Inc.:人生について考えるとき、私たちは最も大きな喜びの記憶をもたらすのは、すばらしいタヒチ旅行や、大きなプロジェクトの成功などのビッグイベントだと考えがちです。確かに、南太平洋のビーチに腰をおろすことで幸福感が減ることはないでしょう。しかし、最近の研究によると、どの記憶が最も多くの喜びをもたらすかについて、私たちは的外れな推測をしているようです。
日常の出来事こそ、大きな幸せになる
実は、日常的な出来事は、私たちが思うより、はるかに幸せな記憶となります。旧友とコーヒーを飲んだり、配偶者のために夜ご飯を作ることなどは、記憶しておく価値があるようには思えないかもしれませんが、実際には、このようなシンプルな出来事こそが後に思い出したときに非常に大きな喜びをもたらします。
さて、問題はこの知見をどう活かすべきかということです。作家のグレチェン・ルービン氏は、単純ながら強力な提案をしています。彼女は、最近その案をポッドキャストで提案しました。私たちが普段忘れがちな、些細な日常の出来事から喜びを感じ取る、とても簡単な習慣です。それは、「1行日記」と呼ばれ、内容はその名の通りのことだけです。
続けられる日記
「1行日記は、1日たった1行を書くだけです。(中略)これなら、あなたも定期的に日記をつけたいという願望を抱くでしょう」とルービン氏は言います。しかし、たくさんの時間をかけて、深く考えたことや事細かな記憶を記録したいと思っても、現実的ではありません。そのような長文の日記には本当に時間がかかるからです。
解決策はあるでしょうか? 日記をつけるというコンセプトはそのままに、長さを捨て、とにかく1日に1行ないし2行で、その日特に記憶に残っている出来事を記録することです。そんな短い文章で自分の人生に何か変化があるとは思わないかもしれません。しかし、ルービン氏は、このアイデアは手軽でありながら、影響は大きいと主張しています。「1行で十分です。数年後、この日記を振り返って読んだとき、この1行が記憶を鮮明に保ち、過去を呼び起こします。それこそまさに、私たちが日記に求めることです」と、彼女は言っています。
科学的に裏付けされているとおり、このような記憶は私たちが思う以上の幸せをもたらしてくれます。ルービン氏はさらに「私たちは幸せな出来事を書き留める傾向がある」と指摘しています。そうすることで、人生の肯定的な側面にスポットを当て、ごくわずかな努力で喜びを増加させられるのです。
人生のどんな局面を日記に書いても良いのです。例えば事業を立ち上げる手順や、特に何をしなくても報酬を得たことなど。ただし、この短い記録を手軽に欠けるように、日記帳はすぐ手の届くところに保管しましょう。そうすることで、書き忘れを防げます。
Can Just a Sentence a Day Make You Happier?|Inc.
Jessica Stillman(訳:コニャック)
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