Kindleをはじめとする、電子書籍リーダーなどに使われている電子ペーパー。液晶ディスプレイなどと比べた場合、圧倒的な省電力がメリットとなりますが、カラー化が難しいのが弱点でもありました。
しかし、その弱点もいずれは克服されるかもしれません。10月7日より4日間にわたって開催される「CEATEC JAPAN2015」にて、E Ink社の電子ペーパーのカラー化デモが展示されていました。
モノクロ+1色は実用レベル

デモの中でも眼を引いたのが、鮮やかなレッドとイエローのディスプレイ。白黒+1色(レッドまたはイエロー)まで表示できる電子ペーパーで、必要に応じて表示を変えるスマートカードや、医療機器といったマーケットを念頭に置いて製作されています。
この色数でできることはシンプルな強調表示くらいですが、発色がよいので電子書籍のハイライト機能などにも転用できそうです。
カラー化は可能だが課題も多い

もう一つ、カラー版の電子ペーパーのデモも展示されています。こちらはモノクロの電子ペーパーに、カラーフィルターを組み合わせたもの。
いちおうカラーには見えるのですが、液晶ディスプレイなどと比べて鮮やかさに欠けている点は否めません。表示できる色も4096色+グレースケールまでです。コミックなどならこれでも恩恵がありそうですが、液晶と発色が違いすぎるので、カラーの調整が必要かもしれません。
いずれも決して最新の技術というわけではありませんが、利用できる場所を着実に増やしつつあるようです。本展示は、「CEATEC JAPAN2015」丸文ブースにて展示されています。
EInkの電子ペーパー|丸文
(金本太郎)