Inc.:誰の身の周りにも、迷惑な要注意人物がかならず1人はいるはずです。その人が原因で友情が壊れたり、同僚であればできるだけ近寄らないように仕事をしたりと、厄介なことばかり。それなのに、当の本人は自分がそう思われていることに気がついていないので最悪です。

人の迷惑度はグラデーションのようなものなので、一概に白黒はつけられません。つまり、ほとんどの人が、多かれ少なかれ迷惑な行動や態度をしているものなのです。また、「迷惑」の定義も人によって違うでしょう。ともかく、これを読んでいるあなたにも、きっと迷惑な傾向がいくつかあるはずです。そこで、それを認識して直す方法をお教えしましょう。

自分の欠点を知ろう

私は、キャリアの初期段階からその必要がありました。なぜなら私には、致命的な欠点があったからです。それは、自分は何でも知っていると勘違いし、ここぞと言うときに知識をひけらかす癖でした。私のせいで間違った道に進んでしまった人がたくさんいました。もちろん、私自身の個人的な成長にもキャリアにも、悪い影響があったと思います。私は、そのような知ったかぶりの性格を、ビジネスのために手なずけて抑える必要がありました。私たちは、マズローの欲求階層の各段階で先頭までたどりつくと、さも宇宙を掌握したかのような気持ちに陥ることがあります。しかし、多くの場合それは、冷静になる必要があることを意味するのです。

女性向けキャリアコーチ兼コンサルタントのKathy Caprinoさんによると、人が他者を遠ざけてしまうような行動は、かなりの種類存在しているそうです。厄介な性格が人間関係を壊し、仕事での成功を遠ざけ、人生そのものに大きな悪影響を及ぼすことは、多くの人が直接目で見て知っているはずです。以下に、よくある6つを紹介します。

1. 敏感すぎる

あらゆるものから侮辱されたり、責められたりするため、周囲の人を「教育する」ことを自分の聖戦だと思っていませんか? 文化的、政治的、宗教的なものの何であれ、目の前にある侮辱的行為に立ち向かわなければならないと思っていませんか?

そう思ってしまう理由はたくさんあります。被害者のふりをすることで気分が良くなる人もいれば、不正に立ち向かうことが義務であるかのように信じている人もいます。でも、そのような侮辱を、個人攻撃だととらえないでください。ほとんどの場合それは個人攻撃ではないですし、立ち向かう価値もありません。

2. ネガティブ

コップに水が半分入っているときに「半分しかない」と考えるのは、もっとも危険な思考です。誰しも落ち込むときはありますが、思考が現実に影響することを忘れないでください。常にネガティブ思考でいると、意思疎通に悪影響が現れます。シニカルでいることには利点もあるかもしれませんが、いつでもネガティブな人と一緒にいたい人はいませんし、そんな人を出世させたいと思う人もいないでしょう。

3. 被害者意識

1つ目の項目を思い出してください。被害者ぶる方法はたくさんあります。その1つが、ノンストップで不平を言い続けること。被害者のふりをしていると、いずれ本当にそのように扱われるようになります。短期的にはそれで満足できるかもしれませんが、長い目で見ると破滅の道かもしれません。誰でもときどき被害者になることはありますが、永遠に演じ続けなければならないような役割ではありません。

4. 感情移入できない

感情移入は、後天的に身につけるスキルです(他人の気持ちを考えられる新生児なんていないでしょう)。感情移入ができないと、ひどい態度をとってしまいます。そうならないために、シンプルながらも効果的な方法をお教えしましょう。それは、他人の気持ちになって考えること。それだけのことで、絆と関係が自然と深まるでしょう。

5. 過剰反応

感情は自分の責任でコントロールしましょう。シチュエーションによって、適切な感情は異なります。あらゆる「悲劇」(コピー機の故障など)にカッとなっていては、周囲から人が去っていくでしょう。そんな事態は避けなければなりません。もちろん、誰しも時には壊れてしまうもの。それでも、冷静さを保つことは大切です。小さなことでいちいち大騒ぎする人は、誰からも好かれません。

6. 承認欲求むき出し

褒められるのはうれしいことですが、いかなるときでも承認を求めている人は、愛情に飢えた弱い人と見なされ、信頼されません。自尊心を育むのは自分の仕事。しっかりしてください。


上記6つの特徴のどれか1つでも当てはまると思ったら、意識的にそれを取り除く努力をしましょう。これらの迷惑行為は、気づかぬうちにあなたの人生を負のスパイラルに導くかもしれません。そのような行為をしている自分に気づいたら、それを是正することを肝に銘じてください。そうすれば、それほど時間をかけずに、健全な習慣を確立できるようになるでしょう。

Bravo TVの番組『Startups Silicon Valley』に出演していたSarah Austinさんは、彼女の人生が、番組内であまりにもひどい編集をされていたと言います。会話の断片がつなぎ合わせられ、時には文脈を無視した形で使われていたそうです。

Bravo TVの「Startups Sillicon Valley」に出演していたときに、私の評判は悪化しました。思考よりも感情でしゃべっていたことに気がつかず、私のイメージは「自己中心的」なものになってしまったのです。

自分がどのように描かれているか、きちんと見ておくべきでした。でも、私は目に見えるものしか見ることができず、文脈外のことがわからなかったのです。

彼女はその後、ユーザーが客観的に自分のことを見られるように、「Broad Listening」という会社を立ち上げました。この会社は、自然言語処理、データサイエンス、マイヤーズブリッグス性格診断などを用いて、オンラインで自分がどう見えているかをレポートしてくれます。自分の迷惑度を知って、こっそり直すことで、自身の公的人格を傷つけないようにできるのです。

エゴは、自分自身の投影

強いエゴがあると、自分のことを、他人から見られたい理想の自分として見てしまいます。これはとても前向きなことですが、実際はどう見られているかという現実的な視点がないため、弱点にもなります。紫色とヨガパンツが好きだからと言って、紫のヨガパンツがあなたに似合うわけではないのです。エゴは、悪いアドバイスを与えます。エゴのせいで、自分の物語を大げさにしてしまう思考が芽生えてしまうのです。

そんな思考も、物語も、エゴももっていないことに気がついたとき、ようやくあなたは解放されます。これら3つを客観的に見て、よく理解することで、自分の行動を監視し、人格を改められるようになるのです。

同じ性格が強みにも弱みにもなる

時には、エゴが強みになるシチュエーションもあります。会社は、強いエゴをもたないCEOを雇うことはないでしょう。でも、そんな人をテクニカルサポートに雇うのは失敗です。

感情移入が弱みになることもあります。競合に対して申し訳なく思っていては、前に進めません。

新たな気づき

  1. いつも思ったことを口にしなければならないわけではない
  2. 争いは賢く選ぶ
  3. 自分が正しい必要はない
  4. 被害者ぶらない
  5. 他者への共感を練習する
  6. 思いやりをもつ

衝動に任せて嫌なやつにならないでください。そんなことをしても、自分の人生やキャリアを台無しにするだけです。それよりも、時間をかけて、自分の行動、発言、態度を知ることが大切です。それが、最終的に成功への道を歩むためのアドバイスになるでしょう。

Are You Accidentally Toxic? | Inc.

Travis Wright(訳:堀込泰三)

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