初めまして! 海外で働く日本人女性のリアルな声を発信するインタビューサイト「なでしこVoice」を運営している濱田真里です。これまで4年間、海外で働く日本人を取材してきた経験から学んだことをお伝えしたいと思います。
1.海外に出るきっかけは、パートナーとの関係?

インタビューで必ず聞くのは、「なぜ海外で働こうと思ったのですか?」という質問。男性に聞いた場合は、「今後のアジアの市場拡大に期待して」、「アジアにはまだ同じようなビジネスモデルがないから」など、ビジネスという視点から冷静に海外を選んだと答える方が非常に多いです。
一方で、女性の場合はビジネスの視点よりも、「この国に住んでみたかった!」、「英語を使って働くことが夢だった!」というように、より自分の内面からわきあがる動機によって海外で働くことを選んでいる方が多いように感じます。また、きっかけの中に何らかの形で「パートナーとの関係」が含まれることが多いのもひとつの特徴。たとえば、「外国人の彼氏ができたから彼と一緒の国で働きたい」、「ずっと付き合ってきた彼と別れたから、思い切って海外に飛び出して働きたい」、「結婚して海外赴任の夫についていく」など、インタビューの最中に恋バナになることもしばしば。実はこのテーマについての話を伺っている時が、個人的には一番楽しかったりします(笑)。
もちろんその他にも、女性が海外で働こうと思う理由はたくさんあります。以下に、私が今まで出会ってきた女性たちに聞いた理由の中から、特に多かったものを10個まとめてみました。男性でも、駐在員としてではなく現地採用を受けて海外で働かれている方の場合は、以下の内容に当てはまることもあります。
- 留学経験などがあり、その時の経験からいつか海外で働きたいと思うようになった。
- 海外でどこまで自分の力が通用するか、挑戦したい。
- 結婚などパートナーとの関係で、現地に行くことになった。
- 30歳など年齢の区切りでなにか行動を起こそうと思った。
- ずっと海外で働くことが夢だった。
- その国がとても好きだから、暮らしたい。
- 国際協力の仕事に現地で関わりたい。
- 働きたい会社が日本ではなく海外にあった。
- 日本で勤めている会社よりも、海外の方が働きやすい環境だと判断した。
- 子育てをしながら働くには、海外の環境の方が良いと判断した。

2.何よりも大事なことは、ポジティブ思考であること!

もし、海外に自ら飛び込んだ方たちの特徴をひとつだけ挙げてくださいと言われたら、迷うことなく「ポジティブであること」と答えます。それくらい、海外にいる日本人はポジティブな方が多いです。海外で働くことは、未来が予想できないことばかり。もちろんリスクヘッジをすることも大事ですが、そればかりを考えていても前には進めません。「エイヤッ」という思い切りとともに足を一歩踏み入れ、選んだ道を自分にとっての正解にするために、ポジティブであることは何よりも重要な要素だと思います。
また、私がインタビューをさせていただいた方の多くは東南アジアで働かれているということもあり、暖かい南国の気候の影響か、明るく朗らかな方が多かった印象です。間違いなく、気候というのは人の性格に影響すると思います。実際に、海外で暮らすようになってから気持ちが明るくなった、心が広くなったという声をよく聞きました。海外では日本の当たり前が通用しないことが多く、良い意味で諦める力がついたとも言われます。
海外へ自ら飛び出す人たちの特徴は以下の通り!
- とにかくポジティブ。
- 自分から情報収集をしている。
- 周りに海外で働く知り合いがいる。
- 旅や留学などで海外に対する免疫がある。
- 自分で決断することができる。
- フットワークが軽い。
- 悩みすぎない。
- 人の意見に流されすぎない。
- 人と違うことを恐れない。
- どんな環境でも楽しもうとする。

3.海外に出ることで強くなる、日本人コミュニティ
海外で働くことで、日本人とあまり関わることがなくなるというイメージがある人もいるかもしれません。でも、仕事にもよりますが、ほとんどの場合は日本人同士のつながりはむしろ強くなると思います。今までにアジアを中心とする海外でたくさんの取材を重ねてきましたが、その中で感じたのが「海外だと日本人の母数が少なくなるため、『海外の日本人社会』という狭い世界の中では、大抵の人が顔見知り状態になる」ということ。もちろん、日本人コミュニティにまったく関わらないところで働いている人もいますが、大抵の場合は日本人相手に仕事をしているので、何らかの形でお互いに助け合って暮らしている場合が多いです。
逆説的ですが、海外に出ることで日本と関わらなくなるということはなく、より結びつきが強くなるのです。日本人会はもちろんのこと、県人会や大学の集まりなどもよくありました。私の出身校である早稲田大学の校友会は大抵の国にありましたし(特に中国の稲門会は非常に盛んでした)、シンガポールに行った時には「元リクルート女子会」なんてものもありました。日本にいた時のコミュニティ属性によって海外でもつながれるというのは、現地に入り込んで取材をする中で見えてきた発見でした。
世界にはさまざまな働き方があります。「これが正解」という生き方はありません。それぞれが自分らしく、のびのびと生きることができる社会にするために、「海外で働く」というひとつの選択肢を今後も発信していきたいと思っています。海外就職に興味のある方は、ぜひ「なでしこVoice」をご覧いただき、ロールモデルとなる女性を見つけてみて下さい!!
「なでしこVoice」代表。2012年早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。大学3年次に1年間休学をして、世界の現状を見るために6カ国でボランティアをしながら世界22カ国をバックパッカーとして旅する。その後、就職活動中に「海外の就職情報が欲しい」と思ったが、欲しい情報が見つからなかったため「自分で作ろう」と決意。2011年に世界で働く日本人女性のインタビューサイト「なでしこVoice」を立ち上げる。海外まで自ら足を運んで直接インタビューすることをモットーとし、現在までにインタビューした人数は500人。「なでしこVoice」の「女性×海外就職」というキーワードでのGoogle検索率はトップ。大学卒業後は通信事業会社、編集事務所を経て、現在は「なでしこVoice」の運営や、海外就職をしたい人の応援サイト「ABROADERS」の編集長として活動中。