夏休みの予定はお決まりですか? 日常から離れて、どこかケータイが鳴らない、メールの来ない世界に逃避行したい...。そんな気分になっている人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、世界のどこにいてもWi-Fiが飛んでいるこのご時世。なかなか、そんな場所は見つかりませんよね。逆にあまりにも電波が飛んでいないような浮世離れした国では、危険センサーが発動してせっかくの休みなのに気が抜けない...なんてことも。
今回は、Wi-Fiや電波がほとんどつながらないのに安全で、身も心も、そして魂からもリフレッシュ&リラックスできる究極のデジタルデトックス・リゾートをご紹介します。
大自然の恩恵に満ちた国、スリランカ

究極のデジタルデトックス・リゾートがある国。それは、スリランカです。この「スリランカ」という国を、どれほどご存知でしょうか? 場所は地図で見るとインドの真下。しかし、インドとスリランカでは大きさも国民性もかなり違います。
国土はインドの1/50の広さで、北海道より少し小さい程度と、とてもコンパクト。ブッダを生んだ国であるインドですが、その広大な土地にさまざまな宗教が入り混じっており、国民の80%がヒンドゥ教徒、次いでイスラム教徒、仏教徒はなんと0.8%にすぎないと言います。それに対してスリランカは70%が仏教徒。そのせいか、輪廻転生や、現世で功徳を積むと来世で幸せになるという意識がとても強く、非常に温和で親切な国民性です。
スリランカの見どころとして有名なのは、キャンディやヌワラエリヤといった紅茶の産地、世界遺産である岩山の上の王宮シーギリヤロック、全土に点在する天才建築家・ジェフリー・バワの建築物など...。
そのどれもが魅力的ですし、訪れた国の各都市を周遊し、観光するのは海外旅行の大きな醍醐味です。
でも一方で、あちこち見て回ろうと欲張り移動に追われてしまうと、心の洗濯をするつもりが疲労困憊でヨレヨレ...というのもよくある話。時には、「今回はここから動かないぞ!」と覚悟を決め、徹底的に心と体を緩ませることに向き合ってみるのはいかがでしょう?
コロンボやキャンディといった街は観光地として発展しにぎわいを見せていますが、一歩奥に踏み入れば真にオーガニック&ワイルドな緑にあふれる環境がたっぷり。世界的に見ても有数のスパイス原産国でもあります。
スリランカにはそんな大自然を生かした、観光を封印してなお有り余る充実感を得る魅力的なコンテンツ「アーユルヴェーダ」があるのです。
生命の科学=アーユルヴェーダ
「アーユルヴェーダ」というと額にセサミオイルを垂らしていく「シロダーラ」やマッサージをイメージする方が多いと思いますが、アーユルヴェーダはインド発祥の伝統医学であり、サンスクリット語で「生命の科学」という意味を持つ壮大な養生法です。
アーユルヴェーダ医が、体型、肌質、顔などの見かけや、心と体に関するさまざまな質問、脈診などからその人の持つ「体質=ドーシャ」を診断します。おもに「火」「風」「水」の3つのドーシャに大別し、それぞれの体質に合った食べ物や生活、運動、そしてマッサージなどが「処方」されます。
つまり、真のアーユルヴェーダとは「ちょっとマッサージ受けたい」というレベルのものではなく、「超本気で体質を改善する!!」のが目的。
「本当に本気でアーユルヴェーダを体験したい!」と思ったら、一定期間アーユルヴェーダ施設に滞在し、処方に沿った生活をすることが大事なのです。
スリランカとアーユルヴェーダ
スリランカでは仏教とともに伝来したアーユルヴェーダの医学知識が、土着の伝統医療ヘラウェダカマなどと融合し、現代に受け継がれています。
スリランカは薬草の宝庫です。アーユルヴェーダに欠かせない生命力あふれるハーブやスパイスが豊富に自生し、ナチュラルな「アーユルヴェーディック・ライフ」が人々の生活にしっかりと根付いているのです。
そして、スリランカではこの貴重な伝統医療を後世に残すべく、国をあげてその教育をサポートしており、アーユルヴェーダ滞在が可能なリゾートも豊富にあります。
その中の1つが、マータレーにある小さなアーユルヴェーダ・オーガニック・リゾート「アーユピヤサ」です。敷地にはこぢんまりとしたコテージが数棟、食事の場所、ヨガ道場、アーユルヴェーダ施設、そしてコンパクトな施設と対照的な見渡す限りのライステラスとハーブ・ガーデン。これがこの施設のすべて。施設内には土産ものを販売する売店すらなく、テレビも音楽もありません。Wi-Fiは少し離れた事務所の周りにいくとやっと拾える程度。

でも、真のアーユルヴェーディック・ライフを体験するにはこれで十分。本当になにもない、でも自然にあるべきものはすべてある。アーユピヤサは、究極の「デジタルデトックス・リゾート」なのです。
最初に書いた通り、もしアーユルヴェーダ・リゾートに滞在するなら「スリランカ観光したい...」という気持ちは思い切って捨てるのがおすすめ。もちろん観光も可能ですが、その分午後のアーユルヴェーダの施術時間を減らすこととなります。たとえば6日間の滞在であれば、お土産などを買いに行く1日だけに外出はまとめて、あとは完全に施設内におこもりして、ゆるゆるとした時間を過ごしてみると、デジタルデトックスとアーユルヴェーダの醍醐味を存分に味わうことができるでしょう。
デジタルデトックス・リゾートの1日
アーユピヤサの朝は6時に始まります。まずはコラキャンダと言われる緑の葉とココナッツミルクの薬草粥を一杯。ライステラスやそこに集う鳥やリスたちを眺めながら、ほっこりと胃があたたまってゆきます。

6時半から約1時間、緑に囲まれ柔らかい風が吹き抜ける道場でのヨガ。到着初日にはガチガチだった身体が、滞在の間に少しずつ柔らかさを取り戻すのがわかるでしょう。
朝食はたっぷりと! フレッシュ・ジュースやフルーツや野菜、ココナッツなどが豊富に並びます。お腹一杯になったところで、部屋に戻ってゴロンと一休み。
10時くらいからは、アーユルヴェーダ施設でセラピー・タイムです。午前中はまずハーバルバスやハーバルスチームで身体をしっかり温めることから。十分に汗が出たところで、座位でのヘッドマッサージ、そしてその方の体質に合わせてオイル・トリートメントやシロダーラなど、ドクターに処方されたメインの施術が行われます。
セラピー後のコリアンダー茶をいただいたら、部屋へ戻りまたゴロゴロ(笑)。なにしろゴロゴロするくらいしかやることがないのです。庭を散策したり薬草をすりつぶす作業を見せてもらったり、前の旅人がおいていった本を読んだり...。気ままに過ごします。

ランチはココナッツベースのカレーが中心。スリランカのカレーは、ジャガイモ、なす、魚など、素材ごとにつくられて出てきます。そしてそのどれもが滋味にあふれ、とてもおいしい!

午後のセラピーは、薬草のオイルでヒタヒタにしたガーゼを患部に乗せる「ピチュ」や、フットマッサージ、フェイシャルなど症状に応じたパーツケアが中心。空調などなくても過ごしやすい室温です。鳥のさえずりと木々のそよぎをBGMに、ただただとろけるような時間がすぎてゆきます。そして終わったらまたボンヤリとお茶をいただき、夕飯の時間を待つ...そうして1日が終わっていきます。
デジタルデトックス・リゾートの効果
現代人は、ここまでの「急かされない」時間は、意図的に作らないと体験できないのです。1日、2日、3日...と、こんな風に本当の意味でオーガニックな日々がすぎていくと、脳みその奥底までもが緩んでくるのがわかります。
アーユルヴェーダの施術やヨガを通じて、自分の心や身体と向き合う。生命力に満ちた食べ物をしっかり摂る。たくさんの空き時間には、自分が思うことをノートに書きつけて頭を整理したり、都会にいるときにはできなくなっていた「読書」ができるようになっていることに気づいたり、瞑想に本気で取り組んでみたり...。日が昇り、そして沈み。ただ、自然の中で時間がすぎてゆくことを体感する。
都会で生きる自分を俯瞰でみて、さまざまな気づきを得る人も多いかもしれません。そして、身体の内側から湧き出る生命力を感じることでしょう。
1週間程度の滞在で、生まれたてのような自分を取り戻せるデジタルデトックス・リゾートへの旅。ぜひ体験してみてください!

旅に出るまでは...こちらの「デジタルデトックス アロマ アロマミスト」でリフレッシュしてくださいね。
・デジタルデトックスのすすめ...今を生き抜くためのセルフケア術:その1
・冬休みはおうちでデジタルデトックス!今を生き抜くためのセルフケア術:その2
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約12万人以上を動員する音楽フェスティバルSUMMER SONICで10年連続セラピーブースを展開する他、新宿のシェアオフィス「HAPON」でのオフィスリラクゼーション、アパレルブランド「かぐれ」でのセラピーや講座など他業種とのコラボレーションも多数。現代人が都会でバランスを保ちながら生き抜く知恵やプリミティブな五感を取り戻す方法をさまざまな角度からナビゲートする。