cafeglobeより転載:フランスでも、すっかり市民権を得た「お寿司」。好物だと公言するフランス人も増えてきました。でも、お寿司を前にしたフランス人はひとつ、悩みがあります。
お寿司と一緒に何を飲むべきか?
フランスでは、温かい飲み物は朝食用。ランチやディナーにはアルコールや水など冷たい飲み物を合わせるのが普通なのです。日本人のように熱いお茶を飲むのは、抵抗のあるフランス人たち。悩める彼らが選んだ、お寿司に合うアルコールが、「L'Express」で紹介されていました。
ビールは日本の銘柄で
ちなみに、海外で"SUSHI"といえば、ふつう江戸前寿司。フランスでは細巻きや太巻きも、"MAKI"という名で普及しています。
フランス人の味覚にとっては「濃い」味であるお醤油と「脂っこい」生魚。これに合う味としてはまずビール。そのほのかな苦みが、SUSHIにはぴったりと評されています。フランスのビールは、白ビールからブロンド、褐色ビール、フルーツビールまでいろいろありますが、SUSHIにはアサヒやキリンのような日本の「軽い」ビールがすすめられています。
またもちろん、日本酒もリストに上がっています。中でも、米の香りの少ない吟醸酒か大吟醸酒がおすすめ。米の匂いの強い酒は、SUSHIよりも"SASHIMI"に合うという評価です。
驚きのハーモニーを感じさせるアルコールは?
続いては、フランスのアルコール。
シャンパーニュは、特に鮭、海老、貝柱などのネタとの組み合わせで、驚きのハーモニーを感じさせてくれます。シャンパーニュの中でもおすすめは、ブラン・ド・ブランと呼ばれる白ブドウだけで作ったものと、ほんのりピンクのロゼ・シャンパーニュ。
最近はアペリティフのおつまみとしても大人気のSUSHI。確かにシャンパーニュと合うようで、立食パーティーなどでは、カナペよりもSUSHIの減りが早いのを何度か目撃しました。
ワインも選択次第で
もちろん、ワインも選択次第でSUSHIのよいおともに。白ワインなら、「ミネラル風味」のものがベスト。
「ミネラル風味」というワイン用語。実は今流行りの用語で、通常は白ワインの形容に使われます。「ミネラルの香り」は、ちょっとスモーキーな匂いを想像するとわかりやすいかもしれません。「ミネラル味」は、ほのかな酸味とほのかな塩気を思わせる味と思えばいいでしょう。
ワインで言えば、ロワールのサンセールや、ブルゴーニュのシャブリの形容によく使われますが、最近では、ブラン・ド・ブランの辛口シャンパーニュにも使われているのを目にしました。
さて、赤ワイン派へのおすすめは、繊細で軽い味のもの。特にマグロにぴったりなのが、アルザスかロワールのピノ・ノワールと推されています。
「アルコールのない食事なんて」というフランス人の声が聞こえてくるようで、つい読んでいて頬が緩みました。日本のお寿司屋でワインが出てくるところはまずないでしょうが、立食パーティーや、ホテルのバイキング、またホームパーティーなどで、いつもと違った味の組み合わせをじっくり楽しんでみたくなりました。
(冠ゆき)
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