2014年2月20日公開記事を、編集・修正して再掲載します。

子どものスポーツの大会などを見に行くと、横柄な親の姿が目につきます。あからさまに、審判をやじったりコーチをバカにしたりして、子どもに恥ずかしい思いをさせる親もいます。

でも、困った親はそれだけではありません。善意からの行為が、無意識のうちに我が子のスポーツという体験を台無しにしているケースもあるのです。よかれと思ってやっているだけに、むしろこっちの方がやっかいなのかもしれません。Proactive Coaching LLCのブルース・E・ブラウン氏とロブ・ミラー氏は、かつてスポーツコーチをしていた経験をいかし、学校などで大人向けの講演を行い、知らず知らずのうちに困った親にならないための方法を伝授しています。

2人は数百人の大学生アスリートを対象に、子どものころにあったスポーツにまつわる最悪の思い出を調査しました。その結果、「試合終了後に親に送ってもらう車の中」という答えが圧倒的に多かったのです。

その理由は、「まだ汗も乾いてないうちに」、親が試合内容についてあーだこーだ言うからではないかと言われています。試合直後の子どもにとっては、勝ち負けは関係なく、自分のプレーやコーチの采配などについてグダグダ言われるのが嫌なのです。観客でも偽コーチでもなく、「親はただの親であってほしい」のが子どもたちの願いだと、ミラー氏は言います。

スポーツとは、子どもの人生において、「好きなようにやりなさい」と親に言ってもらえる数少ない場所です。彼らにとっては、リスクを取り、失敗に対処するのに、これほどいいチャンスはないでしょう。

なぜなら、スポーツの結果は致命的にはなりえないからです。あくまでもスポーツはスポーツ。ですから、スポーツで何かうまくいかないときに、わざわざ親に出てこられるのは子どもにとって嫌なことですし、その必要もないのです。

所属しているチームが安心できる環境だと確信したのなら、あとはすべて、コーチと試合の成り行きに任せてください。成功も失敗も、すべて子どもたちのものなのです。

親として言ってもいいのは「君のプレーを見てるのが楽しい」。それだけです。余計な口出しはしないで、ただ楽しむべし。筆者の個人的な見解としては、これはスポーツだけに限ったことではないような気もしますが。

Melanie Pinola(原文/訳:堀込泰三)

Photo via Coca-Cola South Africa.