99u:ウェブ用のプロフィールをまとめるのは大変です。書くのが得意でも、何から書き始めたらいいのか、何を省けばいいのか判断するのは難しいです。
私は、過去10年にわたり、いろんな人たちのウェブサイト立ち上げをお手伝いしてきました。誠実なマーケティングのしかたと、有意義なポートフォリオの書き方についてのワークショップを開催し、親しみやすくためになる文章の書き方の本を出版しました。そうした経験から、アドバイスできることがあると思います。
次のことを意識して書くべきです。
- 理想の読者に読んでもらうつもりで書く
- やりたい仕事が何なのか、はっきりさせる
- 正直に書く
- 音読し、自分らしい文章になっているか、確かめる
- あくまでも草稿としてとらえ、すぐに発表し、定期的にアップデートする
今回は、ウェブサイト用のプロフィールを書くときのコツをご紹介します。紹介するのは、フリーランスや個人で開業している人向けの書き方ですが、会社紹介やプロジェクト紹介にも使えるはずです。
まずは通しで考える
まず、1つにつき2〜3分考えてから、以下の質問に答えてみてください。
- 1〜3年後にどうなっていたいか
- あなたの仕事は、希望の業界とどんな関係を持つか
- どんなプロジェクトに興味があるか(やりたくない作業をまず書き出してみるのもよい)
- どんな人と仕事をしたいか。理想のクライアントとはどんな人か
- あなたのウェブサイトを訪問してくれた人にどうして欲しいか(例:雇って欲しい、ブログを購読して欲しい)
- 将来クライアントになる可能性のある人に自分のことを誰かが話しくれるとしたら、何を伝えて欲しいか
答えをメモしておくと、実際に文章を書くときに役立ちますよ。
アイデアを集める
次に、前のステップで検討したほかに、書き入れるべき情報のリストを作ります。まだアイデアを集めている段階なので、ベストな表現が見つからなくてもまだ大丈夫です。
1. 基本的なところを押さえる
ウェブ用のプロフィールでは、気取る必要も利口に見せる必要もありません。具体的なことを盛り込み、シンプルな略歴にするのが一番なのです。自分が何者で、どこから来たのか、どこに住んでいるのか、何を職業にしているかを語りましょう。もし、自分の写真やビデオを入れたいなら、どうしてそれをページに入れるのか、理由を一言で考えておきましょう。
2. 経験をまとめる
ウェブ上のプロフィールは履歴書ではないので、今までの仕事を全部載せる必要はありません。自分の成果を要約し、出版物、トーク、インタビュー、イベント、最近のクライアントについて書きましょう。フリーランスなら、自分のスキルや提供しているサービスを簡単なリストにまとめたほうがいいでしょう。3. 情熱を見せる
サイトを訪れた人は、「1人の人間としてのあなた」に関心をもったから、プロフィールを読んでくれるのです。個人的な活動も遠慮せずに書きましょう。食べ物、読書、音楽、普段考えていることをいくつか挙げましょう。特別な才能や強い信条があるなら、盛り込むべきです。どうして今の分野に入ることにしたのでしょうか。その分野のどんなところが好きなのでしょうか。自分の仕事の進め方や物の見方がほかの人とどう違うか、少し時間をかけて考えてみましょう。
4. リンクを入れる
ウェブに載せるために書いていることを忘れないでください。自分の運営しているオンラインショップやニューズレター、副業でやっているサイトのリンクを載せましょう。
5. 読者にして欲しいことをはっきりと書く
プロフィールを読んでくれた人にして欲しいことをはっきりと書いてください。「ブログのスポンサーになってくれる人を探している」と書いておけば、見た人は「スポンサーになってもいいなら連絡して欲しい」ということだなとわかるでしょう。
閲覧者があなたにコンタクトしやすいようにしてください。もしスケジュールがいっぱいなら、いつなら空いているのか、いつなら返信できるのかも書いておきましょう。
メモが集まったら、絶対に必要なものだけを残し、あとは削りましょう。私の場合は、あとで視覚的にアレンジできるようにポストイットを使ってアイデアを集めるようにしています。
短い自己紹介文を書く
次のような「穴埋め問題」を作って、メモを見ながら埋め、自己紹介文を作ってみましょう。
- 私は( )です。
- 私は( )が( )を作るのをお手伝いします。
- メールで連絡がつかないときは、( )にご連絡ください。
- 一緒に働きませんか? ご連絡をお待ちしています。
穴埋めが済んだら、自分らしさが出るまで推敲しましょう。完成したら、プロフィールの自己紹介文か見出しとして使ってください。
メモを全部並べてみる
メモを並べて、省けるものがないか、考えてみましょう。クライアントになってもらいたい人はどんな質問をしてくると思いますか? その質問に対する回答を作るように意識するといいでしょう。
行き詰ったら、自分と同じ分野の人や企業のサイトを見ましょう。仕事や経験をどのようにプレゼンしているかを参考にしましょう。
ただ真似をするのではなく、どんな言葉が使われているかに注目してください。
- 1人称、3人称のどちらで書かれているか
- 自分自身をどう表現しているか
- 役職名は正式な表記を使っているか、そうでないのか
- 言い回しはフォーマルか、カジュアルか、あるいはその両方を使っているのか
プロフィールの内容と読者への語りかけ方から、「自分らしさを出す方法」を学べるのではないでしょうか。草稿ができたら、次のステップに進みましょう。
1. 簡潔に書く
友人に話すときのように、シンプルな言葉を使いましょう。クライアントが求めていないかぎり、業界用語は使わないでください。
2. 正直に書く
ウェブ用のプロフィールでは、ありのままの自分の姿を見せることができます。独りで仕事をするのが好きなら、コラボが好きだとは書かないでください。本当のことを書きましょう。表現しにくいことがあるなら、目の前にいる人にだったら、どのように説明するか考えてみてください。
3. 簡潔に、感じよく
改めて文章を見直してみましょう。一番大切な情報は最初にきていますか? 大げさな表現や複雑な表現は使わないようにしましょう。なるべく少ない語数で、テーマを1つに絞って書きましょう。
4. 音読する
書き上がったら、静かなところで音読してください。言葉がごちゃごちゃしていたり、繰り返しになっていたり、あいまいなところが自然にわかります。次のように自問してみましょう。
- わかりやすいか
- 自分らしさが出ているか
- ウソは書いていないか
- 形容詞や修飾語で省けるところはないか
必要があれば手直しし続ける
一番ありがちなミスは、最初から完璧な文章を書こうとすることです。ウェブ用に書いているのであって、出版用ではありません。あとで足したり引いたり、好きなだけ磨きをかけることができるのです。短くて情報が欠けていたり、長すぎたりしても心配はいりません。思い切って発表し、友人や同僚に読んでもらい、フィードバックを受けましょう。読者がより良い質問を投げかけてくれるような文章になっているか、時間をかけて自分のサイトを読んでくれるかを確認しましょう。
2、3週間たったら、プロフィールを書いたときの自分と今の自分が感じていることのあいだにズレがないか、確認してみてください。目標が変わっていたり、理想のクライアントがもっとクリアに思い描けるようになっているなら、文章を調整してみてください。自分自身のことややりたい仕事、一緒に働きたい人が明確になるたびに、更新し続けましょう。
How To Write an "About Me" Page That Gets You Hired | 99u
Nicole Fenton(訳:春野ユリ)
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