先日、Appleが音楽のサブスクリプション(聴き放題)配信に参入したのに続き、ついに、日本では音楽関連サービスを開始していなかったGoogleも、これを解禁しました。サービス内容については、ほとんど瓜二つと思える両者なのですが、細かい部分については違いがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
サービス比較表
サブスクリプション(聴き放題)
Google Play Music | Apple Music | |
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料金 | 980円/月額※2015年10月18日までに登録すればずっと780円/月額 | 【個人利用】980円/月額 【家族での利用】1480円/月額※本人含め6名まで |
対応プラットフォーム | Windows(ブラウザ) Mac OS X(ブラウザ) iOS Android |
Windows Mac OS X iOS Android※今秋予定 |
音質 | 最大320kbps※回線速度に応じて自動調整 | 最大256kbps※回線速度に応じて自動調整 |
オフライン再生 | ◎ | ◎ |
レコメンド | ◎ | ◎ |
所有楽曲のクラウド保存
Google Play Music ロッカー | iTunes Match | |
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料金 | 無料 | 3,980円/年間 |
容量 | 50,000曲まで※一曲あたりのファイルサイズは300MBまで | 25,000曲まで※iTunesで購入した曲は含まない |
ストア
Google Play Music ストア | iTunesストア | |
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料金 | 150円/曲より | 150円/曲より |
対応プラットフォーム | Windows(ブラウザ) Mac(ブラウザ) iOS※再生のみ Android |
Windows Mac iOS |

レコメンドとラジオ
レコメンド(おすすめ曲)については、Apple Musicでは「For You」と「Radio」に分かれているものが、Google Play Musicでは「ラジオ」のみです。
Apple Musicの「Radio」は、ジャンル別にDJによる選曲がされており、実際のラジオに近い。「For You」は、ユーザーの好みに応じて選曲するのですが、ユーザーが出会っていない曲を紹介することに重きをおいている印象。一方のGoogle Play Musicの「ラジオ」も、ユーザーの好みに応じて選曲しますが、こちらはユーザーがすでに所有している曲も含めつつ、聴きたいと思わせる選曲をしているようです。
邦楽の充実度
洋楽については大差のない両者ですが、邦楽はGoogle Play Musicの方が充実しています。日本版のApple Musicには「ソニー・ミュージックエンタテインメント」を始め、いくつかのレーベルが参入していませんが、Googleは主要レーベルをほぼ網羅しているためです。
所有楽曲のクラウド保存
「クラウドといえばGoogle」といっても過言ではありませんが、50,000曲まで無料で保存できるというのは、さすがGoogleというサービス内容です。一曲あたりのファイルサイズが300MBまでという制限つきですが、私がiTunesにAAC形式・256kbps(iTunes Plus)設定で保存した22分16秒の曲が53.4MBでしたので、音質によほどのこだわりがある人以外は気にしなくて大丈夫でしょう。ただしAAC形式は、ロッカーにアップロードするとき、同音質のMP3形式に変換されます。
一方のiTunes Matchは曲数こそGoogleの半分ですが、iTunesで購入した楽曲は制限にカウントされません。 Appleでよく楽曲を買うなら、曲数の制限は気にしなくてよいでしょう。とはいえ、3980円/年の利用料は、Googleに比べるとずいぶん高額に見えてしまいます。
なお、どちらのサービスも、手持ちの楽曲のアップロードにはPCが必要です。
ストア
Google、Apple両者とも、相手陣営のモバイル端末では楽曲の購入ができません。その場合は、パソコンを利用する必要があります。ちなみに同じアルバムを購入する際、大抵の場合はiTunesストアの方が安く買えます。

まとめ
私の個人的な感想ですが、Google Play Musicの「ラジオ」は、レコメンドの精度が高いようです。サブスクリプション契約をするのなら、Google Play Musicの方が、邦楽の充実度を考えてもお得だろうと思います。2015年10月18日までに契約すれば、月額780円で聴き放題を利用できますので、決断するならそれまでに。
ただし、アルバム単位でダウンロード購入する時には、iTunesストアでの価格チェックをお忘れなく。iTunesで購入した曲も、Google Play Musicロッカーにアップロードできますので、両サービスを使い分ける価値はあります。
Google Playミュージック|Google Play
Google Play Music|App Store
Music|Apple(日本)
(田中宏和)
Photo via PEXELS