Inc.:睡眠不足が心身の健康問題だけでなく、社会的ストレスまでも増長させるというのに疑いの余地はありません。私のオフィスには、睡眠障害を抱える患者がたびたびやってきますが、多かれ少なかれ仕事の生産性に影響があるようです。
さらに憂慮しているのは、過去に発生した多くの悲劇的事件が、睡眠不足と関連していることです。もっとも特筆すべきは、2013年12月のメトロ・ノース鉄道の列車事故でしょう。報道によれば、列車がカーブに差しかかったとき、運転士は操縦席で居眠りをしていたそうです。
睡眠不足は、もちろん心臓疾患、高血圧、肥満にも結び付きます。
上記のことから、睡眠の質を向上させて生産性を高めるということは、ライフスタイルに大いに関係があると言えます。
そこで、自分はよく眠れない人間だと思い込むよりも、以下の提案を取り入れてみてください。
1. 眠いときにだけ眠る
よくやりがちな大間違いは、眠る準備ができる前に、無理やり眠ろうとすることです。これは、不眠サイクルと夜更かしにつながります。
2. 睡眠に関する考え方を変える
よく眠れないという人は、抱えているあらゆる問題を、やたらと睡眠障害のせいにしてしまうことが多いです。睡眠にネガティブな考えを結び付けるのはやめましょう。睡眠が原因で発生している問題もあれば、まったく関係の無い問題もあるということを認識しましょう。
3. リラックスするエクササイズを試してみる
私の患者の多くが誘導イメージ療法、瞑想、漸進的筋弛緩法(リラクゼーション法のひとつ)によりリラックスできました。きっとこの記事の読者にも役立つはずです。
4. 目覚まし時計の文字盤が見えないように置く
時間になると目覚まし時計は必ず鳴り響くと信じてください。文字盤を見つめていても、ちゃんと寝つけるか、十分眠れるかといった不安が増すだけです。
5. 日中は活動的でいる
そうすれば、眠りに落ちやすくなります。エアロビクスなどするのもいいですが、就寝時間が近くなったらやめましょう。
6. 就寝時間の少なくとも6時間前からカフェイン(お茶、コーヒー、炭酸水)とスパイシーな食べ物を避ける
どちらも体に刺激を与えます。就寝時間が近づいたらアルコールも飲まないでください。多くの人の考えとは逆に、そんなことをしても赤ん坊のように安らかには眠れません。最初はバタリと眠れるかもしれませんが、2~3時間もすると体がアルコールを消化し始めるので、逆に休まらない、浅い眠りになってしまいます。
7. 睡眠環境を快適にする
一生のうち平均24年間は眠りに費やします。ベッドは適切なサイズと固さに、室温は適切に、部屋は好みの暗さになるようにしてください。私の患者の多くはホワイト・ノイズ(白色雑音)を発する装置を使って、道路から聞こえてくる雑音をブロックする環境音を作っています。
8. 就寝の1時間前にコンピューター、電話、テレビなどの電子機器の電源を切る
光は睡眠とは相いれないものです、眠っていなければならない時間に脳をだまして、起こしてしまいます。さらに、こうした電子機器から出る刺激は眠りの邪魔をします。決して、枕元に携帯電話を置いて眠らないでください。少ししか離れていない場所に電話やメールが来ると思うと、無意識に脳は深い睡眠に入らないようにしてしまいます。
9. 頭の中のおしゃべりのスイッチを切る
就寝時間の何時間か前に、やらなければならないことを思いつく限りすべて書き出して、翌日まで封印しましょう。いったん頭の外に出してしまうと、恒常的な不安を消すのに役立ちます。そういう不安のせいで夜眠れないことが多いですから。
10. ベッドは必要なこと以外に使わない
ベッドでは、食事をしたり仕事をしたりテレビを見たりしないでください。ベッドですることと起きてすることを分けて暮らすようにしましょう。
10 Highly Effective Ways to Improve Your Sleep | Inc.
JONATHAN ALPERT(原文/訳:春野ユリ)
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