲を出そうと思えば稼げるのでは? と思いますが、そのつもりはないのだとか。

最低限のお金さえあればいいかなと。自分にとって大事なのは、お金よりも時間と気力なんですよね。たぶん僕は、活動量のキャパシティが人に比べてすごく小さいんだと思うんです。なので、すぐ気力がゼロになってしまう。気力に余裕を保った状態がベストコンディションなので、それを最優先にしていますね。

そしてもうひとつ、大事なものが「仲間」の存在。

人間、完全に引きこもって孤立してしまうとしんどくなっていきます。今ニートが何で稼げるか、ということも、自分1人で考えるより周りの人から教えてもらったほうが選択肢は広がります。ニートとして生きていくのなら、サバイバル術をいろいろ教えてくれる「ニート先輩」をつくるのもいいと思いますね。

今現在、頼れる仲間がいないという人は、「何か趣味のつながりから知り合いをつくってみてはどうでしょうか?」と、アドバイスが。

僕自身、ネットが趣味の人同士が集まれる"ギークハウス"をつくりましたが、ニートにもいろんなやり方があると思うんですよね。古本を転売する人もいるし、山奥に住む人もいるし、東南アジアを放浪している人もいる。いろんな先輩を見て、自分にも真似できそうなロールモデルを探すのがいいと思います。

その一方で、phaさんは「本当はもうニートじゃないんですよね」とも述べています。35歳を超え、収入もあり、総務省の「ニート」の定義から外れてしまったのです。しかし、ブレずに「ある活動」に力を入れているのだそう。詳細は下記のリンクよりご確認ください。

「たくさん寝たかったので、会社を辞めました」 phaさんに聞くニートの睡眠事情 | Fuminners

(ライフハッカー[日本版]編集部)