5月のよく晴れた週末、明治神宮外苑で、さまざまなキャンプのカタチを提案するコールマンの屋外イベント「アウトドアリゾートパーク」が開催されました。

イベントにはライフハッカー [日本版]も参加。『デジタルデトックスのすすめ』の著者でもある編集長・米田智彦が、パーソナルセラピーサロン「corpo e alma」主宰のセラピスト小松ゆり子さんを講師に招き、デジタルデトックスをテーマにしたセルフケア術のワークショップを開催しました。今回はワークショップで取り上げたマッサージ・メソッドを抜粋して紹介します。アウトドアではもちろん、オフィスでの気分転換にも最適ですので、ぜひ取り入れてみてください。"デジタルデトックス"とは、パソコンやスマホの過剰な使用によって溜まってしまう精神的・肉体的なストレスを癒すために行う、短期的な「デジタル断食」のようなもの。日常的な空間を離れ、自分の体ひとつで自然と向き合うことができるアウトドア・レジャーは、このデジタルデトックスに最適な環境と言えます。

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講師を務めたセラピスト・小松ゆり子さんとライフハッカー [日本版] 編集長の米田智彦。デジタルデトックスをテーマにした本ワークショップは、スマホの電源をオフにするところから始まりました。

呼吸と香りでデジタルデトックス

マッサージ・メソッドを始める前に意識してほしいのが呼吸法。ストレッチ時の基本となる呼吸法は、筋肉収縮時に息を吸い、伸張時に息を吐くスタイル。これを心がけることで、筋肉を十分に伸ばし、ストレッチ効果を高めることができます。また、脳に直接働きかける香りも効果的。ワークショップでは、リフレッシュ効果のあるバジルと頭をクリアにするローズマリーを組み合わせた、小松さんが監修に関わる「デジタルデトックスアロマ アロマミスト」をひと吹きしてスタートしました。みなさんもデジタル機器の電源をオフしたら、香りをまとって、リラックスしてストレッチを開始してみてください。

2分でできる! 首から肩をほぐすセルフケア

パソコンやスマホと長時間向き合っていると首と肩がこりますよね。そんなときにおすすめなのがこちらのストレッチ。一つひとつの動作を、できるだけゆっくりと行うのがポイントです。

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肩から背中のコリを解消するセルフケア術のSTEP
  1. 両腕をゆっくりと上に持ち上げる。この動作は、あばら骨1本1本の間を開いていくようなイメージで行うと効果的。
  2. 手のひらを外側に向け、1、2、3、4、5と指を折りながらゆっくり数える。前腕の筋肉が一つずつ動くのを感じます。
  3. 重いものをぐっと引き下ろすようなイメージで、両腕を肩の位置までゆっくりと下げる。腕の位置は耳の少し後ろに来るように意識する。
  4. 両腕に力を込めたまま3~4回、前方向に回転させ、後ろ方向にも3~4回、肩甲骨の間が刺激されるように回転させたあと、一気に脱力して腕の力を抜いて腕を下ろす。

上司の目は気にしない! オフィスでもできる超簡単な頭皮と耳のマッサージ術

続いては、頭皮や耳を刺激して血行を促進させることで、目の疲れや全身の緊張を取り除くことができるセルフケア術。アウトドアで新鮮な空気を呼吸しながら行うと気持ち良いですが、小さな動作で行えるのでオフィスでも可能。ただ見ようによっては「仕事で煮詰まっている感」も演出されがちなポーズなので、オフィスで行う際にはタイミングには少し気をつけてください。頭皮マッサージは眉間や額のしわ改善にもつながるので、エイジングケアにもおすすめです。

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疲れ目を解消する、頭皮マッサージのSTEP
  1. 机の上に両肘を合わせてつき、前髪の生え際から頭頂に向けて、ゆっくりと5本の指の腹で地肌を刺激していく。
  2. 両肘を離し、今度は耳の上の髪の生え際から、頭頂に向けて、ゆっくりと5本の指の腹で地肌を刺激していく。
  3. 頭頂部や側頭部などコリを感じる場所で髪の毛を「ぐっと握る→離す」を3~4回繰り返す。

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心をリフレッシュする耳マッサージのSTEP
  1. 左右の耳を耳の穴が広がるように外側へとひっぱる。
  2. 左右の耳を気持ちよく感じる範囲で前後にひねる。
  3. 耳の穴に人差し指を入れ、前方向にじんわりと圧をかけて終了。

触れるだけで疲れがとれる、ゆるゆるペアマッサージ

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オフィスでもできるセルフケア術に続いて、アウトドアシーンで、仲間や恋人と楽しめるペアマッサージを紹介します。2人1組でのマッサージを行うときに心がけたいのは、「強く揉もう」という意識を持たないこと。人間同士で触れ合うだけで、脳の疲れを癒し、心を安定させる「オキシトシン」(別名:幸せホルモン)が分泌されるので、メンタルから来る筋肉の緊張を取り除くことができるそうです。施す側もリラックスしながら、タッチコミュニケーションを楽しんでください。

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身体をリラックスさせる「仙骨ゆらし」のSTEP
  1. お尻の真ん中あたり、尾てい骨の上にある仙骨の上に手を置き、左右に優しくゆする。
  2. 両手でお尻の両脇から挟むようにして左右に揺らし、両手をお尻~膝下まで2~3回往復させる。
  3. じんわり圧をかける、「ベアウォーク」のSTEP

  4. 背骨の位置の左右に手を置き、熊がゆっくりと歩くようなイメージで、体重をかけながら肩からお尻の上までを2~3回往復させる。肩甲骨の下側など特にこわばっているところでは、熊が足踏みするようなイメージで何度か圧をかけると効果的。
  5. 身体の細胞が喜ぶ「ブラッシングエナジー」&「太鼓叩き」のSTEP

  6. 両手で背中から足首に向けての体表をなでるように、シューっと2~3回流す
  7. 両手で軽いゲンコツを作り、お尻から肩に向けて叩きながら2~3回往復させる。
  8. もう一度両手で背中から足首に向けての体表をなでるように、シューっと2~3回流して終了。

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ワークショップは参加者全員で輪になり、マッサージし合う「モミトレイン」で終了

ストレッチやマッサージの効果を高める一番の秘訣は、「無理せず気持ちいい方向に身体を伸ばすこと」なのだと、小松さんは言います。オフィスではひとりで、アウトドアではコミュニケーションを楽しみながら、自分の身体と向き合う時間を作ってみてはいかがでしょう。

「アウトドアリゾートパーク」で見つけた、五感を研ぎ澄ますキャンプ術

ライフハッカー[日本版]が今回のテーマにした"デジタルデトックス"なキャンプではマッサージ術以外にも、自分の五感をフルに活用して、普段デジタル漬けの生活では鈍ってしまいがちな身体感覚を研ぎ澄ますことが大切なアクティビティのひとつ。

そこで、「アウトドアリゾートパーク」の他のブースで提案されていたキャンプを楽しむさまざまなアイデアの中から、ライフハッカー [日本版] 編集部が、次のキャンプで試してみたいと思った3つのアイデアをご紹介します。

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親子連れでにぎわっていたのが、子どもの森幼稚園(町田市常盤町)の職員・田中稔さんによる「火起こし体験ブース」。穴の空いた板に棒を垂直にあて、手のひらや紐を使って棒を回転させると、熱をもった木屑が溜まり、「火種」ができます。その「火種」を、着火性の高い、ほぐした麻紐の繊維で包み込んで、手で持って、大きく円を描くようにまわすと、空気が入って火がつくという仕組み。

ライターを使わずに火が起こせるサバイバル術にも通じるテクニックは、習得しておけばデジタルデトックス・キャンプではもちろん、いざという緊急時にも役立ちそうです。田中さんが開催するイベントでは、「火おこしセット」の販売も行っていました。

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アウトドア芸人・たけだバーベキューさんが行っていたのは、コールマン ジャパンの燻製調理器「パーティーボールグリル」を使って、チーズの燻製を作るワークショップ。ポイントはスモークが簡単にできる「スモークウッド」を使うことで、最近ではアウトドアショップやAmazonでも購入できるので、ぜひトライしてみてください。やり方は、炭と、火をつけたスモークウッドを網の下に敷き、網の上にチーズを載せて(チーズが溶けないように、炭とスモークウッドから離して置くのがポイント)、蓋を閉め、15分ほど置くだけで完成! この日は、比較的溶けにくい雪印の6Pチーズを使って、銀紙を底面だけ残して薫製を作りました。

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高知県を拠点にカヌーのガイドツアーなどを行う四万十塾のブースでは、塾長・木村とーるさんによる「焚き火料理のワークショップ」を開催していました。コールマン ジャパンの「ファイヤープレイステーブル」に空いた穴を活用して、串刺しにした鮎やウインナーを焼いたり、カヌーの上に天板を載せてテーブルを作るなど、四万十塾ならではの個性的で楽しいアウトドア料理のアイデアが満載でした。アウトドアアイテムは、自分たちらしく活用することで、より楽しい空間を演出することができるのかもしれません。

ひっきりなしに届くスマホの通知やPCモニターのまばゆい明滅から離れたアウトドアの環境の中では、存分に味覚へと意識を集中できるせいか、何を食べても美味しく感じるもの。自分の手で楽しく労力をかけて作った燻製や焚き火料理の味はまた格別です。

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イベント会場を出る頃、空は美しい夕焼け色に染まっていました。

パソコンやスマホに向かって日々戦うビジネスパーソンだからこそ、折にふれてデジタルデトックスという"ストレスの自己管理"をすることで、毎日の生産性も向上します。キャンプは四季を通じて自分なりにアレンジしたさまざまな楽しみ方ができるもの。デジタル漬けの日々の中で失いがちな身体感覚を取り戻せるアウトドア環境を利用して、しばしの間スマホの電源を切り、自分の五感を研ぎ澄ましてみてはいかがでしょうか。帰ってきた後の日常も、新鮮に感じられるかもしれませんよ。

コールマン アウトドアリゾートパーク2015

CAMP ISコールマン

(取材・編集/松尾仁、文/宗円明子、写真/木原基行)