Inc.:仕事で難題を与えられたら、しっかりと睡眠を取るべきです。一晩寝かせてから取り組んだほうが効率的に解決できるということが、研究によって明らかになっています。今回は、その理由をご紹介します。丸1日活動すると、毒性たんぱく質が脳内に蓄積し、思考能力が低下してしまいます。

米国ロチェスター大学の研究は、睡眠にはこの毒性たんぱく質を取り除く効果があることを明らかにしました。眠っている間に、新しい情報と感情が整理され、心身の健康が保たれます。

同大学は、次のような実験も行っています。

  • 1日2回、被験者にさまざまな問題を解かせる。
  • 被験者は「朝に1回、夜に1回、睡眠を挟まずにテストを受けるグループ」と「夜に1回、起床後、朝に1回、睡眠をはさんでテストを受けるグループ」に分けられた。

結果は次のようになりました。

  • 睡眠を挟まないグループ:単純な問題がよく解けていた。
  • 睡眠を挟んだグループ:難しい問題の正答率で、睡眠をは挟まないグループにはるかに勝っていた。

睡眠が脳のパターン認識力を回復させてくれるので、一晩寝て起きれば、過去の解決策を応用し、新しく生じた問題を解決できる頭になっているということでしょう。

同大学も、睡眠をはさんでテストを受けたグループは、過去の経験から解答を効率的に導くことができたと結論付けています。この働きは「類推的問題解決」 と呼ばれています。

類推的問題解決は、ビジネスを成功させるうえでも必要不可欠です。まったく同じ問題が二度起こることはまずありませんが、よく似た問題にはたびたび出くわすものです。重要なのは、「自分が類似の問題にすでに出会ったことがあり、簡単に解決できる」と脳が認識できるように、十分な睡眠を取っておくことなのです。

The Scientifically Proven Reason You Should Sleep on Your Problems | Inc.

Zoe Henry(訳:コニャック

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