AppleのiOS 9.3には、役に立つ面白い新機能がいくつか搭載されています。時間帯によって画面の色温度が調節される『F.lux』風の機能や、メモのパスワード保護、新しいショートカットなどさまざまです。Appleは小数点以下の追加アップグレードで大きな変更を行うことはめったにないのですが、今回は違います。
iOS 9.3のベータ版が1月14日に公開されました。正式リリースまでにいくつか修正が加えられるのは確実ですが、iOS 9.3はかなり良いものになりそうです(でも、早くから噂されている、不要なアプリを非表示にする新機能は、期待とは異なるものになりそうです)。正式リリースがいつになるかはまだわかりませんが、ベータ版が公開されて、サインアップすれば誰でもダウンロードできるようになりましたので、公開された新機能のうち、めぼしいものをざっと見てみましょう。
「Night Shift」でF.luxのように画面の色温度を調節する

Night Shiftは間違いなく、iOS 9.3最大の新機能です。この機能は、夜になるとブルーライトを軽減してオレンジ色を強め、画面を暖かみのある色合いに変えてブルーライトを浴びる量を減らしてくれます。暖かみのある色だと眠りに入りやすくなると言われています。夕方や自分の好きな時間に自動的にオンになるよう設定することができるので、「設定」>「画面表示と明るさ」と進んでください。事実上のiOSデバイス版F.luxと言えるもので、脱獄済みiPhones向けにF.luxが公開されて以来、ユーザーが待ち望んでいたものです。
メモをパスワードで保護できる

『Notes』のメモをパスワード、あるいはTouch IDで保護できるようになります。有効にするには、「設定」>「メモ」>「パスワード保護」と進みます。次にNotesでメモを開き、共有アイコンを選んで、「パスワードで保護されたメモ」を選びます。設定で、メモを編集日、作成日またはタイトルによってソートするよう選択することも可能です。
標準アプリで新たに3D Touchショートカット対応

3D TouchがさまざまなApple標準アプリに追加されました。最も注目すべきは、上のスクリーンショットの通り、「設定」「ヘルスケア」「コンパス」です。標準アプリにも新たに検索オプションが、「App Store」にも新しいオプションがいくつか加わりました。それぞれのアプリには独自の新しいショートカットが備わっていて、良く使われる機能がすぐに使用できるようになっているので、アプリを開く必要がありません。
『News』がおススメ機能を強化し、ジェスチャーを追加

今回のアップデートで、Newsに小さな機能がいくつか加わりました。例えば、ストーリーキュレーション(つまり、Appleがユーザーの好みそうな優れた情報を数多く提供すること)が改善されたほか、ランドスケープモードが登場しました。また、情報の保存や共有、記事への「like」「dislike」表示のためのスワイプジェスチャーと、チャンネルをミュートならびにブロックするためのジェスチャーも加わっています(ただ、残念ながら日本語ではNewsのサービスはまだ始まっていません)。
「Live Photo」を普通の写真として保存できる

iOS 9.3では、『写真』アプリ内の写真を簡単に複製できます。手の込んだLive Photoを普通の写真に変えて共有できるので便利です。Live Photoを1点選び、共有アイコンをタップして「Duplicate(複製)」を選んでください。あとは、「Duplicate as Still Photo(静止画像として複製する)」を選択すると普通の写真に変わります。
「Wi-Fi Assist」でデータ使用量がわかる

悪名高いWi-Fi Assist機能がiOS 9.3ではほんの少しアップグレードされます。この機能は、Wi-Fi電波が弱い時に、携帯電話のデータ通信に自動的に切り替えるもので、知らないうちにデータ通信の利用枠を使ってしまいます。筆者は確認できませんが、「Gizmodo」によれば、この機能でどのくらいのデータ通信が行われたかが、これからはわかるようになるそうです。
『iBooks』のPDFを「iCloud」で同期する

iBooksが多少、レベルアップします。Appleストアで購入した本だけでなく、PDFファイルなど、以前はiCloudでサポートされていなかったファイルの同期がやっと可能になるからです。iOS 9.3にアップグレードした後にiBooksを開くとまず、この機能を使用可能にするオプションが表示されます。
『ヘルスケア』がお役立ちアプリを紹介してくれる

iPhoneとペアリングしているApple Watchをお持ちなら、ヘルスケアアプリのメインページに「ムーブメント」「エクササイズ」「スタンド時間」などを示す特別な画面が表示されるようになります。さらに嬉しいことに、アプリが追跡しているさまざまな健康データセクションのいずれかを詳しく見てみると、そのデータをさらに追跡・分析するためのアプリが提示されるのです。
学生向けiPadに『Classroom』アプリとApple IDの管理機能が加わる

iOS 9.3では、iPadに教育現場向けの新しい機能がいくつか加わりました。その中には、愛用者が以前から熱望していた、ユーザーアカウント切り替え機能が含まれています。この機能があれば、学生は新たな個別の学生向けAppleIDを使ってほかのiPadでもサインオンできますし、教師も新しい指導用アプリで授業を行えるようになります。アカウント切り替えが通常のAppleIDでも可能になると嬉しいのですが、現在のところは教育アカウントに限られるようです。
Thorin Klosowski(原文/訳:松田貴美子/ガリレオ)