Googleは2013年、Androidにひっそりと『Google設定』アプリを追加しました(Androidの通常の「設定」アプリとは別です)。

リリース当初こそ大した機能はありませんでしたが、この数年の間に、とくにプライバシーにうるさい人向けの使える機能が充実してきています。このアプリをここしばらく放置しているという人は要チェックです。

「アカウント履歴」で、さまざまなトラッキングを無効にする

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Google設定アプリの最初のセクションは「アカウント履歴」です。このセクションには、さまざまなGoogleトラッキングに関するオプションが用意されています。項目によっては、トラッキングを無効にするだけのものもありますが、履歴が閲覧できるものもあります。このアプリでできることの幅広さは、ちょっと驚きです。

  • ウェブとアプリのアクティビティ:ここでは、いままでGoogleデバイスで閲覧・検索した内容をほとんど見ることができ、そこには(トラッキングが有効になっているプラットホームすべての)あなたの閲覧履歴と、Googleアプリを使った検索内容などが含まれています。ちなみに、ここにも同じようなものがあります。
  • 端末情報:ここでは、デバイスとアカウント間のデータ同期を無効にできます。連絡先やカレンダー、その他のデバイスデータなどです。ここで注意すべき点は、Google設定アプリでは、「全部オン」か「全部オフ」しか選べないということです。特定のデータのみを無効にしたい場合は、通常の「設定」アプリで、「アカウント」から自分のGoogleアカウントに行き、特定のサービスの同期を無効にしてください。
  • 音声操作の履歴:ここでは、Googleが集めたあなたの声のデータを管理します。一見したところ、このデータは調査目的でサーバーサイドに記録されているように思えますが、「履歴を管理」をタップすれば、あなたが音声で行った検索をすべて確認できます。履歴には音声コマンドも含まれますので、『Google Now』に家までのナビを頼んだ時の自分の口調がどんなだったか知りたい時にはここで聞けます(もしくは、ほかの詮索好きな人が聞きたいと思うかもしれませんね)。また、履歴から検索とコマンドを削除することもできるので、とても便利です。
  • YouTubeの検索履歴:ここでは、YouTubeであなたがこれまでに検索したものを表示/削除できます。ここで検索履歴を無効にすると、あなたのアカウント全体でその機能がオフになるので、デスクトップのYouTubeも履歴を記憶しなくなります。けれどもGoogleは、もしYouTubeに検索履歴を記憶してほしくないなら、アカウントの検索履歴もオフにする必要がある、と注意を促しています。AndroidのGoogle設定アプリはアプリ/デバイスレベルでトラッキングを行っており、アカウントレベルの履歴から独立しているからです。
  • YouTubeの再生履歴:これは、上記の話とはまた別です。「検索したもの」と「再生したもの」は2つの異なったカテゴリーでトラッキングされるので、あなたが1週間ずっと、K-POPのガールズバンドの動画をリピート再生していたことをGoogle(あるいは、ほかの誰か)に知られたくないなら、この機能はオフにしておいた方が良いかもしれません。
  • Googleロケーション履歴:ここでは、どのデバイスのロケーション履歴がオンになっているのか確認することができ、ロケーションデータの一括削除も可能です。ほかの一部のカテゴリーとは異なり、ここではロケーションデータを確認することはできません。ただし、お望みなら、トラッキングの停止や、全履歴の削除は可能です。

これからご紹介するGoogle設定アプリの機能はさらに見逃せません。Googleは、あなたがスマホで行っているアクティビティの多くをトラッキングしています。こういったデータ収集に抵抗を感じない人もいますが、それを停止する方法を知っておくことは大切です。

「オプトアウト」で、不気味なターゲット広告を減らす

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Googleが、より的確なターゲット広告を送るために、あなたのデータを収集していることはよく知られています。これを、許容範囲内のトレードオフであると考える向きもありますが、自分向けの広告が送られてくると、一体どうやって探り出したのだろうかと気味が悪くなってしまいますよね。先日、米Lifehackerで取り上げた通り、Google設定の「広告」のセクションで、インタレストベースの広告を無効(オプトアウト)にできます。そうすると、ターゲット広告の代わりに一般的な広告が表示されるようになります。また、ターゲット広告を受け取ることに問題がなければ、広告IDをリセットすることも可能です。とはいえこのごろは、変な広告も紛れ込むようです。

「接続済みのアプリ」からアカウントへのアクセスを拒否する

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FacebookやTwitterと同じように、Googleでもログイン情報を使って他のサービスにサインインすることができます。ということはつまり、IFTTTPocket、果てはKinjaといった第三者が、あなたのGoogleアカウントにアクセスできる特権を持っているわけです。

米Lifehackerでは以前、過去のアクセス許可を解除する方法として、『MyPermissions』のようなサービスの利用をお勧めしましたが、Google設定の「接続済みのアプリ」のセクションからも、どのサイトがあなたのGoogleアカウントにアクセスできるかを調べられます。

どのアプリがあなたの位置情報を使っているか確認する:

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位置情報のトラッキングに関して気がかりなのは、プライバシーの問題だけではありません。使いすぎるとそれだけバッテリーも消費します。Google設定の「位置情報」のセクションでは、正確さを高めるモードと、バッテリー節約モードを切り替えられます。そればかりか、このセクションでは、あなたの位置情報を要求したアプリの一覧と、それらのアプリがどのくらいバッテリーを消費しているかの確認もできるのです。不正アプリを見つけるのにとりわけ便利な機能ですね。

ほんの一部分しかご紹介できませんでしたが、これらはGoogle設定アプリの中でもズバ抜けて使える優れた機能です。ほかにも、Google設定アプリを使えば、『Google Fit』に接続したデバイスを確認・無効化したり、『Playゲーム』の設定を管理したり、特定のAndroidデバイスマネージャーの機能を無効にしたりできます(これについては、あまりお勧めしませんが)。Google設定は、Google Play開発者サービスを通じてアップデートされますので、Androidデバイスを入手したばかりの時にチェックした人も、時々、確認しておいた方がいいでしょう。

Eric Ravenscraft(原文/訳:阪本博希/ガリレオ)