MakeUseOf:MacのショートカットというとCommand(cmd)キーですが、Option(alt)キーこそが真のヒーローです。気づいていない人も多いかもしれませんが、Optionキーは縁の下の力持ち的存在で、さまざまな機能やアクションを素早く実現してくれます。
今回はOptionキーを使った便利なショートカットを20個ご紹介します。
1. ファイルのカット&ペースト
OS Xでは、カット&ペーストは行えないかのように見えます。
カット&ペーストをする際には、Cmd + Cで移動するファイルを選び、移動先でCmd + Option + Vと入力します。ご存知のように、Cmd + C>Cmd + Vだとコピー&ペーストになります。
メニューバーでこの機能を確かめることができます。ファイルをコピーしたあと、編集メニューを開き、Optionキーを押してみてください。「ペースト」が「ここに項目を移動」、つまりカット&ペースト機能に変わっていることがわかるでしょう。
2. ファイルをゴミ箱へ移動せずに削除
デフォルトでは、いらないファイルでもゴミ箱に入れるしかありません。ファイルを完全に削除するために、いちいちゴミ箱を空にしなければならないのは面倒ですよね。
実はゴミ箱を経由せずに直接削除する方法が存在しています。方法は下記の2つで、どちらもOptionキーを使用します。
キーボード・ショートカットのCmd + Deleteを使ってファイルを削除している方は、Cmd + Option + Deleteを使ってみてください。
Finderのファイルメニューから削除する際は、メニューを開いてOptionを押してください。「ゴミ箱に入れる」の代わりに「すぐに削除...」という選択肢が表示されます。
3. Safariで履歴を消去しつつWebサイトデータは保持
履歴の消去はブラウザの速度を上げるために有効な方法です。しかし、同時にクッキーやWebサイト設定も失われてしまうという問題があります。
Safariには閲覧履歴だけを消去する機能があることをご存知ですか? 履歴メニューを開いた状態でOptionキーを押せば、メニューの一番下に、「履歴を消去してWebサイトデータを残す...」という選択肢が現れるんですよ!
4. Finderの再起動
Finderを再起動する必要に迫られることがあります。たとえば、隠しファイルを可視化するターミナルコマンドを実行したあとには、Finderを再起動しなければ隠しファイルは表示されません。
簡単にFinderを再起動する方法があります。Ctrl + Option + DockのFinderアイコンをクリックでコンテクストメニューが開きます。その中にある「再度開く」をクリックすればOKです。
5. ファイルやフォルダのパス名をコピー
ほかのプログラムにファイルの場所を貼り付けたい、と思ったことはありませんか? Finderで目的のファイルを選び、コンテクストメニューを開き、Optionを押します。通常は「[ファイル名]をコピー」となっているところが「[ファイル名]のパス名をコピー」に変化しますよ。
6. ユーザライブラリへのアクセス
ユーザライブラリにはユーザーごとのデータや設定が保存されています。これを使う機会はなかなかないかもしれませんが、その中身を調べる必要があるときには、これがいちばん早い方法であることを覚えておいてください。
Finderを立ち上げてメニューバーの「移動」をクリックします。Optionキーを押すと、メニューにライブラリフォルダへのリンクが表示されます。
7. 通知センター内の「おやすみモード」の切替え
通知が煩わしく感じるときには、おやすみモードをオンにしてしまいましょう。
通知センターを開いて上にスクロールし、「おやすみモード」のスライダーをオンにしてもいいのですが、もっと手っ取り早い方法があります。Optionキーを押したままで通知センターのメニューバーアイコンをクリックするのです。「おやすみモード」を切にしたい場合はこの操作を繰り返してください。
8. ファイル種別に対応するデフォルト・アプリケーションの変更
あるタイプのファイルを開くデフォルト・アプリケーションを変えたくなったら、Finderで目的のタイプのファイルを右クリックしてコンテクストメニューを表示し、Optionキーを押しましょう。すると、「このアプリケーションで開く」ではなく「常にこのアプリケーションで開く」という選択肢が現れます。これをクリックすれば、そのファイル種別に関連付けられているアプリケーションを変更できます。
あるいは、選択ファイルのファイルメニューを開いた状態でOptionキーを押しても「常にこのアプリケーションで開く」を表示させることができます。
9. 別名で保存
ファイルのコピーを作成したりフォーマットを変えたりしたい場合、複製やエクスポートは便利な機能です。しかし「別名で保存...」のほうがわかりやすい方法ではないでしょうか。
「別名で保存」がデフォルトでは表示されないのは残念なことです。表示するためには、開いているファイルのファイルメニューでOptionを押します。「複製」が「別名で保存...」に変わります。
10. 音量や明るさの微調整
音量や画面の明るさを正確に調整したいときには、いい方法があります。明るさや音量に割り当てられたキーと同時にShift + Optionを押すのです。こうすれば、より細かな単位で調整することができます。
11. 特殊文字の入力
特殊文字や記号の入力は、Optionキーを使うとずっと早くできるようになります。たとえば、登録商標記号(™)を入力したい場合、Option + 2を押すだけでよいのです。著作権(©)は、Option + Gです。すごいでしょう?
キーと記号との対応を調べるには、キーボードビューアが便利です。開き方は以下のとおりです。
システム環境設定でキーボードを選択して、キーボードタブの「メニューバーにキーボードビューアと文字ビューアを表示」にチェックを入れます。すると、メニューバーにアイコンが追加されます。このアイコンをクリックして表示されるメニューから「キーボードビューアを表示」を選択すれば、画面にキーボードが現れます。
このキーボードをアクティブにした状態でOptionキーを押します。すると、キーが特殊文字に変わります。このようにして、よく使う記号に対応するキーをキーボードビューアで調べ、覚えておきましょう。Option + Shiftを押すと、また別の特殊文字が表示されます。
11. 階層化されたフォルダをクリック1回で展開(リスト表示)
Finderのリスト表示機能は便利ですが、何層も下にあるフォルダを1つずつ開いていくのは面倒です。Finderのフォルダアイコンの隣にある小さな矢印をクリックしながら、Optionを押してみてください。フォルダの内部がすべて、リスト状に展開されますよ。
12. コピー時の重複ファイルをスキップ
大量のファイルを別のフォルダへ移動させたいとき、重複したファイルが含まれていると「両方ともファイルを残す」「中止」「置き換える」というダイアログが出ます。
両方のファイルを残したくはなく、置き換えたくもない場合はどうでしょうか? 「中止」をクリックして操作そのものを中断してしまうしかないですよね。しかし、Optionキーを押すことでもう1つの選択肢、「スキップ」を登場させることができます。これで、今コピー対象になっている1ファイルを飛ばして、コピーを続けることができます。
13. Finder項目の選択解除
Cmd + Aで一気にすべてのファイル/フォルダを選択できるのに対し、Cmd + Option + Aはすべてを選択解除します。
気をつけなければならないのは、すべてを選択するのとは異なり、すべてを選択解除するのは、Finderでしか使えないという点です。よって、PDFファイル内のテキストをCmd + Aですべて選択する場合、Cmd + Option + Aを押しても選択解除することはできません。
14. 余計なウィンドウを全て隠す・アプリケーションの強制終了
ある1つのウィンドウを前面にもってきて、そのほかは隠したい場合、次のようにしてみてください。Dockで今使っているアプリケーションのコンテクストメニューを出し、Optionキーを押します。「他を隠す」という選択肢が現れますのでこれを選んでください。このやり方で「強制終了」というオプションも表示することができます。
15. ファンクション設定
ファンクション(Fn)キーで、画面の輝度、キーボードのバックライトの明るさ、音量などさまざまな設定ができます。より詳細な設定をするには、システム環境設定を開き、それぞれの設定箇所を見つけなければなりません。しかし、OptionキーとFnキーの組み合わせを使えば、すばやくそこにたどり着くことができます。
たとえば、F3でMission Controlが開きたいならば、Option + F3でMission Controlの設定画面に直接行くことができます。
16. Wi-Fiの詳細情報
メニューバーのWi-Fiアイコンをクリックすると、自分が接続しているネットワークを調べ、圏内にある別のネットワークのリストが得られます。ここで、Optionを押しながらこのアイコンをクリックしてみましょう。IPアドレスからBSSIDに至るまで、使えるネットワークの詳細情報が表示されますよ。「ワイヤレス診断」へも飛ぶことができます。17. クイックルックを経由せずにスライドショーを開始
クイックルックの特色は、ファイルを実際に開くことなくプレビューを見られる点です。1つあるいは複数のファイルを選択し、スペースキーを押すと、クイックルック・ウィンドウが開き、ファイルの中身を見ることができます。
スライドショーを始めるためには、クイックルックでフルスクリーン表示にしても良いですが、もっと早い方法として、FinderでOption + スペースキーを押すというものがあります。こうすることでクイックルックを省略してスライドショーを直接スタートさせられます。
なお、コンテクストメニューやファイルメニューでOptionキーを押すと、選択肢のクイックルックがスライドショーに置き換わります。
18. Dropbox設定にクイックアクセス
メニューバーのDropboxアイコンをクリックすると、最近変更されたファイルが表示されます。右下にはDropbox設定にアクセスする小さな歯車マークがありますね。このDropbox設定がメニューに直接表示されるようにしたい場合は、Optionを押しながらメニューバーのDropboxアイコンをクリックしてください。
19. 確認を求めるダイアログをバイパスする
再起動やシステム終了、ログアウトをクリックすると、「~してもよろしいですか?」と間髪入れず表示が出ます。ファイルを保存したり、進行中の作業に目を配ったりするように促してくれるものですが、うるさいと感じるときもあります。
場合によって、そうしたダイアログを出したくないときは、Optionキーを押下したまま、再起動、システム終了、ログアウトのコマンドをクリックしてください。そうすれば、確認のダイアログが表示されることなく、再起動、システム終了、ログアウトできます。
20. Optionキーをもっと便利に使う方法
この記事を読んだ後は、Optionキーの出番が増えることを願います。Optionキーが元々不便な位置にあって使いづらいと思っている人のために、出番の少ないCaps LockキーをOptionキーの代わりに使う方法をお教えしましょう。
- [システム環境設定...]から[キーボード]を開きます。
- [キーボード]タブをクリックして表示したら、[修飾キー...]をクリックします。
- ダイアログがポップアップするので、Caps Lock キーを見つけ、その横のドロップダウンで[Option]を選択します。
- [OK]をクリックして設定を保存します。
これでCaps LockキーもOptionキーとして使えるようになりました。
Macのワークフローをキー1つで一変させる
この記事で説明したのは、Optionキーが持つ機能のほんの一部にすぎません。アプリケーションによっては、もっといろいろなことに力を発揮します。いつも使っているキーボードショートカットやメニューバーのオプションにOptionキーを追加すれば、今まで隠れていたオプションが発見できるでしょう。うれしい発見があるにちがいありませんよ。
20 Things You Didn't Know You Could Do with the Mac Option Key | MakeUseOf
Akshata Shanbhag(訳:コニャック)
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