2015年は、車齢13年を超えるクルマの自動車税が通常税率の15%増しとなる見通しです。従来は、10%増しだったのでさらに増税となります。

クルマは、日本の基幹産業と言いつつもユーザーに厳しい国という印象がさらに強くなりそうです。基幹産業だから、新車購入者に対して優しいのかなと斜に構えてしまいそうな状況です。

「環境負荷が高い」のが理由?

13年を超えるクルマを対象とする理由は、環境負荷が高いためとされています。クルマは道具なので使い続ければ、廃油や廃タイヤなど環境に負荷のかかる廃棄物が出るのは確かです。しかし、これは利用率も関係しており古いからというのは理由になりません。

これまで優れた道具を後世に残すために、努力をしてきた先人たちの蓄積である「自動車文化」の土壌が荒廃するキッカケになる可能性もあります。また、趣味であれば増税に対してある程度は寛容になれますが、経済的理由で維持しなければならないのであれば、状況はより深刻です。

クルマの利用状況からみれば、車齢13年を超えて維持している方は少数かもしれません。しかし、根拠を欠いており、取りやすい所から取るようにも思え、不公平にも感じます。この税制に対して、ライフハッカーでも以前に紹介したオンライン署名サイト「Change.org」では、廃止・恒久化禁止の署名を求める運動を展開しています。賛同できる方は、署名してみてはいかがでしょうか。

面白そうなクルマもありますよ

維持の負担が重くなり興味が薄れそうですが、最近は、ライフハッカー読者のみなさんが興味を持ちそうなクルマも登場しています。

たとえば、BMWの「i3」はカーボンシェルとアルミ合金を組み合せた電気自動車です。Apple Watchを使って遠隔でのエンジン始動やエアコン温度の調整、バッテリーの充電率が確認できます。ポルシェも同様のアプリをリリースしています。

これらは、いまの延長線上のようなものですが、IT技術を積極的に取り込んでいるのがシリコンバレーを拠点にするテスラモーターズです。

「Model S」のセンターコンソールには、17インチのタッチスクリーンが搭載されており、ナビからエアコン、クルマの走行モードやサスペンション設定までが操作できます。ナビ専用に小型ディスプレイを搭載するくらいであれば、大型ディスプレイを搭載して、ナビを含む操作系を集約して汎用性を持たせようという考えは、クルマ業界では異端かもしれませんがIT業界では珍しくありません。また、制御ソフトウェアをバージョンアップすることで自動運転対応になるのは、PCと似ています。

足元を見れば維持費の負担は気になりますが、技術的には、まだまだ面白いものではないでしょうかね。クルマって。

平成26年度自動車局税制改正要望結果(PDF)|国土交通省

キャンペーン · 総務省総務大臣: 自動車税の重課税分〔13年超車両への増税分〕の廃止・恒久化禁止|Change.org

(傍島康雄)