99u:会議の際に、すばらしい頭脳をもった人たちが集まると、信じられないようなアイデアや企画が出ることがあります。しかし、残念ながら、世の中の会議の多くが非効率なものになっています。

往々にして組織というものは、最も不足している資源である「人の時間」の使い方に対して無責任になりがちです。米国での調査によると、ひと月に行われる会議の平均的な回数は約62回。それらの会議に費やされる時間を毎回1時間として、そのうちの半分、つまりあなたの人生のうち31時間近くが毎月ムダになっていることが明らかになりました。

会議中には、労働者の73%が別の仕事をしていて、91%がぼんやりしているだけです。その間の人件費を計算すると、米国企業が不要な会議のために支払っている給料は毎年約37億ドル(約4421.6億円)にも上ります。

わかりきったことですが、不毛な会議はやめなければなりません。しかし、それぞれの会議が必要であるか否かを正確に判断するのは、言うは易く行うは難しです。それを判断する指標として、『How to Invest Your Time Like Money』の著者であるElizabeth Grace Saunders氏は、4つの簡単な質問を提案しています。

今置かれている状況について考え抜いたか?

まだ考え抜いていなかったら、少し時間を取って戦略的に考えましょう。その間、プロジェクトの範囲、現状、重要となり得る局面をそれぞれ評価して、意味のある前進をするための行動計画を練りましょう。

課題を解決するために、他の人からの情報が必要か?

他の人からの情報が不要でしたら、会議を予定に入れる代わりにToDoリストを更新して行動を起こしましょう。

課題を解決するために、リアルタイムの会話が必要か?

関係者を集めた会議で、全員が資料を読んでいる様子を手持無沙汰に眺めるのではなく、関係者全員に各自閲覧が可能な資料をメールなどで送って、それに対するフィードバックを返してもらいましょう。そのほうがずっと効率的です。

課題を解決するために、顔を合わせた会議が必要か?

オンラインチャットなら、短時間で質問に答えられます。さらに掘り下げた会話が必要な場合は、電話やビデオ会議を予定すればうまくいくかもしれません。

これら4つの質問を終えても、まだ顔を合わせた直接的なコミュニケーションが必要と考えるなら、どうぞ会議の予定を立ててください。

しかし、ここで注目してほしいのは、人の時間をムダに使わないようにする責任は、会議の召集者だけが負っているのではないということです。出席予定者も「この会議は必要か?」と問うべきです。Saunders氏が提案した質問を、会議の参加者に合わせて変えると次のようになります。

1.私がいない状態で、この状況を熟考したのか?

2.課題を解決するために、私の情報提供が特に必要なのか?

3.リアルタイムで話をする必要があるか?

4.直接会う必要があるか? それともオンラインでも大丈夫か?

IntelでCEOを務めたことのあるAndy Grove氏は、かつて次のように書いていました。「会社の従業員がオフィスの備品を盗むのを許さないように、自分の時間を盗ませてはいけません」。正しい意志決定プロセスを用いれば、出席する会議の数を劇的に減らせます。

そして、最終的に会議を開くことになれば、それは必要な会議となるはずです。一致団結を促進し、創造力を解き放ち、あなたとチームがより短時間で本質を見極められる(そしてすばやく仕事に戻れる)会議となるはずです。

Is This Meeting Necessary?|99u

Hamza Khan(原文/訳:コニャック

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