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私たちがいちばんハッピーな時間は、土曜日の午後7時26分である。

そんな調査結果が出ています。7時26分という具体的な数値は別としても、週末のほうがハッピーという人は多いのではないでしょうか。

ロチェスター大学の研究では、収入や労働時間、職種を問わず、土曜日と日曜日がいちばんハッピーであるという結果が出ています。

スタンフォード大学の研究によると、失業中の人でさえも、週末のほうがハッピーに感じるそうです。

つまり、どんな人生を送っていても、人は「ウィークエンド・ハピネス」を感じる傾向があるようです。

仕事が大好きなうえに、自分の裁量で働くスケジュールを決められる筆者でさえ、週末はストレスが少ないことを自覚しています。そこで、こんな疑問を持つに至ったのです。

水曜日と土曜日は何が違うんだろう?

幸せに関する実験

週末がもたらすポジティブな感情の理解を深めるために、実験をすることに決めました。実験対象は、自分自身です。

ストレスと幸せの発生源を突き止めることができれば、平日と週末の違いを理解できるのではないかと考えました。

そこで、ハッピーとストレスのパターンを知るために、10日間にわたり以下の情報を記録することにしたのです。

  1. 食べたもの/飲んだもの
  2. 睡眠時間
  3. 大きなイベント(パーティ、友人とのディナーなど)

さらに、毎日次の情報も記録しました。

  • 1日の終わりに、その日に感じたことを1,2行で
  • その日の満足度を10点満点で評価

当初はもっと長い期間続けるつもりでしたが、10日後には、すでに明確なパターンが見えてきたのです。

こちらのスライドが、記録をまとめたものです(英語)。

最初に驚いたのは、日々の評価が、最高でも8点だったこと。

10日間を平均すると、6.6点でした。つまり、平均的な日々よりはちょっといいということでしょうか。

これを見たとき、自分の生き方を考えさせられました。人生にはたくさんのいいことが起こっているのに、それらを当たり前のことと感じている自分に気がついたのです。

安定した愛すべき家族のもとに生まれ、学ぶ機会を与えてもらったことは、私にとって幸運でした。

それに、この10年間、好きなことを仕事にして、生計を得ることができています。

望み通りの生活を手にしているのに、なぜ毎日が10点満点ではないのだろう。

日々の満足度を下げている理由は、自分でもわかりました。そして、記録を見るかぎり、それは平日に起こっているようでした。

平日の満足度の平均と週末のそれを比べると、こうなります。

  • 平日(月〜金):6.4点
  • 週末(土・日):7.5点

不満の根源を突き止めるために、日々の記録を詳細に見てみました。私は何にハッピーを感じ、何にストレスを感じるのか。

幸せの要因

  • 仕事の要求が低い
  • 他人からのストレスが低い
  • 十分な睡眠
  • クリエイティブなタスク(私の場合、執筆)に十分な時間を取れる
  • その日いちばん大事な仕事に取り組める
  • 友人/家族に会う
  • 午前中のうちに集中していい仕事ができる
  • スポーツや運動をする
  • 健康的な食生活

ストレスの要因

  • 十分な仕事量をこなせなかった
  • 中断
  • もめごと
  • 自分にとって重要度の低いタスク(家具の移動、トイレ掃除など)
  • 重い/不健康な食事
  • 運動(ジム/サッカー/ストレッチ/長距離のウォーキング)をしない

予想通りではありますが、幸せの要因が多い日ほど、その日の満足度も高いことがわかりました。満足度を8点とした3日のうち2日は、幸せの主要因が4個の日だったのです。

この結果から、ハッピーな瞬間が多い日ほど、満足度が高いことがわかります。では、ストレスの要因はどうでしょう。

そこで、データをよく見返したところ、どうやら満足度の低い日は、1つのストレス要因があった日であることに気がつきました。それは、「十分な仕事量」をこなせたかどうかです。

  • 「十分な仕事量をこなせた」日の満足度平均:7.6点
  • 「十分な仕事量をこなせなかった」日の満足度平均:5.6点

やるべきことが多い日は、重要度の低いタスクや中断がイライラを促進します。それが重なると、もめごとが発生したり、早食い(不健康な食事がほとんど)やトレーニングをさぼったりというように、問題が発展していきます。

各ストレス要因が満足度に与えるインパクトを知るため、各要因があった日となかった日で満足度の平均を比べてみました。

その結果、十分な仕事量をこなさなければならないというプレッシャーが、私にとっての大きなストレス要因であることが明確になりました。このようなプレッシャーは自分自身が与えていることが多いものの、とりわけ平日は、外的要因が作用している場合もあることに気がつきました。

セカンドハンド・ストレス:平日の場合

私と妻は、似ているところがたくさんあります。でも、こと働き方に関しては、大きく違います。

私の場合、朝は静かに集中する時間と決めています。電話やメールは禁止。でも、妻は朝に電話やメールをするのが好きなようです。

妻と私は同じ会社の共同創設者なので、彼女のメールの大半は、私にも関係します。そんな事情もあって、私が朝起きるとすぐに、妻がいろいろなことの最新情報を教えてくれます。その多くは、妻がストレスを感じていること。それを聞いた私は心中穏やかでなくなり、事前に決めていた重要なタスクに集中できなくなってしまいます。

「セカンドハンド・ストレス」という言葉をご存知でしょうか。ストレスが人から人へと伝染することを意味します。

私たち人類は、進化の過程で、他者のストレスを察知する能力を身につけました。それは、生き残るための術でした。食べ物、住居、水などをシェアするには、共感力が重要だったのです。そのため、そわそわしている人や怒った口調で話す人を見ると、自然にストレスホルモンであるコルチゾールが増え始めます。あなたの意志とは関係なく、脳内のミラーニューロンが活性化するのです。

このような共感力は、友だち作りにはいいことかもしれませんが、ストレス管理のうえでは、制御できないネガティブなものでしかありません。

ストレスのネットワーク効果

セカンドハンド・ストレスはまったくもって制御不能なため、自分自身のストレスよりも厄介です。

自分の感情をうまくコントロールできる人でも、周囲の人のストレスはどうすることもできません。周囲の人のストレスが多いほど、あなたへの影響も大きくなります。

ストレスは、ネットワーク効果のように機能します。ネットワーク効果とは、ユーザーが多いほど商品が早く普及することを意味するビジネス用語です。例としては、FacebookやUberの爆発的な成長があげられます。

渋滞している道路では、ネットワーク効果がよく見られます。ストレスを感じていない人でも、周囲の人のストレスを感じてしまいます。そのせいで、クラクションを鳴らす人、割り込みをする人、怒鳴り声をあげる人が増えていくのです。

平日のストレスが高いのは、このセカンドハンド・ストレスがひとつの要因です。柔軟な労働時間を採用する企業が増えていますが、まだまだ週40時間労働で動いている企業がほとんど。

周囲の人(顧客、チームメイト、友人、家族)の多くが同じ時間で働いている以上、自分の裁量で働ける人でも、ある程度それに合わせて働かざるをえません。

誰もがそれぞれのToDoリストを抱えています。仕事で関係する人が多いほど、リストは長くなるでしょう。平日はメールや会議、その他いろいろなことがどうしても多くなってしまいます。それらに圧倒され、自分ではコントロールできない状況に陥ってしまうのです。

付け加えると、多くの人が、自分の仕事を楽しく感じていません(ギャラップ社の調査では、70%が今の仕事に不満足)。その結果、つながっている感覚が得られずに、ストレスの増加と幸福感の低下を招きます。

周囲の世界がストレスと不満に満ちていると、きっとあなたも同じ気持ちに陥ってしまうでしょう。

ロチェスター大学の研究でも、同じような結果が出ています。18歳から62歳のフルタイムワーカー74人を対象として、それぞれを異なる時間に呼び寄せ、そのときの気持ちを調査しました。

その結果、週末の幸福度がもっとも高く、2つの変数がポジティブなインパクトを持っていることがわかりました。

  1. 自主性:自分でやりたいことを選べること
  2. つながり:親密な人と過ごせる時間

週末は自由時間のある人が多いため、やりたいことや会いたい人を選べ、自主性とつながりの両方が高まります。

  • 高い自主性+高いつながり=高い幸福度
  • 低い自主性+低いつながり=低い幸福度

私自身、もともと家族や友人と過ごす時間は好きでしたが、そこまで大きな影響力があることは、実験をするまでわかりませんでした(私にとって3番目の幸せの要因でした)。

これは、失業している人でも週末はハッピーという研究結果の説明にもつながります。スタンフォード大学の研究では、「失業中の憂鬱」をテーマに実験を行い、仕事がなくて毎日が自由な人でも、週末のほうがハッピーであることが明らかになりました。

つまり、働く時間が自由な人でも、幸福度とストレスは、他者のスケジュールと密接に関係しているのです。

毎日を土曜日のように感じるには

自分自身の実験を終えて、自分をハッピーにするものとストレスを与えるものについての理解が深まりました。

また、自分の幸福やストレスに、他者が大きな影響を与えていることも知りました。世界が動いているスケジュールを変えることはできませんが、そのような外的要因による影響をできるだけ被らない方法を見つけることはできるはずです。

人はいつでもハッピーなわけではありませんが、それは決して悪いことではありません。悲しみ、ストレス、怒りも、人生の一部なのですから。ただ、毎日の総合的な満足度を高めることができるのならば、それに越したことはないでしょう。

何かが起こったとき、それに対する反応を決めているのは自分自身です。たまの小さなストレスはそれほど影響力を持たないものの、コンスタントなストレスは、あなたを死に追いやることだってあります。

道のりは長いのに、ずっと曇り空では、ヘルシーとは言えません。いつでも十分にやれていない気がしていては、いい仕事ができません。最終的には、ガス欠になるのも目に見えています。

Steven Pressfield氏は、著書『The Legend of Bagger Vance』にこう記しています。

プロは、プロジェクト開始時に、これは短距離走ではなく何週間にも及ぶ犬ぞりレースであるという覚悟を決めます。そして、エネルギーを温存します。長距離を走りきるための心の準備をします。とにかくハスキーを走らせ続けることでいつかはたどり着けるのだと自分に言い聞かせながら、ゴールを目指すのです。

実験後の私は、長距離走を走るための方法を探してきました。

それができるようになれば、毎日に満足できるだけでなく、一貫していい仕事ができるようになるでしょう。

実験を行ってからの2年間で、日々のストレスを軽減する方法をいくつか発見しました。

以下に、私が発見した8つの方法をお教えします。

1. 優先順位を付けた短いToDoリストを作る

私の最大のストレス源は、やらなければならないことが多いという感情です。

後に、これは実際の仕事量ではないことに気づきました。たんに、本当に必要なこととそうでないことを、適切に区別できていないだけだったのです。

ストレスのもとは、潔白だと思っていたToDoリストにありました。

私のリストは、あまりにも醜い状態でした。タスクも目標も、現実的なものもそうでないものも、すべてがごちゃ混ぜだったのです。

振り返ってみると、当時のToDoは1日161件と、ありえない数字になっていました。

このように何もかもをToDoリストに追加していたせいで、何も進捗が得られていないような感覚になっていました。リストの件数が増えるたびに、ただ気持ちが圧倒されるばかり。重要なタスクに取り組むことができず、メールチェックなど、とにかく来た仕事をこなしていくのでせいいっぱいでした。

ToDoリストがストレスのもとだと気がついてから、たくさんの対策を講じてきました。ただリストを短くするだけでは何の解決にもなりません。

ToDoは、短くて優先度の高いリストでありながら、新しく発生した仕事に対応できる柔軟さを兼ね備えている必要があるのです。

そこで私は、すべてを1つのリストに追加することをやめました。典型的な1日を振り返って、優先順位によってリストを階層化することに決めたのです。

典型的な1日に私がする仕事は、以下の7項目でした。

  1. 執筆
  2. 商品機能/マーケティングプロジェクトの計画
  3. マーケティング計画のセットアップ
  4. チームメイトとのフィードバックの共有
  5. 会議/電話/投資家
  6. 1日1シェア
  7. 重要なメールへの返信/プロジェクトのフォロー

毎日やることがわかったので、それらを重要度でランク付けしました。執筆は自分にとって重要なだけでなく、朝の早い時間にそれをやらないと、後に時間を見つけることが難しくなってしまうので、最優先事項に据えました。

次に、それらのタスクを、プロジェクトマネジメントツールの「Trello」に登録しました。

各カラムには、現在進行中のプロジェクトを入れることにしました。たとえばこのブログ記事の執筆は、「執筆」のカラムに入ります。ここには、だいたい5,6時間分のタスクを入れておきます。

そうすることで、予期せぬタスクに対応する時間や、休憩の時間を確保できるのです。

休憩も日々のタスクの一部として考えているので、休憩専用の時間も設けています。おかげで、食事やエクササイズ、友人や家族に会う時間(すべてハッピーの要因です)を確保しやすくなりました。

さらに、「執筆」カラムの前に、朝のルーチン専用のカラムと、未分類のカラムを作りました。未分類には、新しく発生したタスクのうち、まだ優先順位を判断していないものを追加していきます。

新しく発生したタスクが重要でない限り、「未分類」のリストは、その日の優先度の高いタスクをすべて終えるまで見ることはありません。

毎晩の仕事終了時には、翌日のToDoをセットするようにしています。カラムはすでに設定されているので、優先順位は一目瞭然。ただ空欄を埋めていくだけで完成です。

かつてのToDoリストでは、いつまでも消せない項目が問題でした。重要な項目でありながら、いつもそこに存在しているせいで、モチベーションが下がり、ストレスのもとになってしまうのです。

リストが変わらないので、進歩している感覚も味わえません。でも、リストを整理したおかげで、個々のタスクをこなしていく感覚が、毎日の進歩を実感させてくれます。

優先順位を付けた短いリストを使えば、ストレスから解放され、ポジティブなエネルギーを得て質の高い仕事ができるようになるでしょう。

2. 納期を過剰評価する

昨年1年間、自分の納期遵守率を追跡しました。その結果、なんと納期を守れた項目は4分の1しかありませんでした。

多くの人と同じように、私は自分がもっとできると思いがちです。でも、納期を守れないと、それがストレスになってしまいます。そこで、すべてのToDoを、やりやすい明確なアクションに変えることにしました。

たとえば、執筆時にはワード数や記事何本といった目標を定めていません。その代わり、毎日書くことだけを目標にしています。それは、段落1つでも記事1本でもかまいません。何かを書きさえすれば、量は関係ないのです。

そして、ストーリーの終盤が近づいてきたときにだけ、ToDoの項目が「ブログを投稿する」に変わります。

非現実的な納期を定めることは、バーンアウトを招いているようなもの。そのような状態では、長期的に高品質な仕事をし続けることはできません。今日はたくさんやって明日はやらないでは、最終的な成果は少なく、ストレスだけが残るでしょう。

1日に200ワード書く人は、10日で2000ワードを書きます。これは、10日に1回2000ワードを書く人と同じペースです。

もちろん、ゾーンに入っているときに、無理に中断する必要はありません。気分が乗っているなら、5万ワードを一気に書いたっていいのです。でも、集中力が途切れてきたら(スマホやよく見るサイトが気になるなど)、休憩を入れたほうがいいでしょう。

何ごとにも、時間がかかるものです。何かを早く終わらせると自由な時間が得られると思うかもしれませんが、最後に自由な時間が得られたのはいつですか?

今日できるだけのことを今日やる。同じことを、明日以降も繰り返していけばいいのです。

3. 集中する時間は、同僚に伝える

すべての時間が同じではありません。

やみくもに長く働いたところで、多くの仕事(あるいはいい仕事)ができるわけではないのです。

マルチタスクは幻想です。マルチタスクをしていると、まるで多くのことをこなしているかのような錯覚に陥りますが、実際の仕事量は少なく、ミスも多いことが研究によって明らかになっています。

中断が入らない1時間のほうが、メールや通知をチェックしながらの3時間よりも、ずっと価値があるのです。

中断を避けるためにヘッドフォンをして仕事を始めたときは、なんだか気まずかったのを覚えています。話しかけようとしている相手に失礼な気がして、仕事に集中できませんでした。

後に、あのときのミスは、私が集中する時間を必要としていることを、一緒に仕事をしている仲間に伝えていなかったことにあると気がつきました。人と違う働き方を選ぶのであれば、それを周囲に伝える必要があったのです。

今では、集中する時間が必要なときは、妻にこんなメッセージを送っています。

これから2時間機内モードに入ります。ブログを投稿するので。

かつては、集中時間に妻に中断されるたびに腹を立てていたものですが、事前に伝えることですべてがうまくいくようになりました。おかげで、もう1つのストレス要因であるもめごとも減りました。

いちいち同僚にメッセージを送るのは時間がかかるかもしれませんが、途中で邪魔をされたり、相手を無視しなければならないよりもずっとマシでしょう。

4. 自分をハッピーにしてくれる人と過ごす

どんなにやることが多くても、大切な人と何かをする時間は、私を幸せにしてくれます。

愛する人と、無駄な時間を過ごすのもいいものです。

5. 寝る。寝られないときは起きて気になることに取り組む

私は、1日7.5から8.5時間寝ると十分に休んだ気がします。

平日の私は、仕事関係のストレスのせいで、週末よりも寝ていないことに気がつきました。

心が穏やかでなく眠れないことが、週に1日か2日はあるのです。かつては、そんなときでも無理にベッドに入って寝ようとしていました。でも、なかなか寝付くことができず、ストレスが高まるばかりでした。

睡眠が重要なことはわかっています。だからこそ、眠れずにいると、さらに気分が悪くなってしまうのです。そこで、無理に眠るのではなく、別の方法を試してみることにしました。

眠れないときは、ベッドから起き出して、気になることに取り組むことにしたのです。それが深夜2時でも3時でも4時でも。何時間も眠れずにいるよりも、頭の中をぐるぐるしていることに30分取り組むだけで、気持ちが穏やかになります。

だから、まずは寝ることですが、寝られないときは起きて原因に対処するというのもひとつの方法です。

6. 毎日トレーニングする必要はない。ただ動くだけで十分

私たちの身体は動くことが必要ですが、ヘルシーに生きるためには、そこまでたいそうなトレーニングをする必要はありません。

ナショナルジオグラフィックの研究者、Dan Buettner氏は、世界の長寿地域について研究しています。その結果、長寿の人々に共通するのは、弱めの運動をコンスタントにしていること。歩くことや立ったり座ったりすること、あるいは耕作などです。

ずっと同じ姿勢でいると血流が悪くなりますが、動くことでリフレッシュの瞬間が得られます。オフィスに歩いて通勤したり、ランチを温めている間にストレッチをしたり、定期的にスポーツをすることで、血流が活発になります。そうすることで、脳がリフレッシュして、気分もよくなるのです。

仕事と仕事の間に動きましょう。姿勢を変えましょう。床に寝転んだり、仕事机を変えるのもいいかもしれません。散歩もオススメです。

7. 楽にヘルシーな食生活を

実験の結果から、私の幸せの要因のひとつは、健康な食生活であることがわかりました。さらに驚いたことに、食生活が満足度に与える影響は、トレーニングや良質な睡眠に対して10倍もの影響力を持つことがわかったのです。

でも、お腹が空くと意思が弱くなり、つい悪い食べ物に手が伸びてしまいます。

そうならないためにも、最近は常に、すぐに食べられるヘルシーフードを用意しています。

  • ドライロースト枝豆
  • ノンファットギリシャヨーグルト
  • ニンジン
  • ツナ缶
  • スライスターキー

この食べ物リストは、何度もトライアンドエラーを繰り返して選んだもので、お腹がいっぱいになって、かつ必要な栄養を取ることができます。

こちらのガイドに、お腹がいっぱいになるけれど太らない食べ物が図示されていますので、参考にしてください。

食べ物は燃料です。気分を高めるためには、正しい食べ物を選びましょう。

8. 5分間の肯定の時間を

私は幸運に恵まれていますが、どれほど幸運であるかを十分に考えたことはありません。

ライターJeremy Duvall氏の記事によると、私たちが感謝しないのは、快楽順応と呼ばれる現象が原因だそうです。これは文字通り、私たちが快楽に順応してしまうことを意味します。昇進のような気持ちいいことが起こると、瞬間的に幸福度が高まりますが、すぐにそれまでと同じ幸福度に戻ってしまうのです。

そこで、その日あったいいことをもっと認識できるように、毎日5分間かけて、下記の質問に答えることに決めました。

1日の始めに:

  • 感謝していること
  • 今日を素晴らしくすると考えられること
  • 日々の肯定(私はクリエイティブ、ハッピーなど)

1日の終わりに:

  • 今日あった素晴らしいこと3つ
  • 今日をもっとよくするにはどうしたらよかったか

これは、生産性に詳しいベストセラー作家、ティム・フェリス氏のポッドキャストで聞いた方法です。

毎日これらを書き記していくことで、感謝すべき対象や自分が大切にしていることを思い出すことができます。このエクササイズは、心理学で言うところの自己肯定化理論に基づくもの。自分の価値観を見直すことで、ネガティブな出来事に対するバッファーを持てるという理論です。今日の出来事がよくても悪くても、自分には感謝すべきものがあることを思い出させてくれるのです。

当初は、感謝していることを書き出すことに、大した意味などないと思っていました。心の中で感謝するのと変わらないと思っていたのです。でも、数日間やっただけで、ずいぶんとポジティブになれました。ほんの5分でできるのに、インパクトはとても大きかったのです。

週末のために生きるのは人生ではない

誰もが、よりよい人生を送りたいと思っています。未来に目を向けることは必要ですが、ときに立ち止まり、周りを見回すことも必要です。

ストレス漬けの5日間と回復のための2日間を繰り返しているようでは、チャンスを逃してしまいます。

ハッピーな人生を送るために、自分が感謝している対象、幸せの要因、ストレスの要因を知りましょう。ぜひ上記の実験を試してみてください。そうすれば、ストレス源を減らし、幸せの要因を増やすための方法が見えてくるはずです。

最初に試したことがうまくいかなければ、また別の方法を試してください。私自身、完璧な方程式はまだ見つかっていませんが、何が人生を充実させてくれるのかについては、明確に知ることができました。


作家Steven Pressfieldが批判に苦しんでいたとき、友人のTony Keppelemanがこう言いました

ハッピーになろう。君は、なりたい自分になれたんだろう。だからこうして攻撃を受けている。それが、傍観者ではなく競技場に立つことの代償なんだ。不満を言うのをやめて、感謝しようじゃないか。

Keppleman氏の言う通り。選手としてゲームに出る以上、時には打ちのめされることもあるでしょう。それは避けようがありません。でも、大事なことは、攻撃を恐れるのではなく、攻撃と成功、そしてその間のすべてにどう対処していくかなのではないでしょうか。

Can you make every day feel like Saturday? | Crew Blog

Mikael Cho(訳:堀込泰三)

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